擬辞世
- 2015年 5月 8日
- カルチャー
- 岩田昌征
擬辞世
ますらをと思へど我を腹底に 耐え難てにこそ痛み覚ゆれ
年を経て病ひ痛みに臥しぬれば 逝きにし吾妹かんばせ偲ばゆ
「ヤパンカになるの!」と言ひて来し吾妹 なでしこもどき代田に咲けり
秀吉も芭蕉も共につひの夢 淋しかりけり吾異ならむ
我夢の駆けめぐれるは否枯野 ドナウとサワの社会主義なり
吾逝かば訪ねまほしき星いくつ さきのおほぎみチトー白居易
なりはひ(経済)のむね(旨)を一つ(金、自由)に縮むるは ネオリベラルが天・国津罪
ペリュリュー島
沖縄に務めありしをとみまかりぬ さきのみかどを想うこの頃
日の御子のみたましづめの旅に見ゆ 父のみかどが深き想ひを
とこ夏の浜に動かじ日子日女の 姿に覚ゆ神代の祈り
彦姫の頭たれさすペリリューの 青海原に月読みの影
天津神国津神なる御夫婦は 南の島に死者と語らふ
密林のみいくさ達の骨土を 洗ひ清めて大和路目指さむ
老すなわち幼
十足じ子供騒ぐかと聞きをれば運良き人そ百歳越えよ
真夜中に「ケンジをらんか」と繰り返す老病父の隣床の絶叫
平成廿七年三月中旬より四月下旬病床にあり。熱と痛みの軽くなりし時雑念歌姿をとりて湧く。時にあまくものそきへのきはみクリミヤ、ヨルダンへと日本独立を実現せんと天駆ける快男子木村三浩君を病夢に見て詠めるあり。
平成廿七年五月六日 岩田昌征 またの名 大和左彦
合澤 清様
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〔culture0115:15508〕
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