2016ドイツ便り‐番外編(写真特集)
- 2016年 9月 8日
- カルチャー
- 合澤清(ちきゅう座会員)
1.帰国まぢか
あと数日すれば「熱暑」の東京に帰るのかと思うと、懐かしいというよりも恨めしい感じである。気象庁の予報によれば、既に9月というのに東京で連日30℃近い(夜の温度が25℃を下らない熱帯夜)日が続いているとか…。おつむの方は確実に「kaputt」(壊れる)であろう、恐ろしい。
一方のドイツは、日中は再び暑さが戻ってきている。空は抜けるように青い。ヨーロッパブルーというのであろう。しかし気温は28℃くらい(実際には日射が強いのでそれ以上ではないだろうか)の炎暑が数日続いていて、散歩するのも少々ためらいがちに日陰を選んで歩くのだが、朝晩ともなれば、一気に気温が下がり、毎朝、老人性の早起きをする私にとっては、朝早くの室内の寒さは相当こたえる。もちろん、Tシャツ一枚なんてとんでもない話で、重ね着をした上にブレザー(これしか持ち合わせがないからだが)を着こんでふるえながらパソコンに向かっている。
だが、こんなに寒いのに昨夜は寝しなに「蚊」(Mücke)に襲われた。電気を付けて必死に探したが、結局殺せぬままになってしまっている。忌々しい奴だ。蠅(Fliege)はさすがにめっきり減った。それでも時たま飛んでいるのを見かけては打ち落としている。
まあ、こんなどうでもいい話はこれくらいにして、今回は番外編として少し写真でドイツをご紹介させていただこうかと思う。最初はロマンチックなお城の写真を少しご紹介したい。
2.ドイツのお城
以下の写真は、グリム童話の中の「茨姫」(眠れる森の美女)の舞台として有名なSababurg城の写真(4枚)と、その近くの街で、「カールの安息所(Karlshafen)」といわれている場所です。「眠れる森の美女」の話はヨーロッパの民話として広く伝えられているようで、フランスのお城でも同様な話が伝わっているようです。この場所にあるお城は、実際には小さなものですが、周囲を森に囲まれた小高い丘の上にあり、見晴らしはなかなかのものです。今はホテルとレストランになっていました。
カールス・ハーフェンは17世紀にフランスから逃れたユグノー派難民の避難先(カール伯が受け入れた)となった場所で、建物もそのせいか、フランス風な白亜のバロック様式のものが並んでいて、ちょっとドイツの都市とは趣が違っています。ここに紹介した写真は、最初が市庁舎で、最後のものは、ヴェーザー河沿いの遊覧船の船着き場とキャンプ場です。なかなか素敵な場所です。
さて、お城として実際に優雅なのはこちらのハノーファーの「マリーエンブルク城(Schloss Marienburg)」の方です。この城はなかなか立派なもので、感動します。それにしても、かつての王侯貴族という身分の方々はまことに贅沢にできていたもので、備え付けの家具類一つとってみても、あらゆる個所に精巧な彫り物などの細工が施されていました。お城自体も、実用性などとは程遠い、それ自体がまぎれもなく一つの芸術作品であり、こんな作品をつくらせたハノーファー伯にとっては趣味や贅沢の一つだったでしょうが、実際にこの城や家具、調度、絵画、陶器、金属器(ほとんどが銀製)などの制作にあたった人たちにとっては、まさに芸術的な創作活動だったように思われます。この城の創建は1860年代半ばごろだったようです。以下のその写真を掲載します。
以上は少々観光案内的に書かせていただきました、ご容赦を。
3.今回のドイツ滞在で刺激を受けた場所-Friedland、Handeloh
Friedlandについては先に触れたので、ここでは省略する。Handelohについて少し紹介したい。
ちきゅう座に主に原発問題についてしばしばご投稿して頂いている、グローガー理恵さんご夫妻のご案内で、このHandelohという場所に初めて連れていって頂いた。小さな田舎の駅舎のある村(?)である。何でも、この村はまだナチスが荒れ狂っている時(1945年)、約5000人のユダヤ人の収容者たちが列車に乗せられてこの村を通りかかった際に、村長の提案に賛同した村人たちが、彼らに食糧や飲料水を恵み、助けたという。その後この村の墓地には50数名のユダヤ人たちが葬られ、感謝の石碑が建てられている。
そして今日でも、その伝統を重んじる村人たちは、積極的に難民受け入れに助力し、駅舎のすぐ脇に難民用の建物がたてられ、子供たちが元気に遊んでいた。こういう命がけの善意には正直感動させられる。
おまけとして、理恵さんたちに案内されて行った、ハンブルクの倉庫群(Speicher)の一角の写真と、寿司や(サクラ)の握りずしの写真を提供したい。久しぶりに食べた冷やしうどんが大変おいしかった。
2016.9.7記
記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔culture0328:160908]
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。