新型コロナウイルス感染症パンデミックに見る末路の安倍政権下の日本
- 2020年 4月 4日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
新型コロナウイルス感染症 (以下COVID-19と呼ぶ)が世界で猛威を振るっています。当初は、中国で、今は、欧州、中でも南欧でり患者数が急激に増え、死者が日増しに増えています。 加えて米国でのり患者数と死者の急増が眼を引きます。
処が、この国では、検査数とり患者数が左程に増えていませんでした。 クルーズ船での患者発生がマスコミに騒がれた程度で、政権の要職におられる方々もオリンピック開催延期の決定寸前までは、左程に危機意識が高まっておられないようでした。 当初は、安倍首相も会食の方がお忙しそうであり、都知事も首都封鎖等の声を上げられず、それに付随(?)してり患者数も死者数も行政庁の統計では左程に増加した数字として現れませんでした。
(参考)
感染拡大の中 安倍首相会食ざんまい 大企業トップや“仲間内”と11回 新聞赤旗 2020年2月27日(木)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2020-02-27/2020022715_01_1.html
尤も、この国の各種統計は、行政庁が安倍政権への忖度の度合いを深める程にその信頼度が揺らぎ、諸外国からも左程に信頼を寄せられないのが事実です。 私自身も大本営発表と大して変わりが無くなった、と思うことがあります。
(参考)
「日本のコロナ感染者数が「少なすぎる」と疑念を持たれる本当の理由」 鈴木貴博:百年コンサルティング代表 Diamond Online 2020.3.27 5:35
https://diamond.jp/articles/-/232937
加えて、マスコミ、と申しますよりも、今やマスゴミと呼称するのが相応しいこの国のテレビ、新聞等の報道の在り様では、COVID-19の日本におけるり患の真実が到底分からないので国民一般に不安と不信が広がっているのが実際の処なのです。 検査数が少なければ、り患者数も少なくなるのは当然の帰結であり、検査数を少なくされるのは、り患者数を少なくするのが動機であるのは、自明の道理ではありませんか。
(参考)
「日本で発表の感染者数は「氷山の一角」、専門家が検査態勢の強化促す」CNN.JP.
2020.03.06 Fri posted at 11:00 JST https://www.cnn.co.jp/world/35150399.html
今や、芸能人やプロ野球選手もり患するのです。 り患者数が統計よりも多数であるのは、これ等の有名人が国民全体数に占める割合を勘案すれば理解できることなのです。
従って、人々はマスクを求めて販売店に押し寄せ、ネット販売でも品切れ状態になる訳ですし、トイレットペイパーを求めてスーパーの店頭に並ぶ訳です。 私自身も、消毒薬とマスクをネット通販で買い、社会的隔離等諸外国の対策に倣い、缶詰等の保存の効く食物を多量に買い求めました。
それにしても、この国のマスゴミの在り様は、異常です。 ネットが普及した現在では、その異常振りは、諸外国のマスコミの報道と比べるだけで良く分かるのです。以前から、保守政権寄りのマスコミは存在しましたし、戦前回帰政権に媚び諂うマスゴミの増殖が目に余るようにもなっていましたが。
近年は、NHKの現政権への忖度が酷くなって来ているのが眼を引くようです。 バブル経済崩壊時期には、NHKの番組で、太平洋戦争の真実を伝える番組が多数あり、戦時の誤謬を戦後の実相に照らす貴重な番組もあり何度も視聴したものでしたが、新世紀になりそのような番組が減り、同時に私もNHK等を見ることも無くなりました。
その中で、今でも記憶に新しいのは、太平洋戦争の敗北に繋がる契機となったミッドウェーの海戦と同じく、八月十五日に繋がる陸戦での敗北であったガダルカナル戦を取り上げられた番組だったのでした。
殆ど三十年前にもなる番組の「ドキュメント太平洋戦争 第2集 敵を知らず己を知らず ~ガダルカナル~ 」(1993年1月10日放送)
米軍の本格的反攻作戦を軽視し、制空権を失いつつ補給もままならない中で、明治三十八年正式の旧式小銃に銃剣をつけて白兵突撃を繰り返す精神主義の誤謬を犯した大日本帝国陸軍の敗北を大本営発表では、「転進」とした訳でした。
と此処まで書いて来て、思い付きの布マスクを一戸当たりで二枚を郵送する等と言う愚策を出す首相を筆頭にり患者続出の近未来を前に効果的対応が出来ない日本の現実を目前にし既視感を感じるのです。
それ引き換え、失礼ながらあのトランプ氏さえも現実に真摯に向き合う米国を恨めしく思います。
「ドナルド・トランプ米大統領は31日、新型コロナウイルスに関する記者会見で、ふだんと変わって厳しい認識を口にした。
中略
トランプ氏は深刻な表情で、「全アメリカ国民に、今後訪れる厳しい日々に備えてもらいたい」、「これからの2週間は非常に痛ましいものになるだろう」と語った。」
BBCに依りますと「アメリカにおけるCOVID-19の死者は現在、10万~20万人と予測されている。日別の予測では、例えば4月15日には1日で2214人が死亡すると想定されている。」とのことです。
(参考)
トランプ氏、きれいごとを排除 新型ウイルスの厳しい現実で変化 BBC
https://www.bbc.com/japanese/52116428
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion9612:200404〕
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