「オスプレイ」配備を危惧する声高まる
- 2012年 6月 18日
- 時代をみる
- 池田龍夫
沖縄・米軍普天間飛行場へのオスプレイ(垂直離着陸輸送機MV22)配備をめぐって、新たな難題が急浮上。政府は、沖縄配備の前に米軍岩国基地(山口県)で試験飛行したうえで8月に普天間配備する計画を立てていたため、打開策に苦慮している。
米国で訓練中にまた墜落事故
米軍がフロリダ州で実施していた飛行訓練中の6月13日(現地時間)、オスプレイが墜落、5人が負傷する事故が発生した。4月にモロッコで墜落して海兵隊員2人死亡、2人重傷の事故を起こしたばかりで、〝欠陥機〟配備への不安が高まる一方だ。
特に宜野湾市民は普天間配備反対を唱え、6月17日午後「オスプレイ配備に反対し固定化を許さず、普天間飛行場早期閉鎖・返還を求める市民大会」を開催。宜野湾市・同市議会・同市教育委員会共催という大市民集会に盛り上がり、市民ら4500人が日米両政府に対し、「オスプレイ配備反対」の意思表示したことを注目したい。仲井真弘多沖縄県知事は「(2度の墜落事故は)危険の二乗。とてもとても沖縄配備は無理です」と憤慨。13日に米軍から「極めて高性能の航空機」との報告を受け取った佐喜真淳・宜野湾市長も驚愕、「安全ではないという逆の証明になった」と、米軍への不信感をあらわにしていた。
「沖縄全県の『普天間化』」と県紙が警告
琉球新報6月17日付社説は、「オスプレイ配備は、沖縄全県の『普天間化』を意味する」と前置きし、次のように主張している。
「本土でもオスプレイ問題への関心が高まっている。県内、県外を問わず、オスプレイ配備は許されない。配備や訓練の対象とされる自治体と住民が連帯し、日本の空に〝欠陥機〟を飛ばさないよう国への働きかけを強めたい。……日本側は事故率について米国の説明を検証せず、米国の代理人のように『問題ない』としている。そんな政府を誰が信用しようか。県民にとって、普天間問題をめぐる日米両政府の不誠実な対応を世界に広く知らしめると同時に、理不尽な安保政策について国民全体で認識を共有し、両政府に根本的見直しを求める機会にもなる」
毎日新聞12日付社説も、「オスプレイ配備で沖縄との関係がこじれれば、最大の懸案である普天間移設問題に影響するのは必至だ。配備の強行は、森本敏防衛相が『職を賭して』と語った移設問題解決の障害になりかねないことを深く自覚すべきである」と警告していた。
「米国側の事故究明を待つ」と、官房長官
防衛省政務三役も「地元に説明しようがない」と困惑、藤村修官房長官も14日の会見で「詳細が分からない限り、何ら新たな行動を起こさない」と語っている。政府は米側に事故原因の詳細な説明を求めており、究明前の配備に慎重な構えだ。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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