Frankfurter Rundschauオンライン:日本は 論争の的となっている法案を可決
- 2013年 12月 16日
- 時代をみる
- グローガー理恵特定秘密保護法反対
国会で制定された特定秘密保護法案に対して、ドイツのメディアは主に日本における報道の自由を懸念しているようです。保守的メディアであるフランクフルター・アルゲマイネでさえも、「Japan schränkt Pressefreiheit ein. Dürfen wir über den Atomunfall in Fukushima noch berichten?日本では報道の自由が制限されることになる。我々がフクシマ核事故について報道することは未だ許されるのだろうか?Japans Regierung boxt ein Gesetz zum Schutz von Staatsgeheimnissen durch. Für Journalisten und Informanten wird es nun noch gefährlicher. 日本政府は無理やり国家秘密保護法案の成立を実現。今や、ジャーナリストや情報提供者にとって尚更リスキーになってきている。」との報道をしています。
http://www.faz.net/aktuell/feuilleton/medien/japan-schraenkt-pressefreiheit-ein-duerfen-wir-ueber-den-atomunfall-in-fukushima-noch-berichten-12698514.html
今回はその中から、ドイツではリベラルと見なされているフランクフルター・ルンドゥシャウ紙の、日本の秘密保護法成立に対する反応を抄訳してご紹介させて戴きます。
原文へのリンクです。:
http://www.fr-online.de/datenschutz/japan-beschliesst-umstrittenes-gesetz-gesetz-gegen-whistleblower,1472644,25547082.html
日本: 論争の的となっている法案ー「内部告発者に対する法案」ーを可決
フランクフルター・ルンドゥシャウ(Frankfurter Rundschau )オンラインニュース
2013年 12月 6日付
(抄訳: グローガー理恵)
特定秘密保護法と安部首相に反対抗議するデモ (写真: AFP )
日本では、エドワード・スノーデンのような内部告発者は、より厳しい禁固刑に処されるとの脅かしによって威嚇されることになるという。国民や野党側のの強力な抗議にもかかわらず、右翼保守政権は強引に特定秘密保護法案を可決した。批判者達は報道の自由が失われることを恐れている。
国民からの強力な批難にもかかわらず、右翼保守派の安部晋三首相は、秘密漏洩に対する処罰をより厳しくする法案を国会で強引に通過させた。金曜日の夜(日本時間)、衆議院可決の後、憤る野党の抵抗に反して、法案は参議院でも政府与党の投票で承認された。採決の前、国会では騒動のようなシーンになっていた。国家安全を保護する特定の秘密を伝達することは、今後、10年までの禁固刑に処されることになる。批判派は、報道の自由への重大な侵害を危惧している。
無益にも野党は、国会会期の最終日に法案が採決されることを阻もうと試みた。安部政権のやり方は、日本を第二次世界大戦へと導いていった時代への逆戻りであると、法案反対派は見ている。当時、日本政権は政治的意見の異なる者たちに向かって攻撃を始めようと、似通った法令を公布していたのである。
「戦争は秘密から始まる」
実際また法案は、日本社会の広範囲において批判と不安の波をひき起こしている。多数の人々が自分達の「情報アクセスへの権利ー知る権利」のために、街路に出て集団抗議の行動をおこした。東京で行われた抗議行動に参加した人達は「戦争は秘密から始まる」と警告を発していた。抗議行動の主催者によれば、10,000人以上の人々がこのアクションに参加したという。
批判派は、「法案内容が余りにも曖昧に保たれてあり、フクシマ原発廃墟に関する情報や他の情報などが国によって国家機密と決められて、その(国家機密の)範囲が拡大されていく可能性がある」と警告している。「法案の成立は国家の安全を守ることを助けることになる」と、安部首相は自分の行為を正当化した。
米国を手本にした安全保障会議
同時に、安部首相は米国を手本にした国家安全保障会議を創設した。これらの方策(特定秘密保護法の成立と国家安全保障会議の創立)は、日本・中国間の島争いのために東アジアの治安情勢が劇的に悪化した時に実現している。
以上
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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