『作兵衛さんと日本を掘る』DVDが完成しました
- 2021年 1月 28日
- 交流の広場
- 熊谷博子
『作兵衛さんと日本を掘る』は、昨年2月に全国の映画館での公開を終え、これか
ら自主上映をと思っていた矢先にコロナで、難しくなりました。この状況の中だからこそ、より多くの方に観ていただきたいと、DVDパッケージを制作しました。
感動をいただいた本編に加え、以下のものが入っています。
〇バリアフリー版
目や耳の不自由な方のために、音声ガイドと字幕をつけ、選択できます。
市販のDVDにバリアフリー版がついているのは、まだ2割です。今回は、当事者の方
たちにモニターをお願いし、意見を聞きながらともに作業を進めました。
〇特典映像(112分)
①作兵衛事務所所蔵の原画約20点を収録。書き込まれた字も含め、全体から細部に
いたるまで原画とじっくり向き合えます。原画の美しさにドキドキするとともに、当時の過酷な労働と今を、改めて思います。
②本編にはいりきらなかった、貴重な証言。
・橋上カヤノさん(元おんな坑夫)
初めて坑内に入った時のこと。そして夫は戦争にとられ、たくさんの子どもを抱
え、高い金を稼ぐために、 “穴の穴”にまで入って働いたこと。そして、言葉はわか
らなかったが、朝鮮人坑夫たちに優しくしてもらった、とも。
・菊畑茂久馬さん(前衛画家)
世界的な評価を得た20代の終わりに作兵衛さんの絵と出会い、それから20年間、自
分の絵を描けなくなってしまった、その細かい経緯。茂久馬さんの喋りは圧巻で、生きること、働くことと表現することの本質と、真摯さをつきつけらます。
・渡辺為雄さん(元常磐炭田・炭坑夫)
自宅の敷地内に、自分で線路とトロッコを作り、動かして見せるときの得意そうな顔。
カヤノさんは、撮影中に105歳で亡くなり、茂久馬さんと為雄さんも、昨年相次い
で亡くなりました。
こういう方たちの証言を残してておいてよかった、とつくづく思います。
〇解説ブックレット(8ページ)封入
大変充実したものになりました。価格4,500円(税抜)。
アマゾンや映画の公式サイトhttps://www.sakubeisan.com/から購入できます。
今年は、東日本大震災と原発事故、筑豊の元炭坑夫、山本作兵衛の残したものが
ユネスコ「世界の記憶」に登録されてから10年目。《炭鉱を知ると、日本が見えてく
る》と改めて感じます。この作品から、今を生き抜くパワーをもらえると信じています。
熊谷博子
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