TikTop召し上げの分け前
- 2020年 8月 8日
- 評論・紹介・意見
- 藤澤豊
DZNet Japanが日本語のニュースを伝えてきた。日本語の記事はありがたい。英語のニュースから書き起こす手間が省ける。
「マイクロソフトのTikTok買収計画から見える4つのこと」
https://japan.zdnet.com/article/35157688/
注)
TikTokとは関係ないが、せっかくだから記事にでてくるArm社についてはWebで見ておくことをお勧めする。
まあ、DZNet、IT関係のソフトウェアを中心にしたニュースサイトということもあるのか、アメリカでひと騒ぎになっている興味深い点に触れていない。下記を読む前に、DZNet Japanの記事に目を通してください。
TikTokは、中国ByteDance社が所有するモバイル向けショートムービープラットフォームアプリの名称。
中国の会社のソフトウェアでただ一つ、若い人たちを中心に世界で広く使われている。
TikTokについては下記を参照。
https://ja.wikipedia.org/wiki/TikTok
こんなことを言うと叱られそうだが、少なくともオヤジにはTikTokのホームページよりウィキペディアの方が分かり易い。
トランプがTikTokが利用者の個人情報を中国共産党に流している、国防上の問題だとして、九月十五日に使用禁止にすると発表した。FOXニュースや右翼も使って騒いでいるが、いつものことで根拠を提示することはない。トランプの発言は、小学校低学年ではないかと思うほど単純でが、何らかの裏付けがあったことがない。まるであいつは共産主義者だと言えば暴力でもなんでも正当化できた時代を思わせる根拠なき独断。トランプの言動にはアメリカの病魔の一端を見せつけられる。
都合の悪いことは何でも他人のせいにするトランプ、TikTokの利用者の多くが反トランプで、タルサの選挙活動の妨害をされたと思ってのことかとうがった見方をしてしまう。
ただの使用禁止では金にならない。さすがトランプ、考えることが違う。
ByteDanceにTikTokの事業を九月十五日までにマイクロソフトに売れと圧力をかけている。他方ではマイクロソフトには買収しろと話を進めている。それだけでもヤクザ顔負けの話だが、そこはトランプ。放っておけばアメリカでの事業がなくなるとByteDance脅し、オレが圧力をかけて捨て値で買えるようにしてやってるんだから、マイクロソフトに政府(オレ?)も一枚かませろと言いだした。
何でもありのトランプだから、アメリカの政財界も少々のことでは驚かなくなってはいたが、今回はさすがにそこまでやるか、そこまでやったら、マフィアと何が違うと言いだした。法的にも許されないとメディアが伝えている。昔セーフの判定にクレームをつけられた二塁塁審が「オレがルールブック」だと言い放ったが、トランプならさしずめオレが法律だぐらいのことは言いだしかねない。
偶然の一致とも思えないのだが、先週下院の独占分科会(日本語名称?、U.S. House Subcommittee on Antitrust)がAmazon、Apple、GoogleとFacebook四社のCEOを呼びつけて、独占的地位の乱用についてきつい話をした。FacebookのMark Zuckerbergがフェイクニュースの拡散でとっちめられた。Facebookの問題はあるにせよ、Zuckerbergにしてみれば、オレに文句を言う前にトランプに言えと言いたかっただろう。なにしろアメリカでもっとも質の悪い、影響力のあるフェイクニュースを発信しているのはトランプだから。
興味深いことに、そこにはマイクロソフトが入っていない。アメリカでは、マイクロソフト?ああ、あのオヤジや爺さんの時代の古い会社と思われるほど影が薄くなっている。とはいえOSにOfficeをおさえて、十分に巨大な影響力を持っている。そこにFacebookやTwitterをも凌駕しかねないTikTokを、なぜ?
Huaweiに続いてTikTok。ByteDanceは民間会社でHuaweiのように政府がらみではないと聞いてはいるが、中国、いつまで臥薪嘗胆を続けるのか?
コロナウィルス・ワクチンで発展途上国を軒並み取り込む勢いの中国、かつての「農村から都市を包囲する」を思い出す。いつ都市に進軍するのか?もうあちこちで侵食するかのように始まっている気もするが。
Private homepage “My commonsense” (http://mycommonsense.ninja-web.net/)にアップした拙稿に加筆、編集
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion10011:200808〕
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