第6回ちきゅう座総会のご報告
- 2011年 5月 25日
- 時代をみる
- ちきゅう座運営委員会
5月21日の午後1時から5時まで、明治大学の研究棟でちきゅう座の年次総会を行いました。総会の議事に先立って「浜岡町原発問題を考える会」代表の伊藤実さんによる「浜岡原発問題を語る」という内容の記念講演がありました。
講演の内容は伊藤さんがペーパー4枚に几帳面にまとめられていましたが、大まかにいえば、第一に、自分がどういう経過から「浜岡原発反対」の運動にかかわってくるようになったかという自分史。
第二は、その自分史に重ね合わせながら、地方政治の変遷、中央政治や国家的政策たる「原子力発電所設立計画」との絡みが話された。地元出身の立志伝中の名士であった水野成夫(サンケイ新聞社長)が巧みに暗躍し、原発用地の買収を進めながら、サンケイ新聞による「浜岡町原発計画のスクープ」記事を掲載。その結果の、土地の急騰(市場価格5万円が180万円に跳ね上がる)と、その後の原発バブル。つまり、土建屋、ゼネコンなどによる工場の建設(必ずしも地元企業ではなく、東京の大手企業が主)とそれに伴っての労働人口の増加、また商店街の一定の活性化がおきたこと。その半面で、非協力者および非協力な地元の中小企業への露骨な嫌がらせ、受注のキャンセル、妨害などによる追い出しもあったこと。更には、赤裸々な現ナマ作戦(飲ませ、食わせ、あるいは地方選挙での現金バラマキと地方議員の取り込み)、また多額の寄付による地域施設の新設によって地方の住民への懐柔作戦、等々。その結果、浜岡町商工会員、飲食店組合員たちが中部電力に「浜岡5号機」増設の要望書を出すまでになったことが話された。
第三に、そのような経過の中で、それでも地元住民たちが専門家との交流会、勉強会などを通じて、原発とはいかなるものか、何故それが危険であるのかをしっかり学んできた点も簡単ではあったが触れられた。そして、彼が最後にあげた「これからの課題」は次の三点であった。
① 防潮堤、発電機の無駄。(浜岡原発の)再開を許さない。
② 全国の原発、再処理施設の廃止。
③ 電力の自由化。
このあと、何人かの方々の質問に答えられていた。
引き続き総会が行われ、年間の事業報告(6月から画面がリニューアルされたこと、またここニヶ月間のアクセス数が驚異的に伸びたことなど)や、今後の事業計画などが報告された。特に今期の課題は、技術的な面の更なる充実、より見やすく、リピートしやすい画面を作っていくために技術部門を独立させることが強調された。いくつかの点(特に記事掲載のあり方、共催でやる研究会にはルールを持って臨むこと、など)での活発な議論も戦わされました。
最後に運営委員長と運営委員の選出が行われ、運営委員長には引き続き塩川喜信さんが選出されました。また、片桐幸雄さんは今回は退任され、次の方々が改めて運営委員として選出されました。
塩川喜信(運営委員長)、合澤清(編集長)、西兼司(事務局長)、石塚正英、生方卓、相馬千春、松田健二、尾上崇雄、野沢敏治、清家竜介、廣橋隆、藤原昌彦
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