被爆76周年を迎える広島・長崎 ー コロナ禍で今夏も催しは規模縮小かオンライン
- 2021年 7月 29日
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今年も「広島原爆の日」(8月6日)、「長崎原爆の日」(8月9日)が近づいた。今年は広島、長崎 両市とも被爆から76年にあたり、両市をはじめ平和団体や市民団体が恒例の催しを計画しているが、新型コロナウイルスの感染拡大が止まらないどころか、「第5波」の渦中にあるところから、大半の催しは昨年と同様に大衆集会をやめ、規模を縮小したり、オンラインのみ、あるいは対面・オンライン併用での開催を予定している。
広島・長崎の式典は規模縮小
恒例の広島市主催の平和記念式典は6日午前8時から、いつもの平和記念公園内に特設される式典会場で行われる。この式典について、同市は「昨年に引き続き、今年も新型コロナウイルス感染症拡大防止策を十分に行った上で、開催します。これに伴い、人と人との距離を確保するため、2メートルの十分な間隔をとって椅子を配置することから、一般席等は設けませんので、招待された方以外の方は参加できません」「会場周辺の密集状態を避けるため、午前5時から午前9時までの間、平和記念公園内への入場規制を行います。午前7時までは国立広島原爆死没者追悼平和祈念館側からの一方通行で慰霊碑への参拝は可能です」としている。
昨年は、式典会場内の参列者席は例年の1割以下の880席だった。今年もそのくらいになるということか。一昨年までは毎年、平和記念式典には広島市民や全国各地からやって来た人たちなど約5万人がつめかけた。それを思うと、コロナ禍の下での式典はなんとも寂しい風景である。市民の間では「いつまでこんな形の平和記念式典が続くのか」と嘆く声が聞かれる。
今年の平和記念式典への参加を希望していたグテーレス国連事務総長も、参加を断念したと伝えられた。コロナ禍を懸念したものと思われる。
一方、長崎市は8月9日午前10時45分から平和公園で、恒例の平和祈念式典を行うが、こちらも昨年と同様に規模を縮小する。これについて、同市は「新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、国のイベント開催制限に基づき、今年の平和祈念式典は昨年に引き続き、規模を縮小して開催します。座席の間隔を十分に確保するため、およそ2メートル空けることから、500席程度となります。そのため、参列者の数を制限する必要がありますので、被爆者の皆様については、代表の方々に参列していただきます。遺族や一般の皆様の自由参列はできません」としている。
「核兵器のない平和で公正な世界」を目指す原水協の世界大会
原水爆禁止日本協議会(原水協)は「原水爆禁止2021年世界大会」を開くが、今年もオンラインによる開催だ。今年の世界大会のテーマは「被爆者とともに、核兵器のない平和で公正な世界を―人類と地球の未来のために」。
日程は国際会議が8月2日(月)午前10時~午後0時半、ヒロシマデー集会が6日(金) 午前10時~午後0時半、ナガサキデー集会が9日(月) 午前10時~午後0時半。原水協は「コロナのパンデミックが今なお続くなかで、オンラインの条件を活かして核兵器廃絶の流れをリードする市民社会の運動と国際政治をリードする国連や加盟各国のリーダーを招いて核兵器のない世界を実現する知恵と経験の豊かな交流を実現します」としている。
大会では、核保有国に対し核兵器廃絶と核兵器禁止条約への参加を迫る宣言が採択される見込みだ。
原水禁は核兵器廃絶と脱原発を要求
一方、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)は「被爆76周年原水爆禁止世界大会」を開催する。原水禁は1970年から「核と人類は共存できない」をスローガンに掲げ、核兵器廃絶ばかりでなく脱原発も目指す運動を展開しているが、今年の世界大会の基調もこれに沿ったものになりそうだ。
日程は、7月31日(土)福島大会、8月5日(木)~6日(金)広島大会、8月6日国際シンポジウム=広島、8月8日(日)~9日(月)長崎大会。これらを対面・オンライン併用で行うが、対面の場合は、参加者数を従来の4分の1以下とし、事前申込み制とする。
生協もオンライン
日本生活協同組合連合会は、これまで毎年、この時期に広島市と長崎市に全国の生協組合員を集めて、被爆体験の継承や核兵器のない世界への思いを共有する場である「ピースアクションinヒロシマ・ナガサキ」を開催してきたが、昨年はコロナ禍のためこれをオンライン方式で行った。今年もそのやり方を踏襲する。日程は、ヒロシマが8月4日(水)~8月5日(木)、ナガサキが8月7日(土)~8月8日(日)と決まった。
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