沖縄現地からの報告 沖縄16文月 普天間16文月
- 2014年 7月 26日
- 交流の広場
- 9条改憲阻止の会
2014年7月26日 連帯・共同ニュース第332号
沖縄現地からの報告 沖縄16文月 普天間16文月 (富久亮輔)
■ 7/21日(月)
機内は子供ずれの客が多い。幼児のみを連れた夫婦も多いので必ずしも夏休みが理由の家族旅行でもなさそうである。ロビーは歩きにくいほどの混雑である。
沖縄の暑さはやはり桁違いである。東京は暑いが意識がとびそうなことはない。此処沖縄では無帽で歩いていると朦朧としてくる。汗でシャツが肌にへばりつく。空港から出てバスを待つ間のことである。空を見上げると眩しい青空があり、陽光が眼を射る。
一昨日、辺野古から電話をくれた友人がくれたときに、「うだるようだ……」というのが良く判る。小生には息がしづらいほどの暑さであった。小生の知人はその暑さの中で癌に虐められた身体で連日座り込んでいるという。いくらウチナンチュとは言え体力的には小生と左程違わず、気力の違いとはいえ、その気力には頭が下がる。顔から玉の汗を吹き出させ、宿へ急ぎながら明日からの行動に尻込みしそうになる。
バスに騒がしい一団が乗り込んで来た。広東語でけたたましく話している。運転士が「他のお客様にご迷惑ですので声を落としてお話し下さい」と言っても一向に声は小さくならない。たぶん、日本語が理解できぬのであろう。また運転手のアナウンスが聞こえる。
「社内での飲食はご遠慮下さい」後ろを向くと慌ててかじっていた菓子パンを仕舞う青年と眼があう。照れくさそうであった。
宿に着いて普天間爆音訴訟の知人に電話をすると、野嵩口の「オスプレイ配備撤回行動を早めに切り上げ、辺野古の座り込みへ急行すると伝えられた。知人とは「沖縄知事選」に対する意見を交換する予定であった。先日防衛局から発表されたボーリング調査にたいする市民の阻止行動を恐れて防衛局は入漁禁止区域を50メートルから2000メートルに拡大し、ブイとフロートでカヌーに進行を阻止する挙にでた。ヘリ基地協は陸上からの資材搬入を阻止する抗議行動を行い100名以上の市民が集まった。之に触発された普天間爆音訴訟のメンバーは急遽今週も座り込み行動を継続することとした。
普天間爆音訴訟の殆どの人は午前中の行動の後、辺野古へ支援行動に出かけて行った。
その夕、小生は高校時代からの友人のT屋君と食事をともにした。T屋君は来る11月の知事選に監視次のような見解を述べた。保守候補としては仲井眞現知事が有力だという。「ひところ中央政府から厭われたことも今は無く、石破が多くのあめ玉を準備し、後押ししている模様と聞いている」と言った。「革新候補として共産党も翁長氏と辺野古新軍港建設阻止の一点共闘の体制に這入ってきた」という。
午後十時に就寝するも蒸し暑くて眠れない。汗がにじみ出て不快であり、乾いたタオルで何度か身体を拭く。外では車の往来の音が絶えず、暴走族であろうか、派手なクラクションの競演が五月蝿い。
■ 7月22日(火)
目覚ましの音に頼らず眼を醒ます。4時である。昨夜の喧噪も今は無く、車の往来もない。未明に感じた雨音も消えている。
風は涼しいが空に星が見えないのが気に掛かる。
大山口の引き込み道路沿いには既にサラバンジヌ会のメンバー十数人が旗やプラカードで抗議行動を始めていた。M原さんの横を通り過ぎるときにM原さんがあり方向を指さし「警察の検問所が取り払われました。昨日の辺野古で市民の抗議人数が多かったので公安も驚いたみたいで、辺野古に人数を集約しているらしいですね」
なおもゲートの方へ進むと、男性が近寄ってきて、「自主規制ですが、7時までは大きな声で行動をしない事にしています。近隣の住民からうるさくて眠れないと言う苦情にたいする対策です」
雨が降ったり止んだりして、雨具の準備をしていなかった小生はずぶ濡れになった。
8時に行動を終わり、一旦宿へ帰る。着替えをして、再び宿を出て、爆音訴訟の事務所へ行く。H嘉氏と県知事選に対して意見を聞く。
H嘉氏は仲井眞を嫌っていた自民党中央が高良倉吉の立候補尻込みに有力な候補を選定しきれず、大きな目玉をたくさん渡し、賞味期限切れの仲井眞を活用するという。飴玉は、夏期の通り。
1,返還予定地の西普天間米軍住宅跡に 琉大医学部移転建設
2.癌治療用重粒子装置
3.普天間高校移設
4,再編交付金
5,火事の建設 等々
仲井眞勝利の可能性が大きくなったと言う。
10時に野嵩口で行動する。ここは県道に面しているので車から下切れのサインがでる。前照灯の点滅、クラクション、手を振ってくれる等々。
11時45分、早めに行動を終了し、辺野古へ急行する。食事はスーパーで買った弁当やパンで済ます。キャンプシュワブのゲート前は警察が新たにゼブラゾーンを描き、市民の駐車等を妨害する挙に出たと聞いている。かなりの厳しい規制になっていると想像した。
案に相違して、歩道の幅半分に簡易テントを張り、50人くらいの市民が座っていた。聞いてみると警察との交渉の結果一定の勝利で座り込みの場所が確保され、座り込んでいる人はヘリ基地協からのピストン輸送であると聞き、安堵する。
引き込み道の両サイドは高台になっており約20人の公安が鉄条網の内側に立っている。米軍・公安の合作警備である。高台の一部に大型クレーン車がきて大きなプレハブをせっちした。公安の連中が周囲を検査している。あっという間に公安の監視所ができあがってしまった。
引き込み道路入り口で集会が始まり、A次冨氏の報告があり長円状の進行でデモが始まる。シュプレヒコールはK本氏である。いつも元気に飛び跳ねるY城氏は温和しい。
普天間爆音訴訟のA峰氏と夕食をともにする。氏は「メインゲートアクションは資材運び込みを阻止できるでしょうかね」と聞いてくる。小生は返事に困る。
発案、行動指導が高江と同一人物であり、消耗に終わらなければいいがと危惧をする。総監督がA次富であるので、之に平行した合わせ技を実行中であろうと推理する。
海上阻止前工作用のブイ・フロートは昨深夜既にキャンプ・シュワブにトラック43台で運び込まれたという。高江の再現である。 A峰氏県知事選挙については「島ぐるみ運動」の県民党志向の翁長(雄)氏が革新の候補になり、革新が一点共闘で勝利だろうという。今頃、賞味期限の切れた仲井眞が保守の候補となる事に理解が届かないと言う。
■ 7月23日(水)
今日は大山口行動を終え、高江へ行く予定である。重たいバッグを二つ、右肩にかけ、左手にトートバッグを提げ午前6時半に大山口に着く。荷物を行動の場所から見える所へ置き、引き込み道路をゲートの方へ歩く。派手なアクションで通勤途上の兵隊たちに抗議している宮平さんの横を通り過ぎようとする。いつもはM手なアクションとともには宇方向 「マリーン・アウト」という大きな声が出てこない。宮平さんがそっと近寄ってきて耳元でささやく。「いつもは金曜日にしか来ないのに、手登根グループが来ています」。宮平さんが頭を振った方向を見ると簡易キャンバス腰掛けに座っている小錦の小型みたいな男と30前後の男三人が黒い文字を書き付けた振りながら出勤途上の兵隊たちに手を振っている。オスプレイ・ファン・クラブと言うそうだ。明らかに「サラバンジヌ会」に対するカウンターではあるが、度をすごしている。彼らの一人が舗道上で抗議行動をしている「サラバンジヌ会」の人に肘撃ちをくらわせたところ、その人はよろめきながら中央線までとばされたという。運良く大した怪我はなかったが、ファン・クラブの男性は「警官がいても俺は同じことをする」。と更に恫喝をしたそうである。被害を受けた男性は、昨日、警察に行き、事情聴取に応じたそうである。以前はこのようなことまでは無かったが、このところの世情の右傾化に後押しされ、暴力沙汰に及んだ物と思われる。
高江にてのトピックス:K花氏とパク氏がN1からN1裏へと横断踏破。ヘリパッド建設予定地N1aの周辺を調査。
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