たんぽぽ舎から No1938
- 2013年 8月 24日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No1938】
2013年8月24日(土)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.汚染水と再稼働の関係
福島高レベル汚染水対策なくして、原発再稼働はありえない
福島汚染水タンクから漏えい「レベル3」(重大事態)-その2
バルブは開けていた。堰は30センチ、これではザル
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.8月22日(木)アーサー・ビナードさん講演会の感想2つ
山野容子さん、富塚元夫さん
※10月か11月頃に再度、アーサーさんの講演会を予定
★3.新聞・雑誌より
◆稼働26年 廃炉90年 「解体先進国」英の原発 高線量 作業に壁
(8月19日毎日新聞より抜粋)
◆原発なしで乗り切れる 教員 古家正暢
(8月19日東京新聞「発言」より)
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※8/27学習会にご参加を!
被災者と子どもの未来のために-原子力市民委員会第一部会(福島
原発災害対策)の課題
日 時:8月27日(火)19時開会
講 師:島薗 進さん(上智大学神学部教授)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:一般800円(学生400円)
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┗■1.汚染水と再稼働の関係
| 福島高レベル汚染水対策なくして、原発再稼働はありえない
| 福島汚染水タンクから漏えい「レベル3」(重大事態)-その2
| バルブは開けていた。堰は30センチ、これではザル
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○ 漏えいを引き起こしたタンクはボルトで留めるタイプで、隙間はゴムシール。
こんな構造で、高濃度の汚染塩水を溜め続けることはできない。強い放射線と塩
水でシールは破壊される。
しかも暑い夏に屋外のタンクなので、強烈な太陽光線で、鋼鉄の熱膨張と収縮
が繰り返される。応力と紫外線とでゴムは劣化し、隙間が出来てしまう。漏れ出
すのは当然のこと。
それもまた「想定外」なのだろう。このような構造では漏れは一基に止まらな
い。漏えいのメカニズムが上記のようなものならば、シール劣化は全タンクに及
ぶので、次々に漏えいし始めている。
汚染水漏れが生じた後の対策も「無いに等し」かった。
コンクリートの堰はたったの30センチ。雨が降り続くだけで溢れる。さらに
「雨水か漏えい水か見分けるために」バルブは開けられて堰の水は全部流れるよ
うになっていた。つまり堰の意味が無かったわけだ。
まるでザルで汚染水を止めようとしていたかのごとく、やっていることがデタ
ラメで見るに堪えない。ちなみに汚染水がタンクから漏れ出たかどうかは、線量
計を繋いだ警報装置を全タンクの下に設置し、警報機付き水位計も設置していれ
ば容易にチェックできることだ。技術的には簡単にできることさえ、ほとんど何
もしていない。あろうことか、緊急点検と称して、毎時100mSvもの線量がある場
所を作業員が回って点検している。とんでもない非人道的作業を強いている。
○ 再稼働への問題点
この事件で見えてきたのは、シビアアクシデント対策に汚染水処理が全くない
こと。炉心損傷を来す事故が起きれば、大量の汚染水が生じる。これを通常の冷
却システムで回収処理できるとするのは楽観的観測に過ぎない。
建屋に流出する汚染水は、必ず環境に出る。遮蔽できる能力があるのは格納容
器しかないが、シビアアクシデント下では格納容器は配管や電線ケーブルの貫通
部(ペネトレーター)が損傷しているから、自動的に建屋流出を想定することに
なる。
福島第一の教訓として、大量の汚染水が建屋から環境に出ないためには、予め
止水壁を作っておく外ないことになる。もちろん、そんなものを作った原発は一
つもない。
再稼働議論で一番抜けているのは福島第一の教訓だが、特に現状を全く反映し
ていない汚染水問題だ。
福島第一原発で、何故これほどまでに汚染水に悩まされることになったのか。
これは初動の事故対策の失敗が大きな原因だが、もう一つ忘れてはならないのが
現場の実態を全く反映していないことだ。この敷地が、もともとどんな地質構造
であり、そこに汚染水などが漏れ出せば、いかなる経路で環境への流出を引き起
こすか、建設前の地盤、地質構造を熟知しているはずの東電ならば十分に予想が
付いたし、最初に対策がされていなければならなかった。
○ そのような「事後的対策方針」は、規制庁も何も要求していないし、電力側
が自主的に行ってもいない現状だ。
再稼働を考える前に、福島第一のような汚染水問題が生じたらどうなるか、そ
のシミュレーションを義務づけ、対策を指示すべき責任が規制庁にあるし、自治
体はそれを追及するべきだ。そうしないと、事故の度に重大な環境汚染が繰り返
され、地域の産業が破壊されてしまう。
○ 思えば、日本の原子力開発において最初に明るみに出た重大事故が「敦賀原
発放射能漏れ事故」(1981年4月)であった。原発は最初から汚染水に呑み込ま
れ続けてきた。それから一貫して教訓を学び取ろうとしない原子力ムラに、今後
も原発をゆだねるつもりなのか。
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┗■2.8月22日(木)アーサー・ビナードさん講演会の感想2つ
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1.当日、アーサーさんは祝島(山口県)に行っていらしたそうで、高い鼻が真
っ赤に日焼けされていました。
まず、祝島の「原発絶対反対」のはちまきを締めて、お話が始まりました。
広島と長崎の原爆の持つ意味の違い、ウランとプルトニウムの説明、アメリカ
が是が非でも投下しなければならなかった本当の理由、なぜ広島と長崎という地
が選ばれたのか(京都が避けられたのは文化財保護のためではなかった)等、私
達のこれまでの認識がひっくり返るお話でした。
力で軍隊に勝つことは絶対にできないのだから言葉で戦う、というのがアーサ
ーさんの姿勢です。
私達は国やメディアの言うことは全て正しいと思い込まされていたようです。
ひとりひとりが自分の頭で考え、言葉の裏を読み取る力をつけなければと思いま
した。 山野容子
2.長崎原爆が広島原爆より重要、「原爆は戦争の早期終結に寄与した」は嘘、
ピカとピカドンの違いは?…アーサー・ビナードさんのお話は、驚きの連続
でした。
イ.広島型原爆と長崎型原爆の意味が全然違うとは知りませんでした。
ウラン型原爆(広島型原爆)は1943年にはすでに開発が終わっており落とせた、
しかしプルトニウム型原爆(長崎型原爆)は開発が遅れて1945年7月16日にやっと
ニューメキシコで実験成功した。
ウランは自然にあるから、濃縮すれば原爆になる。これは誰にもできる。しか
しプルトニウムは複雑で大掛かりで高価な設備が必要。原子炉などというからな
ぜか親しみのある「炉」と思ってしまう、言葉の魔術にはまった結果で、実はプ
ルトニウム製造装置です。誰でも持てるウラン原爆では世界は支配できない、プ
ルトニウム原爆が世界を支配する、これがアメリカの支配層の思想だった(そし
て今も)
日本の軍国主義者がプルトニウムにこだわる理由がやっとわかりました。
増殖できない高速増殖炉、稼働しない金食い虫「もんじゅ」、普通の経済人、
まじめな官僚ならとっくにやめていたはずのプルトニウムサイクルの秘密は原爆
保有国への夢、先の大戦で、原爆開発競争に敗れて、世界支配の夢を砕かれた戦
犯達の亡霊の魂を鎮めたいという軍国主義者の末裔の時代遅れの夢がプルトニウ
ム製造装置維持。
ロ.原爆投下は戦争を早く終わらせるため、と言われてきたのは知っていました
が、真っ赤なウソとは知りませんでした。本当にはやく終わらせるのならウラン
原爆を1943年ベルリンと東京に落とせばよかった!
またポツダム宣言にスターリンの署名をいれれば、日本はすぐ降伏した。日本
は何とか有利な条件で戦争を終わらすべく、ソ連に仲介を依頼していた。
そのソ連がポツダム宣言に署名したら、ソ連は仲介役でないことを知り、失望
して日本は降伏していたはず。
原爆を落とさずに終戦になれば、秘密裡にプルトニウム製造に多額の予算を使
い込んだ政府が憲法違反で有罪になったはず、プルトニウム爆弾を落として戦争
終結に貢献したと証明する必要があった。
ハ.なぜ京都に原爆を落とさなかった?文化財保護、そんなことを考える輩か、
アメリカの帝国主義者は!
京都のような盆地では放射性物質は長年残り、原爆の非人間性が明らかになる
(内部被爆の影響が明らかになる)、広島、長崎のような海に近い都市なら、放
射能を除染して海に流せる。実際にヒロシマを除染したのは、枕崎台風でした。
1945年9月17日枕崎に上陸した台風は九州を横断し広島を大風・大水できれいに
除染したのです。広島だけで死者2000人という戦後最大級の台風でした。
これがなければ、いまだにヒロシマは放射線管理区域かもしれません。
ニ.核兵器、原子爆弾は使用者目線の言葉、ピカドン、ピカは被害者目線のことば、
ホ.ピカドンとピカはどう違う?ピカは原爆から近い人、光を見ただけでふっと
ばされて音は聞こえなった。ピカドンはもう少し遠くで見たひと、光をみて音も
聞くことができた。
ヘ.原爆記念日は? 8月6日よりも、7月16日と8月9日が重要、プルトニウ
ム原爆を使った日だから。 富塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)
※この日のアーサーさんのお話はDVDになります。
たんぽぽ舎にお問い合わせ下さい。1枚1000円です。
※アーサー・ビナードさんのお話が好評だったので、10月か11月頃に再度、
アーサーさんの講演会を予定します。日程が確定次第、ご案内致します。
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┗■3.新聞・雑誌より
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◆稼働26年 廃炉90年 「解体先進国」英の原発 高線量 作業に壁
世界で最も廃炉作業が進む原子力発電所の一つ、英ウェールズ地方のトロース
フィニッド発電所(出力23.5万キロワット、炭酸ガス冷却炉、2基)の作業現場に
入った。1993年の作業開始から20年。責任者は「既に99%の放射性物質を除去し
た」と説明するが、施設を完全に解体し終えるまでになお70年の歳月を要する。
「想像以上に時間とコストのかかる作業」(作業責任者)を目の当たりにし、日本
が今後、直面する道の険しさを思い知らされた。(中略)
廃炉作業には稼働時を上回る約800人が携わる。(中略)
この発電所は小規模で、稼働中に大きな事故もなく停止後速やかに廃炉作業に移
ることができた。それでも廃炉に90年を要し、総費用は約6億ポンド(約900億円)
になる。フィリップス安全担当部長は、水蒸気爆発の処理も終わっていない福島
第一原発の廃炉作業について「ここに比べて作業員が動ける範囲が限定されるた
め、ロボットを使用することになるだろう。想像できないほど困難な作業になる
のは間違いない」と話した。(8月19日毎日新聞より抜粋)
◆原発なしで乗り切れる 教員 古家正暢
日本列島は連日、猛暑、酷暑、炎暑が続いている。国内最高気温も6年ぶりに
更新された。
熱中症対策としてエアコンの効用がしきりに指摘され、町を歩けば室外機がブ
ンブン音をたてている。ふと思ったのだが最近、電力不足を懸念しての「節電」
が強く訴えられない。なぜだろうか。
東京電力管内の原子力発電所は現在も全基停止中。東日本大震災後には原発な
しで、これまでのような生活はできないのではと心配されたものだ。計画停電も
あった。しかし、現状はどうだろう。
この現状から推測されることは、原発を再稼働しなくとも、日本列島の猛暑や
酷暑や炎暑も十分乗り切れるということだ。事故処理や賠償、廃炉に除染費用を
勘案したら、「原発は火力よりも高い」のだ。今こそ原発を止めよう。
(8月19日東京新聞「発言」より)
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【編集部より】
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