8月29日(土)青山雫「世界恐慌とパクス・アメリカーナへの移行」世界資本主義フォーラムのご案内
- 2020年 7月 23日
- 催し物案内
- 世界資本主義フォーラム矢沢国光青山雫
- 講師 青山雫
- テーマ 「世界恐慌とパクス・アメリカーナへの移行」
- 参考文献
- 問合せ・連絡先 矢沢 yazawa@msg.biglobe.ne. jp 携帯090-6035-4686
● 主催 世界資本主義フォーラム
● 日時 2020年8月29日(土)午後1時30分~4時30分
● ZOOMによるオンライン方式で実施します。
参加方法
(1)パソコンまたはスマホがあれば、どなたも参加できます。参加費500円(あと払い)
(2)前日(8月28日)までに、
■氏名
■オンライン参加する際のメール・アドレス
を書いて、矢沢 yazawa@msg.biglobe.ne.jp 宛に、メールをください。
(3)8月29日 午前10時頃までに「ミーティングへの招待」のURL[ネット上のアドレスを示す文字列]を送信します。それをクリックして「ミーティングに参加する」をクリックすれば、自動的につながります。
(4)ZOOM接続が初めての方は、事前に接続予行することをおすすめします。矢沢まで、連絡ください。
接続予行の日時をお知らせします。
アメリカは、第2次世界大戦後、世界資本主義のリーダーとなり、資本主義の戦後体制の中軸となって秩序を作り、またその発展を主導してきた。しかしそれはたんに、連合国としての主戦勝者としての地位によるのではない。やや逆説的だが、第2次世界大戦に帰結した世界大恐慌にその端緒が生じていた。
世界大恐慌は、アメリカ発の大恐慌が世界的に波及した。表層的にはそのように語ってもあながち間違いではないが、その実際の過程は錯綜を極めている。
第1次世界大戦後、アメリカ資本主義は、生産力においても、金を含む外貨準備の分厚さにおいても、資本主義世界の圧倒的首位に立つ。そこに空前絶後の恐慌が襲い、アメリカは、資本主義国中最も深刻な打撃を受ける。同時に、恐慌は、当時の世界資本主義中のもう一つの中心・イギリスの国際収支の脆弱性を介し、貿易、対外投資関連の収縮を通じて、世界的に波及した。それがまた二重三重に相互反射することで、未曽有の世界大恐慌にいたった。いわゆる「資本主義の自動回復力」が喪失し「自己崩壊」が顕現した。当時の通貨体制である、国際金本位制は完全に崩壊し、世界資本主義は分断と対立の時代に突入、第2次世界大戦を惹起したのである。
アメリカを基軸とする世界資本主義の再編成は、こうした世界大恐慌と第2次世界大戦という、2段構えに生じた、文字通りの体制的危機を経過した戦後の時点で推し進められたのである。「パックス・アメリカーナ」と総括される戦後世界資本主義秩序とは、この戦後世界資本主義の再編体制を集約して表現している。
今回の報告では、主として侘美「世界大恐慌」に依りつつ、世界大恐慌の原因・過程・帰結を大胆に圧縮して提示し、併せて世界大恐慌の分析の今日的な意義まで言及するところまで目指したい。そこには現代資本主義をめぐる主要なテーマがほとんどすべて包含されているからである。
宇野弘蔵「経済政策論」(弘文堂)、「恐慌論」(岩波文庫)
大内力「国家独占資本主義」(東京大学出版会)
吉富勝「アメリカの大恐慌」(日本評論社)
侘美光彦「世界大恐慌」(御茶ノ水書房)
河村哲二「パックスアメリカーナの形成―アメリカの「戦時経済」システムの分析」(東洋経済新報社)
林敏彦「大恐慌のアメリカ」(岩波新書)
M.フリードマン・A.シュウォルツ「大収縮」(日本経済新聞出版)
C.キンドルバーガー「大不況下の世界 1929-33」(岩波書店)
P.テミン「大恐慌の教訓」(東洋経済新報社)
B.Eichengreen 「Golden Fetters」(Oxford University Press, 1992)(金の足かせ)
B.バーナンキ「大恐慌論」(日本経済新聞出版)
【9月以降の世界資本主義フォーラムの予定】
■9月26日(土) 河村哲二「アメリカ戦時経済とパクス・アメリカーナの成立」
■10月 矢沢国光「資本主義国家の成立(2) 「東方問題」と第一次大戦」
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