沖縄高江で辺野古基地建設反対の活動家6名の不当逮捕
- 2020年 1月 8日
- 評論・紹介・意見
- 辺野古基地建設反対長船青治
9条改憲阻止の会メール通信一月7日号から転載します。
沖縄高江で6名の逮捕
———————————————————————
最初に情報が入ったのは私が懇意にして頂いている方で、逮捕された一人の家族からでした。12月23日(月)夕方の事でした。「●●が逮捕されました。21日(土)の事です」
会話の内容を下記に詳述します。一部伏せ字(●●)に致しますが(外部に漏洩した時の事を考えてのことですので)ご容赦ください。
高江におけるヘリパッド建設は終わった筈なのに不審な建設重機らしい音がするのを監視していたグループが聞きつけたのが発端でした。●●は8人の基地調査グループを構成し、調査に入りました。21日午前10時過ぎのことです。
メンバーの一人が基地の中で大けがをしました。(現時点で当方はこの怪我の詳細を掴みきれておりませんが、十二針を縫う大けがだそうです)。メンバーの一人が介添をしながらN1表口に着いて待っていた救急車で病院に向かいました。調査団はこの怪我人が救急車に乗るのを確認すると基地の中の調査を再開し始めました。この姿を見た民間警備員は東村平良の名護署平良駐在所へ報告の電話を入れると駐在さんが軽のパトカーで駆けつけました(1時間弱を要したと思われる)。駐在さんは基地侵入者を確認した後、名護署に報告をした(と思われます)。二時間前後基地の中を調査した一団が林の中から姿を現すと民間警備員がゲートに鍵をかけ、一団が基地の外に出るのを阻止したそうです(この辺の情況はこちらサイドの調査団6人が警察に勾留されていますので正確さの程度が曖昧です)。民間警備員がゲートの鍵を解いたので調査団が基地の外に出たところを待機していた警察隊に逮捕されました。
パトカーは駐在さんの連絡をうけ、名護警察署からN1表まで約1時間掛かって現地に着いた(と思われます)。調査団の一行は基地の中に二時間前後調査したものと思われます。たぶん、調査団の一行は警察官の姿を見た可能性は高いと思われますが、警察は従来の対応で、尋問程度であろうとあろうと考え、逃げ隠れはせずにゲートから出てきて警察官の「逮捕」に従ったみたいです(このあたりの情況は当事者が留置所にいて、弁護士の接見における交通が外に漏れてきませんので今のところはっきりしません)。
6人は名護署へ勾引されました。勾引された6人は男性4名、女性2名です。ややあって女性2人は沖縄署へ移送されました。そこで逮捕を知った支援者は6人が勾留されることを覚悟しました。名護署には女性を留置出来る部屋が無いので女性を留置できる部屋を持つ沖縄署へ移送されるということはその日のうちには釈放はされないということです。
今まで二人程度の逮捕は度々ありましたが、同じ案件で同時に6人も逮捕された事は前代未聞です。N1裏近くのヘリパッドG、H建設の時にはそれぞれ十数名の二チームが工事を阻止する為に工事現場(基地内)で抗議行動をした時ですら一名の逮捕者も出ていません。この時の逮捕者は期間を通じては山城氏とその他若干名のことだったと記憶しています。
一回の逮捕者が6名という大量逮捕は未曾有の出来事です。安倍政権の焦りと恫喝が感じられます。●●の家族は23日の釈放を心待ちにしていましたが釈放はされませんでした。翌日、●●の家族から毅然とした声で「●●は釈放されませんでした」との連絡がありました。警察の勾留だけでは済まなかったのです。
これには検察と裁判所のせめぎ合いがありました。検察は簡易裁判所が下した「検事勾留に及ばず」の結果に不服が有り、地方裁判所に準抗告を申し立てていたのです。地方裁判所は簡易裁判所の決定を覆し、準抗告を認めました。これで10日間(あるいは20日間)の勾留が決定しました。抗議者側では即日、辺野古弁護団を中心に、各被逮捕者一人に対して2〜3人の弁護士が付いて弁護活動を行うとの結果が出されました。市井の動きも速く、複数の支援者団体から百万円単位の支援申し込みもありました。
本日、●●家に家宅捜査が入りました。◆◆の自家用車が差し押さえられ、車に残置していたパソコンが押収されました。他の4名も家宅捜査を受けているそうです。恐ろしい程の素早い警察の対応です。何から何まで、今までには無い動きです。
「新日本軍」は専守防衛というギリギリの存在理由さえかなぐり捨て好戦的な動きをしつつある中、種苗の米国管理、水道の民営化、カジノの認可、ミサイル等攻撃用軍備の爆買等々日本の平和、生活を脅かす政治がまかり通っています。果ては保守政治家の収賄、横領の多発。
今、沖縄の市民運動に連帯するだけでは無く、私達国民全てが日本の西の果てで起きている市民虐待の実態が早晩日本全体に拡散され、戦争の危機や富の偏在が我が身の上に振りかかって来るであろう現実を真摯に見つめ直さなければならないと実感します。
今、喫緊の問題としては、沖縄県民の必死の抵抗に同調して、県外からのできる限りの支援として、10万円でも20万円でも・・・できる限りの支援金を送りたいと思っています。
<2020.01.05 追記>
この6人一斉逮捕の報告書を小生の友人、知人などに一斉発進しようとしたところ、いきなりのパソコン不調により発進は不可能になりました。いろんな人が沖縄のメディアの報道等を資料にして拡散していましたが、いずれも中途半端な情報で、当方はイライラしていました。昨日、やっと小生のパソコンが生き返りましたので上記の記事の続きを書き加え拡散いたします。
逮捕者が「辺野古500」のメンバー中心でしたので弁護士から伝えられた「辺野古500」の内部にのみ拡散された情報が下記のとおりです。
6人中2人に対して27日に家宅捜査が行われた。その1人●●に対しては東京から急ぎ沖縄入りした公安によって行われた(後日明らかになったことは「逮捕者全員に対して家宅捜査は行われており、なおかつ東京からは複数名の公安が入沖していた。)
弁護団は逮捕理由及び検事勾留決定の理由を確認していたが検事局は一切応じていなかったが。そして、いきなり、30日に、以上の理由開示に対しても返答をしないままに釈放をした。
6人の被逮捕者が「辺野古500」の有力な活動者であるにも拘わらず彼らに対する詳しい情報は左程無いことが公安を焦らせ無謀な検事勾留と家宅捜査に走らせたものと思われます。
9条改憲阻止の会 冨久亮輔
___ 転載ここまで ______
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
長船青治
携帯:080-3279-0017
pencil@jca.apc.org
sosafune12@tutanota.com
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion9331:200108〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。