週刊金曜日イベント「差別と歴史修正主義」のお知らせ
- 2013年 12月 6日
- 催し物案内
- 原田
『週刊金曜日』の歴史講座
今回は「差別と歴史修正主義」を考えます。
「ヘイトスピーチ」の背景
日本社会に蔓延する差別と歴史修正主義。その根源はなにか?どうすればよいのか? 哲学者である講師が実態に迫り、その解決法をさぐる。
急速に注目を集めるようになったヘイトスピーチですが、この現象は突然現れたわけでもなければ、一部の人たちによる異常な現象というわけでもありません。書店の棚にも、電車の中吊り広告にもあふれる日本社会ではありふれた光景になりつつあります。その露払いとなったのが、歴史修正主義でした。90年代の「新しい歴史教科書をつくる会」などの歴史修正主義運動はその裾野を拡げ続け、運動自体の分裂抗争があったにもかかわらず、その影響力は格段に広がっています。差別的風潮が蔓延する現状は、まさに歴史修正主義の蔓延と軌を一にしていたと言えるでしょう。この講座では、歴史修正主義と差別意識がどのようにひろがったのか、私たちはどうすべきなのかをさぐります。
講師: 能川 元一 (哲学者)
〈講師紹介〉
のがわ もとかず 1965年生まれ。96年3月、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得退学。2007年3月まで同研究科助手。現在、大学非常勤講師。専攻は哲学。インターネットにおいて歴史修正主義とレイシズムが蔓延している実情に触れたのをきっかけに、いわゆる「ネット右翼」を研究対象とするようになった。論文に「右派のイデオロギーにおけるネット右翼の位置づけ—道徳概念システム論による分析の試み」(駒井洋監修・小林真生編著、『レイシズムと外国人嫌悪』、明石書店、2013年)など。『週刊金曜日』にも「朝鮮人虐殺から『在特会』への記憶の連鎖」(第957号)などを寄稿。
開催日・講座内容:
第1回 2014年1月12日(日)
差別と歴史修正主義
歴史修正主義はなぜ問題なのか?
概要:このところメディアでとりあげられる機会も増えた「行動する保守」諸団体(ネット右翼)のヘイトスピーチ。一方、彼らの活動・主張のもう1つの特徴である歴史修正主義についてはあまり論じられていない。だが彼らのヘイトスピーチと歴史修正主義とは表裏一体である。歴史修正主義と民族差別、性差別とのつながりを明らかにしてゆくことで、「行動する保守」の世界観の全体像を理解する道が開けるとともに、「歴史修正主義はなぜ問題なのか」を再確認することができる。
第2回 2014年1月26日(日)
歴史修正主義とレイシズムの謎(1)
「行動する保守」は本物の保守ではない、というのは本当か?
概要:「ネット右翼」現象が私たちに突きつけている問題はいくつかあるが、ここでは「なぜ彼らは自分たちの行動を倫理的に正当化できるのか?」という謎をとりあげる。「なぜ日本の右派は『慰安婦』の強制連行にこだわるのか?」「ネット右翼に支持されている片山さつき・参議院議員はなぜ生活保護バッシングを引き起こしたのか?」「橋下徹・大阪市長は河村たかし・名古屋市長の南京事件否定論になぜ同調しなかったのか?」「在特会を非難するネット右翼の論理とは?」といった問いを手がかりに、政治的保守・右派のイデオロギーと「行動する保守」とがどのようにつながっており、またどのように違っているのかを考える。「排外デモの参加者は景気低迷や雇用の不安定化で疎外感を抱くようになった人々である」という説についても検討する。
第3回 2014年2月16日(日)
歴史修正主義とレイシズムの謎(2)
ネットはなぜ右派にとって有利なメディアなのか?
概要:「なぜ彼らは『在日特権』のような荒唐無稽なことを信じられるのか?」という謎をとりあげる。政治的イデオロギーと認知スタイル(ものの見方、考え方の特徴)との関連についての諸研究をもとに、レイシズムや歴史修正主義を生む要因の1つを明らかにしていきたい。具体的には「歴史修正主義は無知から生まれるのか?」「『賢い愚か者』効果とは?」「領土問題はなぜ加熱するのか?」「ネット右翼はなぜネット動画を好むのか?」といった問題をとりあげる。これらを通じて「なぜ左派は右派にネットで圧倒されてきたのか?」も考えてみたい。
第4回 2014年3月9日(日)
日本の戦後史と歴史修正主義・レイシズム
排外デモの参加者は「特殊な人々」なのか?
概要:日本政府の在日コリアン政策、アジア外交、教科書問題などの歴史や、右派論壇における歴史修正主義などをとりあげ、それらの延長線上に「行動する保守」らの主張を位置づける。『はだしのゲン』騒動における在特会メンバーの関与や、自治体の編纂した歴史教材に歴史修正主義が浸透しつつある現状もとりあげる。「行動する保守」は突如現れた、特殊な人々ではないことを明らかにしたい。
第5回 2014年3月30日(日)
マスメディアと歴史修正主義・レイシズム
「在特会」の周辺にひろがる「上品」なレイシズム、排外主義
概要:中国人による「水源地の買いあさり」、戦時徴用賠償や「仏像返還」をめぐる韓国裁判所の判決、グレンデール市の「慰安婦」像設置、「慰安婦」問題に関する潘基文国連総長の発言などに関するマスコミ報道をとりあげ、在特会らの活動に対して「やり方は悪いが、言っていることは理解できる」とするような雰囲気がいまの日本社会で広がりを見せていることについて考える。
時間:13:30 ~16:00 (開場13:00)
会場: 在日本韓国YMCAアジア青少年センター9階国際ホール
*JR水道橋駅東口改札約五分・東京メトロ神保町駅A5出口約7分・JR御茶ノ水駅御茶ノ水橋口約8分
〒101-0064東京都千代田区猿楽町 2 – 5 – 5
受講料(資料代込): 5講座 8,000円 1回ごと 3,000円
25歳以下割引(5講座 6,000円 1回ごと 2,000円)
※定員 80名 先着順
お申し込みは『週刊金曜日業務部 原田』まで電話かFaxでお願いします。受講料は当日申し受けます。
電話:03-3221-8521 FAX:03-3221-8522
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