地球の上で「生きる」
- 2020年 9月 14日
- カルチャー
- 出町 千鶴子絵画
地球の神さまは、チーターの子ども達に頭のてっぺんから尻尾の付け根まで銀灰色ふあふあの鬣(タテガミ)を下さった。
子ども達の鬣は、体温調節の役割をし、また、まばらに灌木の生えた平原では鬣を立てて陽の光を吸収し風にそよがせて、ライオンやハイエナら捕食者達から自らをカムフラージュすることができる。またある時は、巣穴を横取りにやって来たアナグマやヤマアラシに擬態して自らを守ることもできる。
こうして、気がつけば子ども達は生後110日余。魔法の鬣は役目を終えて安心したようにして消えて行く。
子ども達が5か月になった頃、お母さんは、子ども達を連れて、危険安全の合図をしあいながら狩りをする。子ども達を狙う捕食者達に襲撃されたり、せっかくの獲物を横取りされることも多い。命がけの採食活動である。
子ども達は、お母さんの狩りを観察しながら驚異の大自然に親しみ、此処で生きていく知恵や術、怖さや畏れも身につけるのだ。
ライオンは、血縁関係で群れをつくり、大家族で狩りをし、縄張りを守り子どもを育てる。対して、チーターのお母さんは、彼らの縄張りから外れた水の少ない草原や丘陵に巣穴の寝床を作り、単独で狩りをし、子育てに全身全霊をささげる。
チーターは、BC1900古代エジプトでは、多産と豊穣の象徴として壁画やパピルスの記録画にその姿が描かれている。インドやイランでは、王様の狩りの猟獣として寵愛を受けていた。絵は、アジアチーターであるが、現在はイランのキャヴィ―ル平原に60頭足らずが生息するのみだそうである。
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〔culture0930:200914〕
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