今晩のNHK「ニュース7」ご覧になりましたか~許してはいけない、あまりにも露骨な安倍広報!
- 2016年 12月 6日
- 時代をみる
- 内野光子
オバマ大統領が年末休暇でハワイに滞在するタイミングで、安倍首相が、オバマ会談を兼ねて、真珠湾の米軍犠牲者の慰霊に出かける由のニュースが流れた。実は、7時直前に天気予報を見ようとしてテレビをつけたところ、安倍首相のぶら下がり記者会見で上記ライブ映像が流されていたのである。7時からのトップニュースでは、長々と例の安倍御用女性記者とアナウンサーの質疑応答も流し、5分以上に及んだ。そして、その後、流された項目は、イタリアの国民投票・オーストリアの選挙結果、福岡の自動車事故、ネット上のまとめ記事サイト問題、超高層ビルの雷被害と続き、参議院TTP特別委員会のニュースになったと思ったら、公明党議員と安倍総理の一問一答のほんの一部分だけが流されたのだ。続いて、大谷選手の契約更改のニュースが続いて、そして、なんと、安倍首相の会見の模様が再度流されたのである。合わせると8分を超えた。
NHKがここまでやるとは、驚いた。これでは、再任されないとの報道のある籾井会長の資質の問題というよりは、NHK自体がここまで腐敗しきったことの現れである。
来年1月には辞める大統領に、その直前に会って、何を話すのだろうか。就任前のトランプのもとにいそいそ出かけて行って、話した内容は明らかでないが、TPP脱退を覆させることなど到底できない力関係だったのだ。オバマ大統領は、安倍首相に真珠湾訪問が「あなたにとって強いられるものではないように」と伝えたそうだが、NHKは、「政府に強いられる前に」、安倍首相の「真珠湾訪問を日米和解の価値を知らしめる発信にしたい」という言葉に倣えば、NHKは、「(NHKと政府の)親密の価値を知らしめる発信」をしたことになる。オバマ大統領にとっては休暇中の一出来事に過ぎないというのに。日米同盟のさらなる強化のため、トランプへのご機嫌伺にもとれる。TPPのアメリカ脱退宣言、北方領土問題の行き詰まりや国内経済の悪循環、失政の続く安倍内閣は、国民に向けて目くらましを仕掛けたのではないか。
参議院TPP特別委員会は、今日7会派による質疑がなされたのであるにもかかわらず、なぜ公明党だけなのか、なぜあれほど短い時間しか取れなかったのか。記事まとめサイト、雷被害のニュースは、まさに「ヒマネタ」といってもよく、ワイド番組で流せばいい程度の項目で、30分枠のニュース番組で流す必然性がない。
初出:「内野光子のブログ」2016.12.06より許可を得て転載
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