トランプ擁護論 その2-誰も死んでいない
- 2019年 7月 1日
- 交流の広場
- 箒川兵庫助
最近,トランプ大統領に対する評価が変わってきた。我が国の首相(外務省)は当初ヒラリ-・クリントン氏が当選すると予想し彼女にお詣りしトランプを歯牙にもかけなかった。
トランプが当選する前に歌手レディ・ガガ女史がトランプタワ-の前で演技をし彼が当選したら米国を脱出するだろうと公言していた。他の有名人も追随した。そして全米で反トランプデモが起きた(パ-プル革命)。同じ時刻,同じプラカ-ドだったので誰かが買収してやらせたことは一目瞭然であった。そしてレイシストの汚名。最近ではその声が無くなったような気がするが,メキシコ国境壁建設の予算が付いたようだ。
次第に「ディ-ル」と言う言葉が使われトランプの手法はディ-ルだという。北朝鮮半島沖に米空母3隻とその機動部隊集結とかいったニュ-ズが流された。一隻はスンダ沖(小生が点々とする海辺の町の近く)を航行中だったことが判明し,一隻はペルシャ湾から合衆国の母港に帰る途中。したがって一隻だけが半島沖に向かっていただけだが,日本のマスコミは大々的に,今にも北朝鮮を攻撃するかのような報道ばかりであった。
そのうち日本上空の宇宙空間を北のミサイルが通過し北太平洋に落ちた。そうして「オレのボタンの方がお前の発射ボタンより大きい」騒ぎになったが,何も起こらなかった。しかし突然でもないが,一転してトランプが板門店で正恩氏と会うことになり,急転直下,和平の下準備が始まった。
G20の翌日の今日,トランプは韓国に飛んだ。習-トランプ-プ-チンの間で何が話し合われたかは知らないが,ハノイ会談で躓いた修正が行われるに違いない。(今入った情報によれば板門店でトランプ大統領と正恩委員長が会ったという)
しかし振り返ってみれば,ファウェイの孟晩舟氏の逮捕劇があった。米軍のヴェネスエラ侵攻はどうなったのか。失敗だった。イラン侵攻はどうなったのか。まだわからないが,10分前に彼はイラン攻撃を止まったという。日本に対しては参院選後,「大きな数字が期待できる」とツイッタ-で暴露(electionsで衆参同日選挙を示唆)。日経の元記者によれば,自動車関連の数字だという。しかし「大きな数字」というのは,豚肉や牛肉の大量輸入だと小生は推測している。豚肉毎月300万トン輸入。牛肉3000万トン輸入など。遺伝子組み換えの大豆輸入かもしれない。
しかしトランプは日本に対しては,武器を買ってもらい農産物や自動車で大幅譲歩してもらうことに成功したが,対外的には成功していない。エレサレムをイスラエルの首都と認定して在アメリカ・イスラエル人の票を固め,ゴラン高原の半分をイスラエル領と宣言した。しかし多くの国々支持を得てない。
そういうトランプだが彼の長所(1)は人間を米軍総司令官として未だに殺していないということである。シリアでは100発近くのミサイルを2回ほど放ったが誰かが死んだという話を聞いたことがない。シリア撤兵を命令したが国務省の反対で遅々として進まない。アフガン撤退も同じ。しかし人はまだ死んでいない。ヴェネスエラも同じ。副大統領ペンスは軍事侵攻を中南米諸国の大半に反対されて挫折。ボルトンがトランプに叱責されたという報道もある。何しろチャペス大統領以来,CIAは4度もク-デタを失敗したのだから,リビアやグアテマラをみれば,軍事侵攻は容易でない。
当選する前,トランプは日米同盟を廃止することもあると言っていた。そして日本が核武装するかどうかは「我が毎に非ず」と言っていた。それはそれで筋が通っている。それがG20前にまた表明されて物議を醸しだしている。安倍首相がそれを受け入れたというのである。
トランプは金を出したくない(長所2)。パレスチナ支援の補助金を出さなくした。ところがカナダ政府がそれを肩代わりした。在日駐留米軍の費用は片務的だから無駄と考えているのであろう。またドイツに対してはドイツ-ロシア間の天然ガスパイプライン敷設を止めろと干渉している。自国のガスを売りたいのであろう。
とにかくやることなすこと破天荒だが,人を殺さないのがトランプの長所であろう。
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