文科省記者クラブでの記者会見「井上明久東北大総長の日本学士院賞受賞論文に見られるデータ改竄疑惑」(その1)
- 2012年 3月 9日
- 時代をみる
- 大村泉東北大学井上総長研究不正疑惑高橋禮二郎齋藤文良
井上総長の研究不正疑惑の解消を要望する会(フォーラム)
井上総長の研究不正疑惑の解消を要望する会(フォーラム)世話人の大村泉(東北大学大学院経済学研究科教授)です。3月7日付の『河北新報』で紹介されておりましたが、齋藤文良東北大学多元物質科学研究所教授(前同研究 所長)、高橋禮二郎東北大学元教授(フォーラム世話人)と私は、3月6日、文部科学省で記者会見をしました。
文科省記者クラブでの記者会見で配付した資料2点とYouTube動画を公表します
2012年3月6日、文部科学省12Fの文部科学省記者会・記者会見室で、齋藤文良東北大学教授(多元物質科学研究所、前同研究所長)、大村泉同教授(経済学研究科・本会世話人)、高橋禮二郎同元教授(本会世話人)の3名が記者会見し、「井上明久東北大総長の日本学士院賞受賞論文に見られるデータ改竄疑惑」を明らかにしました。
ここに公表する資料1「井上明久東北大総長の日本学士院賞受賞論文に見られるデータ改竄疑惑」は、この記者会見で齋藤教授が用いた画像(pdf)です。
昨年6月、井上東北大総長を筆頭著者とするAPL誌(Applied Physics Letters)所収論文(この論文は、同総長の日本学士院賞(2002年)授賞対象論文の一つ)が、MSE誌(Materials Science and Engineering)所収論文の二重投稿(多重出版)であったことから、論文取り下げ処分を受けました。
この二重投稿は、同じ俳句や川柳をうっかりミスから異なる新聞や雑誌に投稿してしまった、と云った単純な二重投稿では決してありません。両者を比較検討すると、いずれかの論文、あるいは別の井上氏の論文に、データ改竄(研究不正)疑惑のあることが明らかとなります。本解説は、多くの画像を用いてこのデータ改竄を具体的かつ詳細に明らかにしています。
なお、齋藤教授は、矢野雅文東北大名誉教授(前電気通信研究所長)とともに、井上氏の研究疑惑、研究倫理違反疑惑に関する公正な対応と学内の良識回復に努めてこられました。
資料1 ダウンロードは右をクリック:記 者会見(井上総長の二重投稿の実態)2012.3.6.pdf
資料2は、この記者会見で公表した同日付の「井上明久東北大学総長の研究不正疑惑に関する声明」です。声明連署者は齋藤教授、矢野雅文東北大名誉教授(前電気通信研究所長)、日野秀逸東北大名誉教授(元経済学研究科長)、大村教授、高橋元教授、松井恵弁護士の6名です。声明では、 (1) 井上明久東北大学総長が、著作権法違反を理由に内外の学協会から7編もの論文取り下げ処分を受けた責任をとり、直ちにすべての公職を辞任すること、(2) 文部科学省が、誰が見ても明らかな井上総長の研究不正の実態を確認し、直ちに必要な社会的責任のある対応をとり、同時に日本学士院に対して、研究不正の実態確認と直ちに必要な対応をとるように指導すること、以上2点が要求されています。なお、この声明は、「物理学者の社会的責任」サーキュラー『科学・社会・人間』120号(2012年3月、近刊)に収録されることが確定しています。
資料2 ダウンロードは右をクリック:資料2.pdf
記者会見のYouTube アップロード動画はこちらです。
井上東北大総長の学士院賞受賞対象論文のデータ改ざん疑惑(1)
http://www.youtube.com/watch?v=Y2X2kDiBjAI&feature=youtu.be
この(1)では、大村世話人の挨拶と齋藤教授の記者発表の全容をごらんになれます。
フォー ラムは引き続き、この後続いた記者とのやりとりを同じくYouTubeで公表する予定です。
初出:「井上総長の研究不正疑惑の解消を要望する会(フォーラム)」より許可を得て転載http://sites.google.com/site/httpwwwforumtohoku/
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1856:120309〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。