明治以降の「戦争」への再照明 文化センター・アリランがオンラインで連続講座
- 2021年 6月 23日
- 催し物案内
- オンライン講座リベラル21戦争日本
日本と韓国・朝鮮との友好関係、日本人と在日との豊かな共生社会を作り出すための活動を続けている特定非営利法人の文化センター・アリラン(東京都新宿区大久保)が以下のような趣旨で「明治以降の『戦争』への再照明――『15戦争』史観を超えて」と題するオンライン連続講座(全9回)を開催します。
「近年、戦時中日本の強制労働をめぐる戦後補償に再び注目が集まっていますが、はっきりとしてきたのは、日本政府・企業の中国と韓国に対する姿勢の違いです。例えば、三菱マテリアルは、2015年に強制労働させた米国人戦争捕虜・中国人に謝罪と補償を行う意向を明らかにしましたが、強制徴用された朝鮮人については、「法的に状況が違う」と謝罪と賠償を無視しました。
この差は外交上の友好の度合いに基づくものとはいえません。そこには、戦争と植民地支配に対する歴史認識と責任をめぐる落差が存在しています。日本で「戦争責任」というときの「戦争」は、アジア・太平洋戦争か、満州事変以降の「15年戦争」にとどまり、その相手は欧米諸国や中国です。同じ強制労働でも「戦争相手」の米国人・中国人と植民地支配下の朝鮮人とは違うといわんばかりの差が横たわっているようにみえます。
そもそも「戦争責任」が指す「戦争」はなぜ「15年戦争」なのでしょうか。近代日本の「戦争」は、明治以降継続してアジアで行われ、とくに日清戦争以降を「50年戦争」、台湾出兵以降を「70年戦争」と呼ぶ歴史観もあります。また、そのなかで植民地征服・防衛においておびただしい軍事暴力が繰り返され、世界史ではそれを「植民地戦争」と呼ぶ見方も定着してきています。にもかかわらず、近代日本史においてはそのような「戦争」観がなぜかなかなか定着しません。それはなぜなのでしょうか。
今回の講座は、明治以降の日本の「戦争」への再照明をテーマに、国家同士の戦争だけではなく、東学農民戦争、義和団戦争、シベリアでの革命干渉戦争などにも目を向け、近代日本の「戦争」を多角的に再検討したいと思います」
▽第1回 6月26日(土)
明治大学教員・山田朗「近代日本の戦争とは何か:対外膨張戦略の系譜」
▽第2回 7月24日(土)
駒澤大学教員・浅田進史「植民地戦争としての義和団戦争」
▽第3回 9月11日(土)
法政大学教員・愼 蒼宇「植民地朝鮮における『戦時』とその実態-義兵戦争・シベリア戦争・三一運動から-」
▽第4回 10月2日(土)
北海道大学教員・北村嘉恵「戦争の記憶と記録 ―台湾先住民族の近代史から」
▽第5回 11月20日(土)
愛媛大学教員・中川未来「東学農民戦争はいかに報道されたのか—地域社会における朝鮮観の形成と展開」
▽第6回 12月18日(土)
福島大学教員・伊藤俊介「明治以降の日本と朝鮮-日清戦争まで」
▽第7回 2022年1月15日(土)
日本学術振興会特別研究員・洪昌極「近年の民族運動史論について考える―三・一運動史を中心に」
▽第8回 2022年2月19日(土)
文化センター・アリラン館長・宋連玉「『50年戦争』下の性暴力と性管理-日清・日露を中心に」
▽第9回 2022年3月12日(土)
アイヌ民族文化研究センター長・小川正人「『従順ナル人種』という認識-近代日本社会とアイヌ民族—」
開催時間:午後2時から4時半まで
参加費(各回) :一般1000円 学生・経済困難のある方・障害のある方600円。
全9回通し券(7200円)も用意
申込み:https://arirang.peatix.com/
問い合わせ:電話03-5272-5141 メールinfo@arirang.or.jp
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