テント日誌1月10日
- 2020年 1月 12日
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経産省前テントひろば1807日後
世界のきな臭い動きのなか自衛隊の中東派遣に反対 1月5日(日)
年明けの最初の日曜なのだが、人々に姿は影が薄い。今日までは連休となっている人も多いのだろう。テレビ等では帰郷し人たちの帰りも報じていて明日から仕事始めとなっている人が多いらしい。今日はかつてテントがあった場所の前で座り込みだ。ここは見晴らしもいいし、目立つところだが、陽が陰るのが経産省前よりは早くその分だけ寒い。銀杏の黄葉もほとんどみえなくなり、裸木が寒風にさらされている光景が目につく。これはこれで風情もあるし、ちょいと歌でも口すさみたくもなるが、やはり、寒々しい。これから二月の半ばまで寒い季節になるが、それでもポカ陽気の日もあろう。こころの片隅にはそれを願う気持ちもある。「雨にも負けず…」という言葉のあるように、僕らは座り込みを続ける。これをどう受け取るかは人それぞれだろうが、僕等ひとり一人は様々のことを自問自答しながら続ける。僕らの行動、あるいは意志表示といったものはいつもこのようなものなのだろう。
今年は正月を挟んで世界のきな臭い動きが伝えられる。アメリカとイランの戦争に向かう緊迫状態である。アメリカのトランプ大統領の危ないふるまいが、招き寄せたものだと思うが、とうとうやるかという危惧を感じさせる。対立を創り出すことで(その極端は戦争)、政治的支持をえるという政治家の常套手段が喚起させる事態だ。このトランプの政治的手法が招きよせる事態に世界はハラハラしているのだが、どうなるのかという危惧が増している。戦争には偶然の要素が強いから、ハラハラするのは当然だ。アメリカのイラク侵攻に淵源があるが、トランプはこの方針の反省とイラクからの撤退を方向として取ってはいないから、これがイランとの戦争に急旋回していくこともありえる。イラク侵攻がイラクの大量破壊兵器の所有という誤情報に基づくものであり。アメリカの軍事行動が何らの理由(たとえば自衛のため)がなかったことは明確になったが、アメリカにはその反省とそれに基づく行為はない。それは現在もイラク侵攻が続けられているのであり、それはイラン侵攻に進展していくこともかんがえられる。
このきな臭い中近東に自衛艦を派遣する安倍政権は何を考えているのか。アメリカの呼びかける有志連合への参加のステップ行動か。この派遣は日本がやらなければならない外交にとって百害あって一利もなしである。かつてアフガニスタンで地域住民の支援活動をやっていた中村哲さんが、アメリカのアフガニスタンへの反テロ戦争を支援する自衛艦の派遣に百害あってと批判したことを想起する。地域紛争を軍事的解決する方法を日本は取らない。取らないことを戦後の国家政策の基本にしてきたのではないか。
地域紛争への軍事介入を自衛権の発動としてやる行為(たとえば、アメリカのイラク侵攻)に同調することを考えた予備行動なのか。なるほど、集団的自衛権の行使として容認する道を開いてきたのは安倍政権だが、今後の中近東での紛争には集団的自衛権行使としてアメリカに同調していくつもりか。安倍のシナリヲにはあるかもしてないが、これは国民が認めたことでも、認めていることでもない。
アメリカが自衛権の行使として中近東の紛争に介入し、イランとの戦争への道にそれを拡大させるかもしれない。アメリカがイランに対する戦争を仕掛けることは自衛権の行使としての理由はない。根拠や理由などはトランプにはどうでもいいのかも知れない。彼等は戦争による支配を目ざした展開をやることは自制する考えはない。彼等も自衛権の行使を名目としてするのだろうが。それと安倍は密約をしているのではないかという疑惑を僕は持っている。密約は推察でしかないが、根拠がないことでもないと思える。安倍が国益を守るということで軍事行動を辞さないという考えを持っているからだし、地域紛争には軍事介入で対応しないという事を明瞭にしていないからだ。トランプの有志連合には加わらないということを明確にしているわけでもないし、彼の言動からみれば、トランプの行動の同調し、これを集団的自衛権の行使としてやることは十二分にありえることだ。そのための予備的行動をやろうとしている、と思える。
アメリカの対イラン軍事行動はかつてのイラク侵攻の時以上に世界的に孤立することは明確だ。そうした中で安倍はかつてのイギリスのブレア首相のような役割を演じようしているのではないか。それを演じさせられるのかもしれないが、そういう流れを見ておかなければならない。
我が国の船舶の安全の調査ために自衛艦を派遣することは、軍事行動によって船舶の安全を守ることが考えられていない以上は無意味である。日本の自衛艦が日本船舶の安全を守るということはできないし、やってはいけない。自衛隊が単独で日本の船舶の航行の安全をまもることなどできないし、仮にそれが可能であってそれはやってはならない。自衛隊をこういう目的で使うことはいけないことだ。それは自衛(侵略からの自衛)の存在を仮に容認したにしてもそこからは逸脱している。自衛という名目で他国の軍事侵略(軍事的支配)になる道であり、ここはよくよく考えるべきところだ。
軍事的な力で船舶の安全を守るといこことはアメリカの軍事行動に加わることしか具体性はない。集団的自衛権の行使という名目を持ってのことになるが、アメリカの呼びかける有志連合に参加することになるのだと思う。いずれにしても、軍事によって我が国の船舶の安全を確保するということはやれないし、やってはいけない。軍事的でない方法を考えるべきだし、それは可能なのだ。その道はあり得る。安倍はこうした方法を本気でやろうとしていないし、メデイアもそのことを含めた議論を提起していない。船舶の安全のための調査なら自衛艦を派遣する必要などないのだ。自衛隊員を戦場に送り、戦火にさらしてはならない。(三上治)
晴天だが風が強くその分寒かった 1月6日(月)
今日の天気は雲ひとつ無い晴天だが風は強く吹いていてバナーは二つは無理でひとつ外して何とか持ちこたえさせた。今日の経産省前は仕事始めの為に何時もにも増して経産省詣での会社関係者がひっきりなしに入って行ったー手土産を持って。
1時頃、御大のSさんが来られた。風の強いのにビックリされ、もう少し厚着してくれば良かった❗と言って座り込みまれたー余り無理しないで。文庫本を読んでおられたが一時間後に帰っていかれた。1時過ぎから4時過ぎまで私用で経産省前を離れる。
帰ってくると新たに来た人・帰られた人があり3人が座り込みをされていた。そのすぐ後にレジェンド・Sさんら二人が国会前座り込みを終えて来られた。早番のSさんと合流して最後まで道行く人々に原発批判・経産省批判の訴えをされていた。(保)
久しぶりの座り込みだった 1月7日(火)
テントひろば事務所に11時過ぎに到着したところ、鍵を忘れてきたことに気づくが、すでにYさんが事務所内で作業中だった。忘れていた今夜の運営委員会案内メールを流してから、二人で経産省前に向かう。昨年来のご無沙汰だったIさん、Oさんが揃って座り込む。暫くして、車道に止まっていたタクシーの運転手が背後の植え込みから現れ、カンパ箱に小銭を入れてくれた。
雨が降り始めた2時近く、通りかかった同年配位の男性が財布を出して小銭を入れてくれたので、「ありがとう」とお礼をいう。そして、しばらく立ち話をした。その後、食事に出ていたIさん、Yさんが戻ってきたので、私は事務所に行ってテントひろばニュース182号を印刷して、雨の中を再度、経産省前に戻る。この夜、テントひろば運営委員会。(O・E)
トランプの戦争をどう止めるか 1月8日(水)
今日は天気予報に翻弄された日だった。いつも経産省前に出発する11時45分には雨がザーザーで出発を見送る。12時頃に小降りになったので出る。途中から雨はやみ、太陽が出始めた。セッティングをするときは曇りになった。風が出てきたのでバナーは1枚にする。以後、雨は降らなかったが、予報に反して寒い。予報では15度くらいになると言っていたが実際には4~5度。おかげて、少し薄着で来たOさんは寒くてカイロを貼る。他の人もカイロのお世話になる。レジェンド斎藤も登場。
通りがかりの女性がカンパをくださって、さらにこれは皆さんで暖かいものを食べてくださいと言って追加カンパをしてくれたので、あとで熱々の肉マンを買って、みんなで美味しく食べた。ありがとうございます。
その他、やはり通りすがりの男性が戻って時、カンパをしてくださった。
座り込み中の話はトランプのイラン攻撃。戦争はこうして始まることを感じさせる。私たちは止めるために何をするかだ。
3時過ぎに倉田さんがやって来た。横浜のIR反対闘争に忙しくて昼の規制庁抗議集会にも行けなかったそうだ。レジェンド斎藤さんと交互にマイクで経産省批判を繰り広げた。京都から2名の人が来られた。その人たちのコールは、「賄賂より廃炉!」。倉田さんの音頭でみんなでシュプレヒコールをやって盛り上がる。京都の人からカンパも頂く。恐縮。改憲阻止の会の人も加わり経産省前は賑やかになった。なお、今日から保っちゃんのパンがはじまる。(T・I)
風の強い一日だったが、いろんな人が訪れた 1月9日(木)
気温はそんなに低いとは、思われない日であったが強い風が一日中吹いていてバナーはとても取り付けられない状況で、ノボリ旗を掲げるのが精一杯であった。座り込みのセットを終えると間もなく、八王子のKさんが、例のお煎餅を持って座り込みに参加された、都庁前で「君が代」解雇をさせない会のチラシを配布した帰りに寄って下さったとの事で、お持ちになったお煎餅は、朝のラッシュに揉まれたと言っていましてかなり壊れていました。
その後、沖縄宮古島出身の方で毎月一回は沖縄に行っているというOさんが参加されて軍事基地増強の実態やその他色々なことの意見交換が出来ました。
15時過ぎには、英語の先生も見えられて、そろそろ片付けようかと思っていた所レジェンドSさんが到着したが、Sさんは座り込む時間もなくこの日の行動は終了しました。それと本日は、面白いことに反原発には全く関係のない青年がさり気なくパイプ椅子に数分座っておりました。(Y・R)
韓国から核振興政策反対のメッセージ 1月10日(金)
少し遅れて座り込み、テントニュース最新号を通行人に手渡す。朝鮮学校差別反対の文科省前行動にも少し参加、田中宏さんに内閣府申入れを報告。
17時からの抗議行動には40人ほどが参加。常連さんのアピールとともに、珍しくKuさんが韓国からのメッセージを読み上げてくれた。10日午前に韓国ソウル光化門前で発表された記者会見文の一部を紹介する。
:::::::::
(見出し) 安倍政権の福島汚染水海洋放出を糾弾し
韓国の核振興政策の全面廃棄を求める記者会見
―韓国は原子力振興法を廃棄し
日本は福島汚染水の海洋放出と東京オリンピックを直ちに取り消せ!―
(本文)
○安倍政権は世界を相手にした放射能テロを中断せよ!
……
2013年、安倍政権は東京オリンピック誘致の発表とともに、福島原発事故が「統制されている」と大言壮語した。だが、9年が過ぎようとするのに、溶け落ちた核燃料の除去どころが、正確な実態把握さえもできていない。…
放射性物質はいくら半減期が短くとも、濃度が基準値以下だとしても、安全ではない。
…
全世界の国々が共に連帯して汚染水放出と東京放射能オリンピックを食い止めねばならない。
○韓国は欺瞞的な原子力進行政策を直ちに廃棄し、核のない社会に向かう脱核の時代を推進せよ!
…
チェルノブイリと福島惨事から学ぶことができず核発電を持続するなら、核武装を通じた平和という欺瞞的な現実を食い止められないだろう。
核の問題は特定国家や時間に限定されるものではない。今日も日本全域で原発やめろと叫ぶ金曜行動が行われているという。韓国と日本、ひいでは全世界の労働者・民衆、核に反対する総ての地球人が、共に連帯して核廃棄に立ち上がろう!
<私たちの要求>
・福島汚染水の海洋廃棄に反対する!
・安倍政権の原発再稼働に反対する!
・核事故に国境なし、放射能にも国境はない!東京放射能オリンピックに反対する!
・文在寅政府は核振興政策を全面廃棄し、脱原発を実行せよ!
……
・日韓の民衆は連帯して核のない社会の実現を早めよう!
2020年1月10日 核廃棄に向けた全国ネットワーク(団体名16)>
昨年末にはイチエフ廃炉工程表の5回目の改訂が行われた。私たちは、安倍政権や経産省や東電の嘘に騙され続けてはならない。韓国他各国の人々と連帯して脱原発を実現しよう。
(K.M)
原子力ロビーによる放射線被曝の押付けを拒否しよう! その26
福島小児甲状腺がん多発は放射線の影響ではないと誤った結論を国際学会誌に掲載~牧野淳一郎さんが「地域差はない」・「個人線量と関係ない」の嘘を許さない 2020年1月9日 木村雅英
小児甲状腺がんへの放射線影響隠しが国内(県民健康調査)のみならず海外の学会誌にまで及んでいる。牧野淳一郎さん(神戸大学)の連載「3.11以後の科学リテラシー」(「岩波科学1月号」)から紹介する。
<福島県の甲状腺検査評価部会に資料を提出していた福島県立医科大学のグループによる、検査2回目(本格検査1回目)についての論文がEpidemiology誌に出版されました。論文が結論としている、地域差はない、個人線量と関係はない、はいずれもデータから言えません。地域差も、個人線量との関係も、区分を変えればみえるからです。統計的検定について無知ならば問題ですし、そうではなくあえて差をみないなら一層深刻な問題です。>
県民健康調査の甲状腺検査評価部会の問題は本シリーズその20,21,23他でも紹介してきているが、この号でも次のように指摘している。
<…。先行検査の時に使って有意差がでなかった4地域区分では本格検査では有意差がでていたのですが、それを特に理由なく使わないことにして別の方法で被曝量の影響はみられないと結論する、という統計学の教科書で「やってはいけない」例に使えそうなことをやっていました。>
そして、掲載された大平氏のグループの論文「External Radiation Dose, Obesity, and Risk of Childhood Thyroid Cancer After the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant Accident The Fukushima Health Management Survey」
(https://journals.lww.com/epidem/Abstract/2019/11000/
External_Radiation_Dose,_Obesity,_and_Risk_of.12.aspx)
を引用して、次のように指摘している。
<驚くべきことは、彼らはここでは個人の外部被曝量推計にもとづいた地域区分を使っていて、甲状腺検査評価部会に提出した資料で使っているUNSCEAR推計を使っていないことです。論文と甲状腺検査評価部会資料でやり方がまったく違うのなら、甲状腺検査評価部会資料には科学的根拠はあるのか、ということ自体が問われます。
<正直なところ、この著者らの統計の使い方には疑問をもたざるを得ないし、このような論文を受理するEpidemiologyという雑誌にも疑問をもたないわけにはいきません。
<論文には「地域差なし」と書いてあるが、数字を見ると推計被曝量と悪性率には有意な関係がある。個人推計そのものでも同様に有意な関係があるが、論文では傾向がでにくい形の解析をして関係ないと結論している。
<これが、統計的検定に関する無知からくるのであれば専門家による論文としては問題だし、そうでなければより大きな問題であろう。
すなわち、(国際)原子力ロビーたちは、小児甲状腺がん多発への放射線影響隠しを統計学の仮面をかぶって行い、国際疫学学会誌Epidemiology誌にも掲載させているのだ。
安倍官邸の「森友・加計・桜」の騙し(記録・記憶隠し)と違って科学(統計の初歩)を装って、世界中に嘘をまき散らしている。騙されてはいけないし、世界に真実を知らせないといけない。
【 JKS47 月例祈祷会 】
1月は下記の通り、1月15日(水)に開催します。
日時:2020年1月15日(水)午後3時より 会場:経産省前テントひろば
予定:15:00~ 芸能の刻(歌声喫茶の憂愁)
15:30~ 「月例祈祷会」 厳修
16:30 終了
1月17日(金・祝) 経産省前抗議集会 17時~
官邸前向後講堂は18時30分~【反原連】
1月19日(日)中近東への自衛艦派遣反対
14時 衆院第二議員会館前 総がかり行動
1月20日(月)中近東への自衛艦派遣反対
12時 衆院議員会館前 総がかり行動
「桜を見る会」糾弾 官邸前緊急抗議行動(第5回)
~安倍政治の嘘とごまかし許さない!~
日時 2020年1月20日(月)18時~19時
場所:首相官邸前
主催:安倍政治に物申す会(片岡・木村・乾)
問合せ:木村(080-5062-4196、kimura-m@ba2.so-net.ne.jp)
「桜を見る会」の国政、税金の私物化、公選法違反を許さない。
12月9日、16日、23日(月)、本年1月6日の抗議行動と、
1月7日の内閣府への申入れ(5人で内閣府で40分間申入れ)
に続きに首相官邸前で抗議行動をします。
今行動するのは大人の責任。未来を担う人々のために動く時。
嘘とごまかしの腐った政治をストップさせるために声を上げ続けよう。
安倍官邸へ多くの市民の怒りを表明しましょう。
プラカードや鳴り物などの持参を歓迎します。多くの方々の短いアピールを歓迎します。
多くの市民、市民団体の共同行動を歓迎します。
なお、2月は10日(月)、17日(月)を計画しています。
脱原発青空川柳句会 1月26日(日)12時~
選者:乱鬼龍 経産省前テントひろば 12時~3時
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