廃炉の重荷ズッシリ、「脱原発」を急げ
- 2015年 3月 22日
- 時代をみる
- 池田龍夫
関西電力と日本原子力発電は、運転開始から40年以上たつ老朽化した3基の原発の廃炉を3月17日開いた取締役会で正式に決定し、経済産業大臣に届け出た。4年前の3・11事故後に福島第一原子力発電所以外で原発の廃炉が決まるのはこれが初めて。
関西電力は、17日午前に開いた取締役会で福井県にある美浜原発1号機と2号機の廃炉を正式に決定。八木誠社長が、福井県庁を訪れて西川知事に対し、「安全対策にかかる費用や運転ができる期間などを総合的に判断した結果、廃炉とすることに決めた」と説明した。日本原子力発電も、同じく福井県にある敦賀原発1号機の廃炉を17日の取締役会で正式に決定し、濱田康男社長が福井県庁を訪れ、西川知事に報告した。両社は、電気事業法に基づき経済産業大臣に廃炉を届け出て、3基の原発は来月27日付けで法的に廃炉となる。また九州電力玄海原発1号機、中国電力は島根原発1号機も近く廃炉の予定。
廃炉作業は20~30年かかり、しかも、解体によって出る核燃料と放射性廃棄物の置き場が決まっていない。「核燃料サイクル」が確立されていないため、使用済み燃料発の冷却プールやか乾式キャスクに入れて敷地内に保管せざるを得ないのである。事故を起こした福島第一1~4号機の廃止はもちろんだが、来年は敦賀1号機、美浜12号機、島根1号機も40年を迎える。
こんな状況を何時までも続けるわけにはいかない。一刻も早く脱原発政策に踏み切らないと、国の将来は危うい。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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