新型コロナウイルス騒動:トイレットペーパー、森林破壊、温室効果ガス
- 2020年 3月 5日
- 交流の広場
- 太田光征
新型コロナウイルス騒動でトイレットペーパー(TP)不足になるというデマが広がり、TPの買い占めが起きているとか。
この際なのでお伝えすると、私は今回のTP騒動に関係なく、以前からTPを買わず、再生に適さないと思われる古紙などをしわくちゃにして水で濡らしたもので用を足しています。
TPを含む紙は貴重な熱帯雨林、原生林なども原料になっています。また製紙は膨大な電力を消費します。熱帯雨林や原生林で尻を拭く行為は醜いと心得ましょう。
【参考】トイレットペーパーの環境負荷は高い | SUSTAINABLE BRANDS JAPAN
https://www.sustainablebrands.jp/news/os/detail/1191796_1531.html
「森林をトイレに流している」(自然資源防衛協議会(NRDC)レポート)
「日本は91ロールで1人当たり消費量は第4位」
【参考】製紙連合会向け質問書
http://jatan.org/lib/jpa1.html
【参考】製紙連合会向け質問書への回答書
http://jatan.org/lib/jpa1r.html
またTPを含む有機物は下水管の中で嫌気発酵して二酸化炭素の約25倍の温室効果を持つとされるメタンの発生源となります。
【参考】嫌気性消化後の汚泥処理におけるメタン放散に関する研究
http://eica.jp/search/browse.php?file=a_17_2_81..pdf&id=1033
「下水処理場では、温室効果ガスであるメタンが大気中に放散されている。本研究では、嫌気性消化の有無で各1カ所の下水処理施設にて、これまで調査例がほとんどない脱水プロセスを中心としたメタン放散の調査を行った。その結果、大気へのメタン放散量は、消化ありで736±189mg-CH4/m3-下水、消化なしで115±96.1 mg-CH4/m3-下水と見積もられた。消化ガス利用によるCO2排出間接削減量に対するメタン放散によるCO2換算排出量の割合は最大で50%となり無視できないことがわかった。」
私は温室効果ガスの増加と地球温暖化の関係についての主流意見をそのまま受け入れるという立場にはありませんが、温室効果ガスの増加をもたらす環境破壊の防止には賛成なので、環境保護のためTP使用量の削減を呼び掛けます。
いきなりTPを使わないのは難しいという方がほとんどでしょう。でもレシートくらいの固さと大きさの紙を一枚だけしわくちゃにしてTPの間に挟み込むだけで、おそらくTP使用量は3分の1くらいは減るでしょう。なにもあんなに柔らかい紙だけで用を足す必要はなく、肌に当る部分だけ柔らかければいいのです。あるいは私みたいにしわくちゃにした固めの紙を濡らすだけでむしろ肌への摩擦がなく使い心地が良くなります。とてもじゃないが普通のTPは痛くて私にはもう使えない。
よくこういう話をすると、TP以外の紙を使うとトイレが詰まるのでは、TP以外の紙は水に溶けないのでは、という疑問を呈される方がいます。詰まりません。実践しているので断言できます。TPを含む紙一般がそもそも水に溶けません、紙繊維が分散するだけです。
さらについでに言うと、食事中の方にはすみませんが、便の粘性の違いによって用足し紙の使用量が異なるということは、誰しもが経験して分かっているのではないでしょうか。市販の第三類医薬品の臨床試験済み整腸剤(私の経験ではそれも種類によって効果が全然違うし、サプリより良い)などを服用して腸内を整えておくと、いわゆる赤ちゃん並みの黄色でヌルリとしてお尻を拭き取りやすい便となります。もちろん野菜などを多く取る食事が前提条件ですが。
さらにさらに言えば、腸内細菌叢は精神神経疾患など脳機能と腸の間に相互作用があるとする脳腸相関において重要な役割を果たすことが明らかになってきました。整腸剤は腸内細菌叢を良好に保つ微生物製剤なので、精神の健康にとっても有益です。
腸の健康は自分の体と地球の健康につながるわけですね。
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