「菅直人民主党新代表を第94代首相に指名」「官房長官に仙石由人氏を内定―組閣は5日以降に」
- 2010年 6月 4日
- 時代をみる
- 瀬戸栄一
民主党は4日、両院議員総会で菅直人氏(63)を新代表に選出した。引き続き同日午後2時からの衆院本会議で菅代表は第94代内閣総理大臣に選出・指名された。この間、菅代表は国民新党の亀井静香党首と会談、民主党―国民新党の連立政権を継続することで合意した。
菅直人新首相は内閣官房長官に仙石由人国家戦略担当相を内定した。しかし菅政権の組閣と党役員人事は4日中には決めず、5日以降―週明けの7、8日中の決定に持ち越した。小沢一郎氏に代わる幹事長人事が焦点となる。枝野幸男・行政刷新担当相の幹事長起用が浮上しているが、党内に異論があり、調整中だ。
鳩山由紀夫前首相は4日朝の閣議で総辞職を決定、首相官邸を去った。小沢前幹事長は新代表選びの中で何人かの議員に代表選出馬を要請し影響力を維持しようと試みたが、ことごとく断られ、党内政治力が一気に低下したことを露呈した。
菅直人氏は3日、代表選出馬を決意した記者会見で「小沢氏は政治とカネの問題で国民の不信を招いた。しばらくは静かにしていただいた方が本人、民主党、日本の政治にとってもいいのではないか」と述べ、「脱小沢支配」を宣言した。
▽菅氏が7割を得票
4日午前の民主党両院議員総会では、鳩山前代表の後継をめぐり、菅直人副総理と若手の樽床伸二衆院環境委員長(50)の二人の争いとなり、有効投票420のうち菅直人291、樽床伸二129の大差で民主党第8代代表に選ばれた。菅氏の得票は7割に達する圧勝だった。
約150人の小沢グループは前夜、田中真紀子元外相や海江田万里衆院議員に代表選に出るよう促したが二人とも拒否した。グループの一部からは若手の樽床氏への投票一本化が提案されたが、これも立ち消えとなり、樽床氏の得票は129票に止まった。
菅氏は代表選投票前の挨拶で「政策調査会の復活」を挙げ、政策調査会の廃止を決めた小沢前幹事長への対決姿勢を鮮明にした。
▽投票日も先送りか
午後2時からの衆院本会議での首相指名選挙では、菅直人313、谷垣禎一116、山口那津男21、志位和夫9、福島瑞穂7、渡辺喜美5、平沼赳夫5、舛添要一1で、菅氏が新首相に選出された。
菅氏と亀井静香国民新党党首との会談で、郵政民営化改正案の早期成立を約束したため、16日で会期切れとなる今国会では日数が足りなくなり、菅政権は会期の延長と参院選投開票日を7月11日から同25日に先送りすることも検討する。(了)
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