和訳改定版:IPPNWドイツ支部:福島の小児甲状腺がん症例数が100件以上に – 22,000人以上の子どもたちに 見つかった 新たな嚢胞と結節
- 2015年 7月 5日
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- グロが―理恵
原文(ドイツ語)へのリンク:
福島の小児甲状腺がん症例数が100件以上に
– 22,000人以上の子どもたちに 見つかった 新たな嚢胞と結節
(和訳:グローガー理恵)
2015年6月10日
5月18日、福島県の甲状腺検査の最新結果データが公表された。その間、急速に成長した腫瘍や、または転移が見られた甲状腺がん症例のある計103人の子どもたちが手術を受けなければならなかった。
それに付け加えて23人に甲状腺がんの ’強い疑い’ があるとの診断が下されている。ここで懸念されることは、過去2年間の間に、解明が必要とされるような検査結果がさらに増えているということである:最初のスクリーニング(先行検査)においては、まだ何の甲状腺異常も検出されなかった22,837人の子どもたちに、今、2巡目のスクリーニング (本格検査)で嚢胞や結節が確認されたのである。
しかも、その内の235人に見つかった嚢胞/結節のサイズが非常に大きかったため、さらなる解明が緊急に必要とされたのだった。これまでの時点で、5人に新しいがん腫が見つかり、手術が行われた。- もう単なる「スクリーニング効果」だけで説明がつけられない、憂慮すべき現象である。
そして更に、日本全国で甲状腺がん症例数がもっと上昇することが予測されなければならない。2013年のUNSCEAR報告書には、フクシマ原子力事故により日本国民が受ける甲状腺の集団預託実効線量*は【112,000人・グレイ】になるであろうと推計されている。この数値にしたがい、BEIR-VII報告**のリスク係数【0.009/人・グレイ】を用いて算定すると、およそ1,000件の甲状腺がん症例数を予測しなければならなくなる。しかしながら、UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)によって示された集団線量はシステマティックな過小評価に関わる数値であろうから、おそらく、もっとはるかに高い症例数を予測しなければならないだろう。
以上
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(訳注)
*甲状腺の集団預託実効線量:一人ひとりの甲状腺が生きている間にどれだけの被曝をすることになるかを計算し、さらに、被曝すると考える人全員のその値を合計した値のこと
**BEIR 委員会:「電離放射線の生物学的影響」に関する委員会。米国科学アカデミー(NAS)/ 米国研究評議会(NRC)の下に置かれている放射線影響研究評議会(BRER)内の1 つの委員会である。もともとは、1954年のビキニ事件をきっかけに、アメリカ国内の放射線防護基準の策定に資するために設けられたBEAR(原子放射線 の生物学的影響)委員会が前身で、1970 年に名称変更されBEIR 委員会となっている。BEIR 報告は、アメリカ国内にとどまらず、国際的な放射線防護基準の基礎とされるICRP(国際放射線防護委員会)の勧告やUNSCEAR(国連・原子放射線の 影響に関する科学委員会)の報告にも大きな影響をこれまで与えてきた。(ソース:http://www.csij.org/01/archives/radiation_002.pdf )
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