「つなぐ会」が、明日への希望をつなごうとしている。
- 2017年 9月 27日
- 評論・紹介・意見
- 澤藤統一郎
世は挙げての総選挙モード。アベ政権の疑惑隠し解散が目前である。あらためて、アベ晋三という人物の解散理由説明に接して、どうしてまたこんなオジさんにわが国の政権が預けられているのかと情けない。保守政治家のなかにも、これよりはマシなのが大勢いるだろうに。
メディアの話題は、もっぱら「リセットおばさん」の新党立ち上げ。こちらも保守でコテコテの改憲派だが、消費増税凍結と原発ゼロの政策を掲げるようだ。このクセ球が、いかにもポピュリストの匂い。それだけに、護憲派の票を蚕食しかねない不気味さ。
護憲派は、愚直に王道を行くしかない。全国の小選挙区で可能な限り、「市民と野党の統一候補作り」を進めることだ。与党候補との1対1の対決の構図を作ることが焦眉の急の課題。なにしろ、9月28日解散で、公示は10月10日の見通しである。候補者調整は可及的すみやかに実行されなくてはならない。遅くとも期限は10月10日まで。半月の勝負。つくづくと、党利党略解散の思惑が見えてくる。
「市民と野党をつなぐ会」が各地にできている。今、この市民運動に期待がかかる。
たとえば、「市民と野党をつなぐ会@東京」が、ずいぶん以前からホームページを立ち上げている。
https://tunagu2.jimdo.com/
なお、ツイッターは、
https://twitter.com/tsunagu_tokyo
「当会は、都内25の衆議院小選挙区のそれぞれで、「市民と野党の統一候補作り」を進める市民団体の横の連絡会です。」と趣旨を述べ、共闘についての「最近のニュース」を載せ、「政策協定例」や「各地の市民組織」「その動向」「資料」が掲載されている。
昨日(9月25日)付のニュースは以下のとおり。
「9/25、民進党の長妻昭 東京都連会長(党本部の選挙対策委員長も兼任)と面談し、早期の四野党による候補者調整と候補者発表を要請致しました。つなぐ会からの要請書に加え、預かってきた11区の「チェンジ国政!板橋の会」、2区の「みんなで未来を選ぶ@文京台東中央」からの要請書も手渡しました。」
9月23日には、「めぐせた 解散直前の決起集会」
いよいよ国会解散を前にして、めぐせたでは、9/23決起集会を開きました。東京5区、6区の民進党、共産党の候補者が、それぞれ力強い決意表明をしました。集会後半では、5区と6区に分かれて、今後の具体的行動計画について打ち合わせを行いました。
動画(6分半)https://youtu.be/ZfZefvFJp-E
*(各地の活動)「みんなで未来を選ぶ@文京台東中央」での政策作り
動画(7分)https://www.youtube.com/watch?v=4EHcs6b-JzQ&feature=youtu.be
9月21日は、「しぶなか市民連合、7区の民進党・共産党に申入れ」
突然の解散総選挙、しぶなか市民連合は野党共闘の実現に向けて、行動をスタートさせています9月21日、私たちの選挙区である東京7区の民進党・共産党の選対担当者にお目にかかり、「野党統一候補実現のための申し入れ書」をお渡ししてまいりました。
民進党は長妻昭衆院議員の秘書のかた、共産党は渋谷区委員会の選対委員長にお受け取りいただきました。この申し入れを皮切りに、衆院選を安倍政権にストップをかけるチャンスと捉え、市民が望んできたかたちで野党共闘が果たされるよう、私たちも持てる力を尽くします!
9月21日付で、「解散に向け、早期の候補者決定を求める要請書」の記事もある。
当然のことだが、候補者調整は容易なことではない。
「(1)冒頭解散目前にもかかわらず、民進党は共闘に関して足踏み状態です。他方、共産党は一方的に降ろすことはしないとして、相互推薦・相互支援を求めています。このままでは、安倍政権は倒せません。地域で市民と野党の共闘を創り、下から状況を変える運動をしてきた当会の真価が発揮される時です。9/21のつなぐ会緊急拡大運営委員会では、幾つかの地域からの実践報告がされた後、4野党への要請書の文案を後述のように決めました。
方針提案の動画(9分半) https://youtu.be/XeSOQ1DfEQ8
(2)特に意見交換があったのは、候補者擁立を見送る党への敬意の表し方でした。候補者擁立を見送ることは、降りるご本人の葛藤はもちろんのこと、政見放送の回数減、宣伝カーの台数減等で比例票において不利益を生ずる深刻な問題が政党側にあります。だから今まで衆議院選で野党一本化はありませんでした。その不利益に対する思い遣りも、代替案も無く、一方的に候補者を降ろせという話は政党間でも、市民からでも通らないと思います。しかしながら、こうした問題に対して、市民は事情に疎いため、地域組織でほとんど討論されてきませんでした。そこで、連絡会としては、下記4番の表現とし、その貢献を広く知らせることとしました。
(3)「一本化」という単語は、様々なケースを含みます。「共同候補、相互推薦、相互支援」が望ましく、最低限、地域の市民組織を介した政策協定の合意によるブリッジ共闘は必要と考えられます。しかし、1項の政策協定の合意もなく、単なる野党の棲み分けとなった場合、それを2項にある応援の対象とするかどうかは、その地域の市民組織と個人が判断することになります。
——————-要請書————————-
四野党 様
「野党候補一本化の要望と、第一次発表候補者リストの提案」 2017/9/21「市民と野党をつなぐ会@東京」
1.安保法制廃止等の政策協定の合意を前提に、早急に候補者の一本化を求めます。特に現職については最優先で発表して頂きたい。(第一次発表候補者リストの提案参照)
2.四野党で一本化された候補者を「市民と野党をつなぐ会@東京」は全力で応援します。
3. 四野党から複数立候補の小選挙区に関して、当会としては応援しません。
4.大義のために候補者擁立を見送られた党の英断に対して、当会は敬意を表し、その貢献が選挙全般において正当に評価されるように広く呼びかけます。当会のHP、SNSに掲載し、広く知って頂くようにします。
(注)「市民と野党をつなぐ会@東京」は地域組織の連絡会なので、実際に判断をするのは各地域組織と個人です。個人がそれぞれの判断で行動することは当然のことです。当会として、一本化候補の地区への応援集中を呼び掛けはしても、複数立候補の地区への応援を呼び掛けることはないということです。
——————————
第一次発表候補者リストの提案
(四野党現職の小選挙区候補者で、政策協定が結べると見込まれる候補者)
【前回、小選挙区で当選している議員】
7区 長妻昭(民進党)、15区 柿沢未途(民進党)
【前回、比例復活で当選している議員】(もし今回小選挙区で当選できれば、他の人が比例議員となれるので、民進党が2議席、共産党が2議席純増となる)
6区 落合貴之(民進党)、16区 初鹿明博(民進党)、12区 池内沙織(共産党)、20区 宮本徹(共産党)
(注)18区の菅さんは新党結成に言及されており、当会としては四野党のご判断に立ち入らない立場から、第一次リストには記載していません
長妻さんからは「四野党で協議を進めている」「市民からこのような後押しがあることは、大変ありがたい」とのお話しがありました。」
各地の市民組織の名称は以下のとおり。
《東京》
第1区 東京1区市民連合(仮称)準備会
第2区 みんなで未来を選ぶ@文京台東中央(略称ぶたちゅう)
第4区 戦争法廃止オール大田実行委員会
第6区 市民連合 めぐろ・せたがや(略称めぐせた)
第7区 選挙で変える!しぶや・なかの市民連合(通称しぶなか市民連合)
第8区 自由と平和のために行動する議員と市民の会@杉並
第9区 練馬・みんなで選挙(略称ねりせん)
第10区 TeNネットワーク
第11区 チェンジ国政!板橋の会
第12区 みんなで選挙@東京12区準備会
第13区 市民と政治をつなごう!市民連合あだち
第15区 江東市民連合(2017/10/1発足予定)
第16区 市民連合えどがわ(仮称)準備会
第18区 選挙で変えよう!こがねい市民連合
選挙で変えよう!ふちゅう市民連合
統一候補を実現する武蔵野の会
みんなで選挙東京18区 (ミナセン18区)
第19区 安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合@国分寺(略称・市民連合@国分寺)
第20区 選挙で変えよう東久留米市民連合
選挙でかえよう20区市民の会(仮称)準備中
第21区 アベ政治を許さない日野市民連合
UNITE!ひの
第22区 東京22区市民連合(仮称)2017/11/18立上げ予定
第23区 市民連合東京23(仮)
まちだ市民連合 2017/10/7発足予定
市民連合・多摩 2017/10/7発足予定
第25区 あにすんだ勝手連東京25区
選挙で変えよう!市民連合あきる野
選挙で変えよう!市民連合@昭島 2017/9/26発足予定
なお、「つなぐ会@東京」のツィッター版に、次の記事が掲載されている。
https://twitter.com/tsunagu_tokyo/status/909793939992936448
次期衆院選で【野党共闘】が実現すると、
60選挙区で与野党の勝敗が逆転
ほぼ拮抗も合わせるとなんと93選挙区で接戦
(2014衆院選結果をベースに試算)
「つなぐ会」とは、「市民と野党をつなぎ、各野党をつなぐ会」の意だが、つなぐことで希望が見えてくる。改憲を阻止して立憲主義を堅持する。そして議会制民主主義と平和を確かなものにする明日への希望である。全国各地の「つなぐ会」は、明日への希望をつなぐ会でもある。
(2017年9月26日)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2017.09.26より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=9241
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion6988:170927〕
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