くらしを見つめる会つーしん NO.215から 2021年6月発行
- 2021年 6月 30日
- 交流の広場
- 村山起久子
「家畜の福祉」を考える
2021年1月、吉川元農水相が収賄で起訴された。18年9月、動物福祉(AW)の向上をめざす国際機関(OIE)が採卵鶏のストレス軽減のため止まり木や巣箱などを義務づける案を出し、各国に意見を求めた。鶏卵業界は低価格多売のビジネスモデルが壊れるこの案に反対するよう吉川氏に金を渡して依頼、その意向に沿った意見書を吉川氏が提出したという事件だった。
贈収賄については「またか」というぐらいだったのだが、「家畜にも福祉を」は私には衝撃だった。どうせ食べられてしまうのに福祉なの?という思いがあったからだ。薬漬けや密飼いをやめるべきだ、とは思っていた。しかし、家畜に巣箱や止まり木の設置という生態に沿った飼い方をすべきだとは考えていなかった。あらゆる生き物を人間都合で利用することを受け入れてきたのだと思う。この後、鶏の一生やケージ飼いの実態を資料や映像で調べ、あまりの残酷さに心が痛んだ。
採卵鶏の一生は、まず傷付け合わないようにという理由で、強い痛みのあるくちばしの切断から始まる。約100日後、採卵養鶏場へ。90%以上がバタリーケージ飼育だ。上下前後左右の六面が金網で下面は卵が転がるように傾いていて、水飲みと餌の器具以外何もない狭い不安定な場所で1~2年ひたすら卵を産み続ける。産卵率が落ちると、かごにぎゅうぎゅう詰めにされ処分場に運ばれるが、すぐには処分されずに1日以上放置されるケースが多い。(採卵鶏の廃鶏の肉は価値が低い)その間身動きできず、糞まみれで苦しみながら殺されるのを待つ。虐待で始まり虐待で終わる、といっても過言ではない。
EUでは2012年にバタリーゲージが禁止された。(ケージ内に巣箱などを設置した改良型ケージは容認)。卵には<放し飼い><平飼い><ケージ飼い>などと飼育法の表示がある。ケージに閉じ込めない(放し飼いや平飼い)割合はスイス、ルクセンブルグで100%、オーストリア99%、ドイツ94%などとなっている。法律で禁止されていない改良型ケージだが「ケージ卵は買わない」という消費行動によりどんどん減ってきている。法制化による禁止や表示義務化も大事だが、消費行動が飼育方法の改善を導いているのは素晴らしい。今後政治が変わろうと生活文化として定着し後退はしないのではないだろうか。さて、日本の私は何から手をつけたらいいのだろうか思案している。(百姓のマー君)
♪こんな本いかが?
こわいほどよくわかる「新型コロナとワクチンのひみつ」近藤誠著 ビジネス社
新型コロナとはどのようなウイルスかという基本から、ワクチンがどのように身体に作用するのか、わかりやすく解説。過去の感染症について、スペイン風邪による大量死の原因は鎮痛解熱剤アスピリン(投与された若者・軍人の死者が異常に多く投与を止めたら収束したが、ウイルスの権威は薬の影響を認めていない)。インフルエンザワクチン接種後の死者も、日本はじめ各国で報告されているが、接種後5分後に亡くなった人さえ、因果関係は認められていない。どのワクチンも、自己免疫疾患が生じる場合は交差免疫が働いてリンパ球が自己の(正常な)細胞を攻撃している。遺伝子ワクチン(新型コロナも)は、自然に感染した場合と違って、身体のあらゆる(臓器・組織の)細胞にウイルス遺伝子が入り込み、自己免疫疾患(脳神経・心筋・腎臓)が生じる可能性がある。ファイザーワクチン試験の論文の6割は自社の人が書いたといい、効果も疑問。新型コロナの重症化因子として、降圧剤、ステロイド、鎮痛剤など薬の影響も大きい。薬を飲まず、免疫力でなく、抵抗力をつけて!と著者。まだ実験段階と言えるワクチン。疑問を呈する本著の一読を勧めたい。
〈編集後記〉
世界中が「ワクチンさえ行き渡れば、パンデミックは収束する」という方向に流れていて、ワクチンの安全性について問題ではないかという声はかき消されがちです。通常なら5年かかると言われるワクチンを1年も経ず承認し、数年先の副作用もわからないまま世界中の何億という人に接種するということに恐ろしさを感じます。5月末時点、日本でワクチン接種後に亡くなった人は85人が報告されていて、接種した人の約0.01%。認めたら大変なことになるので、おそらく因果関係は今後も認められないでしょう。10万人に1人でも、家族や自分なら100%。
短期の死だけでなく今後、免疫機能に異常をきたすなどして、重病になる可能性もあります。ワクチンを接種しないと!という報道があちこちでされていて、医療・介護従事者の他、所属する会社や団体、家族の状況によって「接種したくない」と言い出せず、接種せざるを得ない人も多いかもしれません。接種は選択の自由と言いながら、日本のみならず世界中で「圧」がかかっている今、とりわけ、ワクチンのデメリット情報の透明化と公平性、個々の選択の自由を守るという原則を確認し、分断が生まれないようにと願います。 (きくこ)
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