「伊方の家」通信No.
- 2014年 2月 7日
- 評論・紹介・意見
- 伊方の家
1月29日、内子で有機農産生協の内子・八幡浜地区の集まりがあり、斉間さんにくっついて出かけたが、そこで思わぬ素晴らしい出会いを経験することができた。初めは人数も少なかったが、時間とともに幼児を連れた若いママたちが次々とやってくる。結局20名ほどの集まりとなったが、年配者は5~6人で後は全員若いママたちであった。
みんな都会から内子に移住・入植して有機農業による農的エコ的生活を志向し、その中で自立・協働・分かち合いによる新たな共同性を創っていこうとしているように思えた。驚かされたのは首都圏からの移住者が多いことであった。私には友人によく聞く鴨川のことが思い起こされた。中には3・11以前に、原発と対極的な生活をするということで移ってきて、3・11後に内子が伊方原発から30~50km圏内にあることを知ったという人もいたが、多くは3・11後の移住者であった。
内子町は今、エコグリーンタウンづくりを標榜していると聞くが、本当に新しい息吹が胎動しているのだろう。伊方原発によって飯舘村のような運命に晒されることは絶対あってはないことだ。ここでもあらためて伊方原発再稼働阻止の思いをあらためて確認する。有機農産生協の創設者の戦中・戦後の話をはじめ、この集まりは気持ちを新鮮なものにしてくれた。帰りに大洲で臥龍山荘を見学。その間、斉間さんたちは付近でチラシ入れをした。
翌30日は雨模様。保内地域でのチラシ入れは順延し、松山のコムズまで講演会チラシの印刷に向かう。帰りに大洲でプリンターを買った。そして31日に、女の会を中心に総勢7名で、保内地域でのチラシ入れ。八幡浜市に合併する前は保内町であったが、伊方原発からは5~6kmの地点にある。原発労働者も多く住んでいると聞く。
山の方、すなわち原発に近づいていく方向に、新しい住宅が次々と建っている。いったい何故?どういう気持ちで建てているのだろうか…という疑問が湧いてくる。終了後、鬼北町のNさんを加えて伊方の家で15・16に向けたミーティング。宇和島での講演集会については、宇和島・未来と子どもを考える会の若いママたちが随分頑張っているそうだ。
2月1日はQさんが1日がかりで(と言っても途中では2人でチラシ入れに行くが)、2・16講演集会のポスターを作成。貴重な写真をも盛り込んだカラーの美しいポスターである。
2日、そのポスターとチラシを持って大洲の増山麗奈さん講演集会(グリーンコンシューマ主催)に出かけた。グリンコンシューマはもう十数年にわたって環境問題で行政をも巻き込みながら活動をしている団体で、この間は反原発・伊方原発廃炉に力を入れている。
110名ほどの集まりであったが、チラシを受付で参加者に渡していただいた。ポスターもよく見える位置に置かせてもらった。増山麗奈さんの講演は内外での体験に基づきながらよく勉強もされ、多くの知見を取り込んだなかなかのものであったが、ただ一点、伊方原発の再稼働を止めさせるということに言及がなかったのは、不満が残るという感想も聞かれた。(彼女は前日には伊方原発まで行ってきたそうであった。)
この日、愛媛新聞には四国4県原発世論調査の結果が大々的に公表されていた。愛媛で原発への不安感は8割を越え、再稼働反対は6割を越える。四電の調査結果は全くデタラメなものであったことが明らかとなった。ただ推移を見れば、南予では四電とのせめぎあい(四電も昨年8~9月に2万8千戸の戸別訪問を行っている)が激しくなっている。
3日は愛媛新聞の八幡浜支社の編集部長に挨拶に行き、15・16講演集会の説明をし、取材をお願いする。そして市民会館や公民館、図書館、大家さんの家にポスターを貼ってもらうよう頼んで歩く。
午後からは八幡浜市内でのチラシ入れ。帰ってきたらQさんの体調が悪くなる。どうやら風邪を惹いたようだ。
4日、彼は一日中寝込んでいた。その間、1人で歩ける範囲でチラシ入れする。
5日は2人でチラシ入れ。Qさんはまだ本調子でなくちょっときつそうだった。途中で自転車屋の小父さんに声をかけられた。一瞬、何か文句を言われるのかと思ったら、「原発みたいな危険なものはすぐ止めると決断すべきだ。人間のやることだから必ず事故は起こる。今度事故が起こったら日本は終わりだ。連中は自分の損得のことしか考えとらん」と、たんぽぽ舎のようなことを次々と言った。
名残惜しかったが、チラシ配りに次へ進む。またある家で出かけようとする年配のおばさんにチラシを渡すと、「16日に、(井戸川さんが)八幡浜に来てくれはるのか」と感激した面持ちで何度も聞く。Qさんはレストランでチラシを置いてもらえたそうだ。八幡浜市でも底流には住民の不安感と反原発感情が渦巻いている。
6日、今日予定していた半島での一斉チラシ入れ行動は雪のため参加できない人が多く中止。で、いつもの2人に西予のNさんを加えた3人で三崎にチラシ入れに行く。途中、山の稜線を走る国道では雪がかなりの程度に降っていたが、三崎に着くと小雨模様でそれも止みかかっていた。以前にポスターを貼ってやるからと言っていただいた店に真っ先に向かう。
その旨を話すと、店の主は「わしは原発絶対反対だから」と快く、すぐポスターをもっともよく見える位置に貼ってくれた。原発反対の意志を何らかの形で表現したいという気持ちを感じる。四電の社員ともよく論争するそうだ。
三崎で首尾よくチラシ入れを終えて帰路に着いたが、Qさんの体調はやはり思わしくないようだ。やはり、しっかりと休養を取るべきだと感じる。(Y・T)
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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