沖縄現地からの通信 名護市市長選から(1)
- 2014年 1月 16日
- 交流の広場
- 9条改憲阻止の会
2013年01月16日 連帯・共同ニュース第319号
■ 沖縄の名護市長選へのカンパを要請しましたが、多くの方から対応していただいて感謝しております。これは関係者の方に渡しておりますが、沖縄現地に出向いているメンバーからの通信をお送りいたします。連帯ニユースも途切れがちになっていますが、こちらも継続的を努めたいと思います。当面は富久のレポートで名護市長選や高江の状況を伝えたいと思います。
普天間14睦月
1月13日(月)
那覇に着く。空港ビルの室温は飛行機の中より高い。セーターを一枚脱ぐ。それでも暑い。しかし外は寒いだろうとそのままにして空港ビルから出る。丁度良い程度に外気が冷えている。風のせいかと思う。バスに乗ると風の影響がなくなり再び体感温度は上がる。ジャンパーを脱ぐ。
那覇空港からバスで58号線へ入り宿泊地である牧港へ向かう。仲西というバス停から左手に延々と基地が広がる。その辺りに基地があったことに記憶は薄い。幾度となく通った道である。沖縄の地には基地が多いという潜在意識の基に知る興味を閉ざしていたのだろう。思わず背筋を伸ばした。野戦用ジープが整然と並んでいる。コンテナの列も見える。ここは兵站部隊の基地であろうか。
ドミトリーの主人に名護市長選の状況を訊く。主人は激戦だろうという。「普天間基地は航空機の爆音で絶えられない。早く出て行って欲しい」「航空機が何時又事故を起こすか判らない」と基地の弊害には不満を呈するも辺野古の事についての意見はなさそうであり、米軍人の犯罪についてもさしたる興味はないみたいである。これが一般的な沖縄県民の意識であろうか。
普天間爆音訴訟団の事務所に行って戦況を訊く。若干不利だと感想を言ってくれる。自民党の露骨な選挙介入にも不満がありそうである。野嵩口では赤嶺氏達が抗議行動の最中である。激しないアピールが響く。「爆音に授業中の児童が驚き、昼寝中の赤ん坊が眼を醒ますような生活が何時まで続けば良いのでしょうか。私達はこのような生活を孫、曾孫には味わわせたくはありません」「仲井眞知事の県民裏切り行為は絶対に許せません。私達は仲井間知事の辞任を要求します。民意をうらぎった仲井間氏に県民の代表であることは許されない事です」
普天間飛行場の滑走路脇にはたった一本の鉄条網を隔てただけで普天間第二小学校の運動場が広がっている。赤嶺氏のアピールを証明するのに多くの弁は要らない。この小学校の姿を見せれば一目瞭然である。折しも上空を戦闘ヘリが飛び去っていった。
プロジェクト・オー(前レジスタントの会:宜野湾市役所内で10日前後のハンストをうったチーム)では選挙法に触れない程度の活動を(16-18日)にうとうとかなりの積極的な方針を決定する。小生にも参加の誘いがあった。
近くのスーパーマーケットで稲嶺選対への陣中見舞いの泡盛や菓子類を買いそろえる。
トピックス
(1月11日の琉球新報)は県議会の「仲井眞県知事の辞任要求を可決」と一面の半分を割いて報道している。2面、3面はこの記事が占領している。与野党が鋭く対立している構造が鮮明にされ、仲井間知事の政権運営に少数与党の困難さが増してきたことを物語っている。
(1月12日の沖縄タイムス)は1面で「沖縄で生物兵器の実験」を報道している。米軍、60年代に十数回。名護、「首里、石川の水田で」場所まで特定した米軍の報告書を共同通信が米国の情報公開制度で入手したとある。その横にちょこっと「名護市長選きょう告示」「辺野古移設 争点」
2面には名護市長戦での両陣営の主たる主張
稲嶺 進 氏 未来のため移設阻止
末松文信 氏 交付金で持続的発展
保守末松氏は昨年末の自民党中央の膨大な交付金とごり押し(飴と鞭)手法の手応えを感じている姿勢である。かつて、名護市長戦は実質的には「容認・反対」の構図の中で闘われたけれども、辺野古容認をこれほど鮮明に表現した候補者はいなかった。
(1月13日 琉球新報)
12日の届け出で状況を報じている。両者の第一声は、
稲嶺 進 氏 負の遺産残さない
末松文信 氏 受け入れで決着
応援弁士:
稲嶺: 比嘉祐一選対本部長、照屋寛徳社民党県連顧問、赤嶺政賢共産党県委員長
玉城デニー生活の党県連代表、糸数慶子社大党委員長、玉城義和県議
末松: 島袋吉和選対部長、仲井眞弘多知事、浜田靖一自民党幹事長代理、
西銘恒三郎自民党衆院議員、比嘉奈津実自民党衆院議長
島尻安伊子自民党参院議員
(文責;富久亮輔)
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