メルケル独首相が、ナチスの戦争責任を弾劾
- 2013年 8月 26日
- 時代をみる
- 池田龍夫
ドイツのメルケル首相は8月20日、南部ダッハウにあるナチスの強制収用所を訪ねた。現役首相がダッハウを訪問したのは初めてという。ベルリン発共同電が報じたもので、靖国問題でぐらつく安倍晋三首相と比べ、歴史認識の差をしみじみ感じた。
ヒトラーは1933年に政権を掌握すると、最初の収容所をダッハウに設置。ユダヤ人を中心に約4万1500人が犠牲になった地である。メルケル首相は花を手向けたあと、「若者はドイツがどんな悲劇を起こしたか知らねばならない」と強調し、歴史認識の重要性を訴えたという。
加藤陽子東大教授は毎日新聞8月22日付朝刊で、満州事変以来の侵略戦争に思いを馳せ「この国には、いったん転がり始めたら同調圧力が強まり、歯止めが利かなくなる傾向がある。例えば、育ちのいい政治家がやることだから間違いはないと信じているのでしょう。政治家の言動、私たちの選択は正いいのかと疑うことが必要です」と述べていた。安倍政権の〝戦前回帰〟路線が顕著になっているだけに、深刻な警告と言えよう。
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