本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(246)
- 2019年 12月 28日
- 評論・紹介・意見
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富の源泉
最近、最も驚かされたことの一つに、「富の源泉」に関する意見があったが、具体的には、「富の源泉が、モノから知識やデータに移行し、分配の法則も変わった」という認識のことである。そして、このことは、典型的な「富のバブルを象徴する出来事」のようにも感じられたが、実際には、「1929年の大恐慌」の直前に「靴磨きまでもが株式投資の話をした」という有名な逸話が思い出された次第である。
つまり、「富が、どのようにして生み出されてきたのか?」という点に関しては、過去の歴史を遡ると、「知識やデータが、富を生み出すはずがない」という単純な真理に気付かざるを得ないものと感じている。より具体的には、「富」は「マネー(お金)」と同義語であり、この時に必要なことは、「マネーの法則」を理解することであり、実際には「マネーは、根本の信用が存在する限り増え続ける」、しかし、「根本の信用が使い果たされた時に、大インフレで消滅する」という状況のことである。
しかも、この点に関して重要なポイントは、「文明法則史学」が教えるとおりに、「800年毎に、『西洋の時代』と『東洋の時代』が交代し、現在は、西洋の時代を象徴する『富の時代』が終焉を迎えようとしている事態」だと考えている。別の言葉では、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制」、すなわち、「単なる数字が、マネーとなった時代」が「富のバブルの最盛期」であり、そして、最終段階では、上記のような「言葉」までもが「人々の常識」となったようにも感じられるのである。
つまり、「知識」や「データ」については、「人々が、今まで、どのような行動を取ってきたのか?」という「過去の歴史」にすぎず、「これから、人々が、どのような行動を取るのか?」という「未来の予測」に関しては、あまり役に立たないことも理解できるのである。しかも、最近では、「大量に存在したマネー」が「過剰消費」を生み出し、その結果として、「人類が地球に住めなくなるような事態」も危惧されているのである。
つまり、「知識」や「データ」が、今後、より多くの「マネー」を生み出すことが可能だとしたら、その時には、「地球の温暖化」が、より一層、進展する状況も想定されるのだが、「富のバブル」に浮かれた人々は、このことにも気づかず、かつての「王侯貴族」のような行動を取り続けているのである。換言すると、人類は、現在、「裸の王様」のような状態となったようだが、今後の注目点は、「国連で演説をしたグレタさんのコメント」に関して、「世界中の人々が、何時、実際に、行動を変化させるのか?」だと考えている。(2019.12.2)
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2019年を振り返って
「2019年」は、私にとって「思い出に残る年」となったが、この理由としては「心の仮説」が完成した点が挙げられるものと考えている。つまり、私のライフワークは、「お金の謎」や「時間のサイクル(未来予測)」、そして、「心の謎」を考えることだと思っていたが、現在では、ようやく、最後の「心の謎」に関して、私自身なりの「答え」、あるいは、「結論」が出たようにも感じられたのである。
具体的には、「心は、肉体に魂が入った時に産み出されるものではないか?」という「理解」のことだが、現在は、「西洋の哲学」や「東洋の仏教」を研究しながら、この仮説を検証している状況である。そして、この時に気付かされたことは、「自然科学」と「社会科学」との「発展のタイムラグ(時間的なズレ)」が、現在、さまざまな問題を生み出している状況だったが、実際には、「マネーの大膨張」や「心の闇」であり、また、「地球環境の悪化」のことである。
つまり、「歴史」を振り返り、また、「原点」に返ることにより、「どのような大問題も解明が可能ではないか?」とも考えているが、現在の「さまざまな問題」については、「400年ほど前」から始まった「自然科学の急速な発展」に根本的な原因が存在するものと思われるのである。別の言葉では、「千里眼」や「透視術」などのように、かつては「神通力」と思われていた現象が、「科学技術の発展」により可能な状態となったわけだが、一方で、この技術を使う「人類の精神性」は、漫画の「ドラえもん」のように「のび太が、四次元ポケットから出てくる商品を使いこなせない状況」とも言えるのである。
具体的には、「原子力」や「温暖化ガス」などのことだが、この点については、「16才のグレタさんが、国連で怒りを発散した」という状況であり、この時に思い出されたのが「裸の王様」物語における「子供のコメント」でもあった。つまり、「人類は、現在、間違った方向に進んでいる」という警告のことだが、実際のところ、人類は、現在、二つの「臨界点」に遭遇している状況とも思われるのである。
具体的には、最初が、「マネーの大膨張」であり「借金漬けの経済成長が、どこまで持続可能なのか?」という「問いかけ」のことだが、この後に訪れるのは、「命とお金の、どちらが重要なのか?」という「もう一つの問いかけ」とも想定されるのである。しかも、最初の混乱で、「気付き」や「覚醒」が起きない時には、次の混乱で、「人類の存続」そのものが危うくなる可能性が存在するようにも思われるのである。(2019.12.11)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion9305:191228〕
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