*だれでも、いつからでも聴くことのできる思想史講座です。
だれでもというのは、聴いてみようという目的意識をもった人ならだれでもということで、その目的も無く、あるいは別の目的をもって来られる方はお断りいたします。
*「明治維新150年」がいわれた昨年以来、「明治維新」と「日本近代」とのこの当たり前の結びつきを読み直す作業をしてきましたが、いよいよその最後の段階を迎えるにいたりました。9月・10月に津田の「シナ」否定とナショナリズムについて論じ、11月に尾崎秀実の中国認識をめぐって考え、12月には日中戦争と『きけわだつみの声』についてご報告し、そして来年の1月・2月に大岡昇平と『レイテ戦記』についてご報告して終わりにしたいと思っています。
*論語塾は「鬼神論」をテーマにして新しい講座を始めました。「鬼神」とは「祖霊」であり、「霊魂」でもあります。これを「祖霊」といば鬼神論とは祖先祭祀を基礎づける論の性格をもち、これを「霊魂」といえば人の生と死、生前と死後とを包括した宇宙論の性格をもちます。この鬼神論を考える前提として『朱子語類』を読み始めましたが、いま『朱子語類』巻三の「鬼神」章に入りました。朱子の宇宙論的哲学世界において「鬼神」がどのような意味と位置とをもっているのか、「鬼神」の哲学的言説化、いや「鬼神」というものの言語化自体がいかなる意味をもつのかを考えながら読み進めています。この朱子の鬼神論とともに、近世日本の鬼神説を仁斎・徂徠・篤胤と読んできましたが、一段落ついたところで今後のこの講座の運営についてご相談したいと思っています。
*会費は実費(会場費・テキスト代)を頂戴します。
*この会には何の入会規定もありません。当日出席した人が会員です。ご自由にご参加下さい。
*9月の講座
*思想史講座―「明治維新と日本近代」
*大阪教室:懐徳堂研究会
9月21日(土)・13時00分〜15時00分
「シナ」の消去としての日本近代その1
ー津田左右吉『シナ思想と日本』再読
*資料は当日配布します
参考文献:津田左右吉『支那(シナ)思想と日本』岩波新書、昭和13年版は「支那」、昭和22年版は「シナ」となっているが、本文に変更はない。
会場:アプローズタワー14階1401号室、阪急梅田・茶屋町口下車3分
*東京教室:昭和思想史研究会
9月14日(土)・13時〜15時30分
「シナ」の消去としての日本近代その1
ー津田左右吉内『シナ思想と日本』再読
*資料は当日配布します。
参考文献:津田左右吉『支那(シナ)思想と日本』岩波新書、昭和13年版は「支那」、昭和22年版は「シナ」となっているが、本文に変更はない。
会場:早稲田奉仕園・101教室
早稲田奉仕園はバス「馬場下」下車、穴八幡宮の裏手
*論語塾―「鬼神論」と『朱子語類』を読む
『朱子語類』の第3巻「鬼神」を読みます。
9月28日(土)13時〜15時30分
① 『朱子語類』を読むー巻三「鬼神」 「鬼神」巻の中核的諸章の講読に入りました。
② 近世思想を再読する上での私の問題関心をお話し、今後のテーマについてご相談します。
資料(朱子テキスト・訓読文・訳文など)は当日配布します。。
参考資料:三浦国雄『「朱子語類」抄』講談社学術文庫。
会場: rengoDMS(連合設計社市谷建築事務所)JR飯田橋駅西口から徒歩5分
初出:「子安宣邦のブログ -思想史の仕事場からのメッセージ-」2019.8.30から許可をえて掲載
http://blog.livedoor.jp/nobukuni_koyasu/archives/80844770.html