普天間問題、沖縄と政府に深い溝
- 2015年 9月 11日
- 評論・紹介・意見
- 池田龍夫
菅義偉官房長官は9月9日、首相官邸で沖縄県の安慶田光男副知事と会談した。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画の集中審議が終了したことを受け、政府と県との新たな対話機関として「政府・沖縄県協議会」設置することで合意。基地負担軽減策や振興策など随時テーマを話し合うことに合意した。政府側のメンバーは菅官房長官、岸田文雄外相、中谷元防衛相、山口俊一・沖縄・北方担当相。県側からは翁雄志知事と安慶田副知事が参加する。安慶田氏は「協議会では負担軽減や振興策などを話し合う」と述べ、菅氏も「緊密な連携を取れる態勢を作りたい」と説明した。
これより先、8日の集中協議は物別れに終わったが、菅氏は「戦後の米軍による強制接収が原点だと、知事は頑なだった」と語り、翁長氏は「沖縄の歴史や県民の思いを丁寧に訴えたが、理解いただけなかった」と、真っ二つの印象だ。また、翁長知事は同日「辺野古移設の是非を問う県民投票を検討している」と。表明しており、波乱要因を増幅しないか気懸かりである。
1996年に橋本龍太郎首相(当時)が米側とまとめた普天間全面返還から19年。感情的対立を乗り越えるために、〝政治的ウルトラC〟が必要な気がしてならない。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion5663:150911〕
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