初めての百花園、初めての隅田川堤の桜へ
- 2024年 4月 12日
- 評論・紹介・意見
- 内野光子
九段下から半蔵門線の久喜行きに乗り、百花園へと東武曳舟で下車したところ、駅員に「東向島」駅の方が近いけれどと言われ、地図を見れば、水戸街道に出てから明治通りまで進み、しばらく歩くらしい。二人ともすでに足が重い。タクシーで行くことにした。助手席にも人がいるので一瞬驚いたが、ただいま実習中とのこと、指導員の方が若く、ナビで色々指示している。運転手不足からか、ときどきこんな光景に出会う。百花園は高齢者は入園料70円とのこと。園内は閑散としていて、江戸から明治初期の俳人や文人たちの句碑や歌碑が多い。ほとんどなじみのない人だけに素通りしてしまうのだが、草花をよく知る人にとっては楽しいかもしれない。ウメなどの種類も多いらしいが、今は、ボケの花の見ごろで、真紅や薄紅の花をつけた枝をひろげていた。ベンチで一息ついて、今度は隅田川まで歩くことにした。
「焼きどら焼き」は本日売り切れのお知らせが張ってあったが、草もちに並んでいるのかな。
墨堤通りに出たものの、隅田川に通じる道がなかなか見つからない。犬の散歩の人に尋ねれば、高速をくぐってすぐという。工事中の銅像公園を経てようやく堤防が見えてきた。もうかなりの人通りで、桜の花のもとでお弁当広げている家族やシートを広げて場所とりをしている人、焼きそばのパックを大事そうに持つ外国の人。人の流れが滞っていると思えば、屋台が出ているところで、行列ができていた。私たちも、誘われ、おだんごと太巻きを求め並んだ。見おろせば、川面にユリカモメが舞い、手すりにはきれいに並んで羽を休めている。すぐそこにも、対岸にも。
だんだんと足も重くなり、桜橋をへて、言問橋を目指して歩く。もうすぐ浅草駅、始発なのに、すごい混雑、昔の通勤ラッシュを思い出す。日本橋で東西線に乗り換え、座れてほっとするのだった。前日が14000歩、この日も14300歩。明日が心配、どうなっていることか。
初出:「内野光子のブログ」2024.4.11より許可を得て転載
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