テント日誌10月14日…連続二週の台風、ちょっと心配した裁判も無事終り秋の陣へ/経産省前テントひろばはあらゆる攻撃に屈せず闘い続けます
- 2014年 10月 16日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
経産省前テントひろば1130日 商業用原発停止391日
連続二週の台風、ちょっと心配した裁判も無事終り秋の陣へ
連続二週の台風、それにしても今年はよく来るね。テレビはむかしと同じ調子の報道スタイルであるが、実際は台風もかなり変わってきているのだと思える。僕らが子供ころの台風はまだ牧歌的なとこともあった。高校三年のときの伊勢湾台風は別であるが… 子供こころに農作物の被害は心配したけど、台風が弱まったとき、あるいは去った後に紅葉の始まったばかりの濡れた落ち葉を踏みしめ山道を歩くのは風情があった。台風(野分け)というイメージにすっぽりとはまっていたというのだろうか。だが、最近の台風はこの枠組みを壊した異常さが目について仕方がない。集中的な降雨には情緒も風情もない。季節の構造というか、自然の循環に大きな異変か、きしみが生じているのだろうか。経産省前テントもさることながら、久見崎海岸のテントは気になってしかたがない。どうやら、現地の面々は二つの台風とも凌いでくれたらしい。海亀が砂浜に上がってくる季節が待ち通しいが、今年はもう台風はいいよと言いたい。
台風だけでなく、二週連続での右翼の襲撃もあった。こちらは多くの方から心配をいただいた。心配して駆けつけてくれ人も多く、またメールもいただいたがあらためて感謝をしたい。この襲撃に対して中には警察に被害届を出した方がいいという配慮=意見(?)までいただいてもいる。その気持ちは分かるつもりだが、僕の立場を記しておきたい。テントは『非暴力・不服従』の立場で展開することを基本としており、人体の被害に関わらない限りは自己防衛的な対応もしないことにしている。自己防衛というのは境界を引きにくいこともあるが、彼らの襲撃目的にもよる。彼らの目的は自己宣伝もあるが、ここでの対立を際立たせ、それによって警察沙汰にすることだ。これは特にザイトク系とみられる面々場合であるが、彼らは自分たちを被害者にして僕らを訴えようとする。以前にこちらが近づくだけで被害者届が出せる場面が作れないか構えていた(そういう写真もとろうとしていた)。そして、少し押し問答になっただけで彼らは被害者届けを出して、警察の調べでこちらはいくらか面倒なことになりそうになった。(とても卑屈な対応にびっくりもしたが彼らの狙いも分かった)。今回は逆にこちらが被害届をだすということだが、この結果として同じようなことになっていくのは避けたいと思う。それで被害届け出さなかっただけだ。別に左翼的立場で、警察と関わりたくないと思って被害届をださないということではない。現段階では彼らの襲撃目的の土俵には乗らないことを考えているだけである。今後のことは分からないが、僕らは自己防衛の範囲も限定して対応しようとしているのである。愉快なことでないのは確かだが、今は、右翼というか、こうした面々の動きが活溌になってきた背景を見て行きたい。再稼動の動きが本格化することで色々の事が起こるのだと思う。これは今後いろいろと出てくると思う。ただ、僕らは「非暴力・不服従」の立場を貫いて対応して行くだけだが、暴力行為への対応ということは今後もでてくるかも知れない。過剰にも過少にならず、ゆったりと対応したい。
14日は台風の襲撃と朝早くからということで心配されたテント裁判があった。幸いなことに台風は明け方には通過していて裁判にはいつもより少なかったが多くの人が参加して頂いた。これについては傍聴記も含めた報告をしていきたい。裁判が重要な段階を迎えているので関連のするものを続けて掲載していく予定である。 (三上治)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
経産省前テントひろばはあらゆる攻撃に屈せず闘い続けます/2014.10.13
経産省前テントひろば・運営委員会
10月12日午後5時半ごろ、経産省正門方向から接近した女1名を含む4名がテントを襲撃した。テント前の横幕などを引きはがし、特に第2テントの内部に侵入し、乱暴の限りをつくした。天幕を破り、備品を投げ、足の踏み場もないまでの狼藉を働いた。その間30分、途中から丸の内署の警官がかけつけるが、幸い居合わせた10人近いテント関係者に負傷はなかった。設置以来3年余、右翼の襲撃は何回もあったが、これだけの破壊行為は初めてである。
襲撃の一部始終は、襲撃者の一人である女がツイキャスでネット上に流している。売名行為のつもりだろうが、自らの犯罪を証明した。動画を通して続く女の低劣な「おしゃべり」が連中の正体をよく示している。「ぶっ壊せ~」の叫びはまだしも、傑作にも、テント前のスローガンを読もうとしたが、「廃炉」の漢字が読めなかった。そして「竹島はどうなんだ」という難癖。脱原発テントは竹島問題などと関係がない。敢えて言えば、竹島などという無人島の何千万倍もの面積の「国土」が福島で失われている、今も原発事故によって十数万もの人々が故郷に帰れないでいることを知っているのか。
襲撃者は、いわゆる街宣右翼とも違う在特会的ネトウヨの類だろう。だがわれわれは決してこうした暴力行為を軽視しない。なぜならこの背後には、安倍亡国政権のもとでの立憲政治の壊滅から異様な「朝日」バッシングまでのファシズム前夜的空気が広がっているからだ。中国や韓国に対する常軌を逸した排外主義的憎悪が氾濫しているからだ。ファシズムの重要な特性は、無知と倒錯と暴力にある。重要なのは、このような暴力が今日の閉塞した日本社会の危険な世情と共鳴していることだ。「茶色の朝」の接近を許してはならない。
すべては、引き続きの支援、そして脱原発運動の全体の発展にかかっている。心から感謝しなければならないが、襲撃から1日足らずの間に、「テントの修復のため」の多額のカンパを含む様々な支援が寄せられている。テントは現在、その占有をめぐって東京地裁で係争中である。テント前の地裁公示書には「債務者らに限り使用を許す」とある。われわれはどのような暴力にも屈しない。非暴力・不服従のあらゆる手段で闘う。福島を初めとする全国の支援者とともに、この脱原発運動の重要な砦を今後も守り抜いていく決意である。
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。