「小出裕章さんインタビュー (その2)」など-地震と原発事故情報
- 2013年 5月 25日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No1846】
2013年5月25日(土)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.小出裕章さんインタビュー (その2)
人間の手に負えない事故であることを再認識すべき
溶け落ちた核燃料の取り出しは不可能でしょう
★2.柏崎刈羽5・18集会決議文
★3.大間現地原発反対イベントとツアーを紹介します
プルトニウム原発(フルMOX燃料)の建設工事に反対する大間現地アクショ
ンに参加しよう!
伊藤 晴夫(たんぽぽ舎ボランティア)
★4.新聞・雑誌より
◆「敦賀は廃炉に」 金曜デモアピール (5月25日東京新聞より)
◆ M8~9の地震 50年内90%以上 (5月25日朝日新聞より)
◆ 実験施設 放射能漏れ 東海村 (5月25日朝日新聞より)
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※ 訂正です。
5月23日発信【TMM:No1843】6月3日の明大リバティーホールでの「脱原発テン
ト裁判を考える講演会」の講演者で一部誤りがありました。訂正をお願いします。
誤 中嶌哲円 正 中嶌哲演
※ 5/29(水)の学習会にご参加下さい。
食事から放射能を抜いたら、次々と「奇跡」の治療が起きた
最新・ウクライナの実践結果の報告
日時 5月29日(水)18:30開場 19:00開会
講師 小若順一さん (食品と暮らしの安全編集長)
会場 たんぽぽ舎 参加費 800円
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┗■1.小出裕章さんインタビュー (その2)
| 人間の手に負えない事故であることを再認識すべき
| 溶け落ちた核燃料の取り出しは不可能でしょう
└──── 小出裕章さん(京大原子炉実験所助教)
☆出典:人民新聞5月15日号より。了承を得て掲載。数回に分けて
連載します。
編…浄化された汚染水は、どれぐらいの放射能レベルですか?
小出…今浄化しているのは、セシウムだけです。他の放射性核種については、何
の浄化もしていないのです。例えばストロンチウムは、29万Bq/ccほどの汚
染度で、法定濃度基準の何百万倍。近づくのも嫌だな、というレベルです。漏れ
出たといわれる120は35兆Bqで、広島原爆による放射能=89兆Bqの3分の
1に相当します。
そこで、東京電力は他の放射性核種も除去できる「アルプス」という浄化装置
を稼働させる、と言っています。どこまで浄化できるかは、私にはよく分かりま
せん。原子炉施設から環境に放出してもいい濃度が、それぞれの放射性物質につ
いて定められていますが、そのレベルまで浄化するのは無理だと思います
でも仮にうまくいってセシウム、ストロンチウムなどの放射性核種も法定濃度
を下回る程度に浄化できたとしても、トリチウムは不可能です。トリチウムは水
素の同位体なので、水そのものになってしまっているからです。
浄化装置は、水の中に含まれている放射性物質を取り除いて水をきれいにする
ものなので、水そのもになったトリチウムは取れず、法定濃度限度の何万倍、あ
るいは何十万倍もの汚染水を、そのまま海へ流す日が来るでしょう。
編…被曝労働についてお聞きします。原発建屋周辺の作業環境は、一体どういう
状態なのでしょうか?
小出…私は、京都大学原子炉実験所で働いていますが、放射性物質を取り扱う時
には、放射線管理区域でやらなければなりません。1時間あたり0・6μSvを
越えるような場所は、放射線管理区域に指定するのが日本の法律です。
私のような放射線業務従事者が管理区域内で仕事をするのですが、被曝を避け
るため、20μSv/hを超える場所は、「高線量区域」に指定して規制します。
例えば、1カ月ほど前、ネズミが配電板の配線をショートさせ、停電が起こり
ました。冷却が一時停止して、大問題となりました。皆さん「何でそんな馬鹿な
ことを許したのか」と、散々文句を言ったわけだし、私もお粗末だなと思いまし
た。けれども、その配電板がある場所とは、300μSv/hという放射線が飛
び交っている場所なんです。
東電は、事故収束のために冷却水循環のためのラインを作り、ポンプを据え付
けて、電源供給のための配電盤も作ったのですが、その配電盤をトラックに乗せ
て建屋に横付けして「置いてきた」という状況です。現場でゆっくり配電盤を組
み立てる時間などない場所なのです。
ですから、配電盤をしっかり管理してトラブルがないようにすること自体が、
とても難しい現場なのです。
300μSv/hというのは猛烈な汚染環境ですが、他の場所はもっと凄くて、
東電としては「ここならば、まだ我慢できる」として、そこに置いたのでしょう。
発電所の敷地の中には、到底、人間が行けない場所も山ほどあって、原子炉建
屋内部は、人が入ることすらできません。
ロボットを送り込んでも帰ってこれず、次々と駄目になると。そういう場所な
んです。皆さんは、「大事故だからもっとしっかり事故に対処しろ」と思われる
でしょうけれども、そんなことが言えないほどに無茶苦茶ひどい場所だ、という
ことをまずわかっていただきたい。
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┗■2.柏崎刈羽5・18集会決議文
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私たちは首都圏をはじめ全国各地から柏崎刈羽地元3団体(柏崎刈羽原発反対
同盟・守る会・地区労)と会合すべくこの柏崎市と刈羽村に集まりました。その
目的は言うまでも無く、今夏季以降全国各地で目論まれている「原発再稼働策動」
を阻止するためです。
交流をますます深め、それぞれの運動地点で反対して応援しあう体勢を整える
ためです。
3・11福島第1原発過酷事故以降、原発の事故収束は程遠く、事故の処理も
されず、ふるさとを奪われた人々には満足な補償もされていません。日々子供た
ちは放射能にさらされ、また原発事故処理は多くの被曝労働者を生み出していま
す。更に農民・漁民の方々においては安全・安心な生産活動の展望も開けていま
せん。
しかし、長谷川健一氏の写真展が示すように、真実を伝え、東京電力と国を訴
え、全国の心ある人々と廃炉へ向け、「明日を切り開く」行動は開始されていま
す。
今日 安倍政権は厚顔にも原発産業の意に応えトルコをはじめ諸外国に原発輸
出を行おうとしています。
更には「原発再稼働」を次の参議院選挙公約の前面に掲げようとしています。
しかし福島県民をはじめ圧倒的世論におされている東京電力は福島第2原発の
再稼働を展望することは出来ない状況です。それ故金もうけ第一主義の東京電力
はその矛盾の一切を柏崎刈羽原発に集中させ再稼働を目論んでいます。
柏崎刈羽原発も福島原発も共に東京電力の発電所です。首都圏は巨大消費地で
す。柏崎刈羽・福島・首都圏は直接的に東京電力と向合っています。とりわけ首
都圏は倫理的にも柏崎刈羽・福島原発に重大な関心を寄せねばなりません
今日、誰の目から見ても規制委員会は再稼働に向けた新基準を出す委員会であ
ることは明らかです。
規制委員会は再稼働のための新基準づくりではなく「廃炉に向けた試案」こそ
提案すべきだと思います。
私たちは福島過酷事故を直視すればするほど「原発の安全」と「地域発展」は
虚構の神話であったことを確信します。
柏崎刈羽地域にあって地域発展は低落しつつあります。今や再稼働による発展
は望むべくありません。
この数十年来、原発推進側は、原発関係地域を分断し続けて来ました。
私たちはよびかけます。
今こそ胸襟を開き「原発に頼らない町づくり」を行いましょう。
私たちは持てる力を尽くして再稼働を許さず、脱原発を実現していきましょう。
私たちは以下を決議します。
1 福島原発過酷事故と被害者を忘れません。
2 大飯原発の稼働を許しません。
3 全国の原発建設と再稼働に反対します。
4 柏崎刈羽地元3団体・周辺地域の方々と連帯し、再稼働を阻止し、 廃炉に
向け全力をそそぎます。
2013年5月18日 参加者一同
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┗■3.大間現地原発反対イベントとツアーを紹介します
|プルトニウム原発(フルMOX燃料)の建設工事に反対する大間現地アクション
に参加しよう!
└──── 伊藤 晴夫(たんぽぽ舎ボランティア)
電力需要が原発なしで充分充足しているなか、危険極まりないフルMOX原発を
(不)採算性の見通しも、地盤やシステム自体の(不)安定性も意に介さず、大間原
発の建設を強行しようとすることは「核燃サイクルの弥縫策」以外ではあり得ず、
許されてよいことではありません。
6月15~16日に大間原発現地でイベント・講演・反対アクションが行われます。
大間は、本州最北端の地ですがアクセス方法は色々あり、現地では大間原発に反
対するひとりでも多くの方の参集を呼びかけています。
(アクセス方法 http://ohmagrock6.greenwebs.net/ )
たんぽぽ舎ボランティア・グループ「大間原発おおまちがいチーム」では、3
泊4日(6/14(金)~17(月))の現地ツアーを組んで参加を計画しています。
問い合せは tukurunaoma@yahoo.co.jp まで。
6/15(土)午後 大MAGROCK(反核ロックフェスティバル)
http://ohmagrock6.greenwebs.net/?page_id=30
19:00講演会@大間「なぜ私たちは大間原発に反対するのか」
講師 鎌田慧さん他
6/16(日) 11 時10 分~大間原発反対現地集会
集会後,大間町デモ。13 時50 分終了予定
http://nonukesooma.wordpress.com/
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┗■4.新聞・雑誌より
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◆「敦賀は廃炉に」 金曜デモアピール
脱原発を求める市民による毎週金曜日恒例の抗議活動が24日、東京・永田町
の首相官邸前や国会周辺で実施された。
参加者は、プラカードを掲げて「原発いらない」と繰り返し訴えた。
原子力規制委員会が日本原子力発電敦賀原発(福井県敦賀市)の2号機真下に
活断層があると判断したことを受け、参加者からは「国民の命を考えれば、廃炉
が当然だ」との声が上がった。
(写真「首相官邸前で脱原発訴える人たち」あり)
○ ここから 定点観測 国会前
経済より人命が大事
会社員 板倉彰一郎さん(39) 茨城県土浦市
ツイッターでデモのことを知り、以前から関心がありました。東京に用事があっ
たので職場の仲間と一緒に初めて参加しました。実家が福島県南相馬市の原町区
で、東京電力福島第一原発から20キロ圏内なんです。 (中略)
あんな事故があったにもかかわらず、原発の再稼働や輸出を考えている現在の
政府の方針は理解できません。経済よりも人命が大事です。福島の事故を教訓に
しなければ。 (後略)
(5月25日 東京新聞より抜粋)
◆M8~9の地震 50年内90%以上
南海トラフ 調査委予測
政府の地震調査委員会は24日、駿河湾から九州沖まで延びる南海トラフで起
きる恐れがある大地震の発生確率を公表した。トラフ沿いのどこかでマグニチュ
ード(M)8~9の地震が起きる確率は、50年以内に90%程度以上、10年
以内なら20%程度などで「切迫性が高い」とした。(中略)
本蔵義守委員長(東京工業大名誉教授)は「切迫性はかなり高いという認識。
今後の地震、津波対策を着実に推進し、防災、減災に努めてほしい」と話した。
調査委の南海トラフに関する今年1月時点の予測は、M8程度の東海地震が
88%(参考値)、M8・1前後の東南海地震が70~80%、M8・4前後の
南海地震が60%程度の確率で30年以内に起こるなどとしていた。
(5月25日 朝日新聞より抜粋 )
◆ 実験施設 放射能漏れ 東海村 原子力機構 研究者ら被曝
日本原子力研究開発機構は25日、茨城県東海村の原子核素粒子実験施設J-
PARCで、放射性物資が施設の外に漏れたと明らかにした。施設にいた研究者ら少
なくとも4人が内部被曝した。(中略)
原子力機構や原子力規制委員会によると、放射能漏れがあったのは23日午前
11時55分ごろ。陽子ビームを金にあて素粒子を発生させる実験をしていた。
装置が誤作動を起こして陽子ビームは通常の400倍の出力になり、金が蒸発。
放射性物質が漏れて研究者が吸い込んだ。現場には当時、研究者ら約30人がい
たという。 (後略)
(5月25日 朝日新聞より抜粋)
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