SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】453 リビアから南アまで、国連ボスは何を企む?
- 2021年 11月 28日
- 評論・紹介・意見
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「立候補の受け付けは先週から始まり、カダフィ大佐の次男のセイフ・イスラム氏が
14日、南部セブハの選挙管理委員会を訪れて大統領選挙への立候補を届け出ました」と、2021年11月15日にNHKが流し、数種のメディアも「カダフィの次男」と報じました。
が、「次男」ではありません、「3男」です。
リビア初の大統領と議会選挙は2021年12月24日に、予定されています。
① リビア大統領選の国連事務総長特使が突然の辞任:
11月15日、国連定例記者会見で記者の一人が「リビアの大統領選挙に故カダフィの息子が出馬声明を出したが、事務総長の見解は?」と、質問した。国連事務総長報道官は、「選挙の立候補者に関しては、選挙管理委員会の管轄だ」と答えた。
11月23日の国連定例記者会見でステファン報道官は、「今朝はなによりも、私のボス(国連事務総長)の爆弾行動を報告する。ボスは昨夜、コロンビアに着いたゾ!空港で待ち受けていた記者団に、このコロンビア訪問は世界の人々にとって、平和の象徴となると、語った」と、宣伝した。しかし、国連ボスの期待に反して、この日の記者会見はリビア国連事務総長特使ヤン・クビスの突然の辞任に集中した。まずアルジャジーラTVのジェイムス・ベイス記者が、「あと1カ月と一日に迫った中でのクビス事務総長特使の辞任に、総長は驚いたのでは?彼は国連平和作業の要では?」と口を切った。報道官は「これまで伝えてきたように、現地では非常に大きな国連派遣団が、リビアの人々と選挙を支援するため活動を続けている。我々の作業は粛々と進行している」と、焦点を外した。記者は「事務総長は驚いたのか?クビス氏は辞任状の中で、その理由を明かしているのか?」と突っ込んだ。報道官は、「私は、ちょっと違うと思う、、クビス氏は、今日、ドアを閉めたんじゃない(辞任したんじゃない)」と、答えた。記者は、「つまり、彼は明日にでも、安保理で表明するのだね?」と、質した。報道官は、「そうだ。何がどうあれ、誰よりも彼自身がこの派遣団の崩壊を懸念している」と、返した。記者が、「と言うことは、彼は選挙まで職に就いているのだね?」と、質した。報道官は、「我々は、みんな、役目が終わるまではその責を離れない、、クビス氏は派遣団を放り出したりしない、、と、私は言いたい」と、逃げた。 別の記者が、「彼の代わりがくるまで、彼は席にあるということだね?」と、念を押した。「そんな事、言ってない」と、報道官。 「彼の辞任は?」と、別の別の記者。「こういう状況の中で、私が言えるのは、クビス氏と共に、スムースに迅速に作業を移行させていくということだ」と、報道官。 「つまり、彼はまだ職にあるのだ?」と、別の別の別の記者。「彼は、今日のところ、現職についている」と、報道官。 「彼はここ(国連)にいるのか?」と、また、別の別の別の別の記者。「ここにいるとは思わない」と、報道官。 「彼がどこにいるのか、我々に教えてくれ!と、スクリーン越しの記者。「彼の拠点はジュネーブじゃない、、彼が、今どこにいて息をしているのか、見つけ出すよ、、」と、報道官は逃げた。 が、記者たちは逃がさなかった。「辞任に関して、クビス氏と事務総長は対立したのか?」と、記者。「そんなことはない!ない!!ない!!!」と、報道官。「何故、辞任するのか?理由はなんだ?」と、記者。「それは、大変、、私は、(質問を)はねのけるつもりはないが、、彼自身に聞く質問だと思う、、」と、報道官。「結局、事務総長は驚かなかった?」記者。「全く驚くべきことではないと、私は言った」と、報道官。
「私はびっくりした。あんたはそうでない、、ということは、あんたはもっと知っているんだね?」と、再びベイス記者がマイクを取った。
「正直なところ、だれかにとってビックリだったかもしれないが、ボスにとってビックリだったかどうか、しらない」と報道官。 「大部分の質問に対して私の前にいる人(報道官)は、聞く耳持たずだ、、我々は辞任の理由を知りたいのだ」と、ベイス記者は重ねて重ねて、報道官に迫った。
② ヤン・クビス氏が国連安保理でテレワーク証言:
11月24日、国連副報道官が定例記者会見で安保理の結果を次のように発表した。
「ヤン・クビス・リビア特使が、トリポリからビデオで12月24日の選挙に向けた経過報告をした。彼は、大統領候補者のリストが、今日(11月23日)の遅くに発表される予定だと言った。彼は、リビアの政治情勢は非常に分断されていると、警告を発した。クビスは全ての大統領選挙挑戦者たちに、現存する法の秩序を尊重し、法の裁定に従うようにと呼びかけた。彼は、外国人兵士や武器が残存しているが、停戦は守られていると語った。
クビス氏は安保理で、リビアにあるUNSMI (国連リビア指導本部)を、早急にトリポリへ戻す必要があると、語った。そして彼は、既に表明しているように、特使と派遣団長とUNSMIL代表を辞任すると語った。彼は辞任の意向を事務総長に、2021年11月17日、伝えたと、言及した。事務総長は昨日の11月23日に、彼の辞任を12月10日付けで受領した」
つまり、記者団が11月23日、国連ボス報道官にクビス氏の辞任を質問した時、うやむやの知らぬ存ぜぬで「来週またね」と報道官が報道室を後にした時には、何もかも決まっていたのだ、、報道官は何もかも知っていた!記者たちは、国連ボスとその子分にオチョくられた。
アルジャジーラTVのベイス記者が、「安保理の会議でクビス氏は、選挙が終って移行の期間が終了するまで職に留まる意向だと、表明したそうだが、事務総長はどうして彼の提案を拒否したのか?彼が12月10日に辞任した後、選挙まで僅か2週間しかない」と、聞いた。「知っての通り、クビス氏は、作業が滞らないよう協力すると、安保理に語った。我々は注視している」と、答えた。 ベイス記者が、「事務総長は、クビス氏のリビア大統領選挙準備を信頼していたのか?」と、鎌をかけた。「勿論、全面信頼していた」と、副報道官。
フィリップ記者が、「理解に苦しむよ、、何故、事務総長は辞任受諾の決定に1週間もかかるんだ?辞任要求書が出されたのは、17日だぜ?!」と、問い質した。ファルハン副報道官は、「ご存知のように、やることが一杯あるんだ、、」と、答えた。
③ ヨーロッパで暴れる旧コロナ、南アフリカなどで発生した新コロナ:
11月24日、国連傘下にあるWHOのテドロス事務局長が、「ヨーロッパは再び感染の震源地となっている、、ワクチンがパンデミックを終わらせ、ワクチンを接種した人は、ほかの予防策を取らなくてよいというのは誤った安心感、、ワクチンは感染を完全に防ぐものではない、、マスクの着用など基本的な予防策を怠ってはならない」と、警告した。
AFPフランス通信社が、11月22日、カステックス・フランス首相(56)がベルギーから帰国した後、コロナ感染が判明したと、伝えた。訪問先のベルギーでは接触したドゥクロー首相と4人の閣僚が、自主隔離の処置を取った。
11月24日には、ロイターなど複数のメデイアが、スロバキア、チェコ、オランダ、ハンガリーなどで。新型コロナウイルス新規感染者の過去最多を更新したと発表した。スロバキアではパンデミック発生以来初めて、1日あたりの新規感染者数が1万人を突破。同国政府は、感染対策として2週間のロックダウン(都市封鎖)を実施すると発表した。オーストリアではすでにロックダウンが導入されている。来年2月1日からは全国民にワクチン接種を義務付け、違反者は罰金や収監が課される。チェコでは新規感染者が初めて2万5000人を突破。11月25日、3回接種のゼマン・チェコ大統領(77)がコロナに感染し入院した。オランダの新規感染者が2万3700人を超え、ハンガリーの新規感染者は1万2637人を数えた。フランスは25日に新たなコロナ対策を発表し、イタリアは、12月6日に導入される新規制で、映画館、レストラン、スポーツイベントへのワクチン未接種者のアクセスを禁止する。
イギリスでの新規コロナ感染者数は一日で4万人を超え、11月25日までの累計感染者数は1002万1497人。イギリスの全人口は約6700万人で1/6が感染したことになる。一方、医療関係者の1/10がコロナを受け付けなかった理由を研究したレオ・スワドリング博士の英国研究チームが、<感染しない人>を研究素材にして、新ワクチンの開発を進めているそうだ。:
ワクチン業者たちが3回目のワクチン接種で三儲けを企んでいる中、WHOが11月25日、アフリカ最南端の南アフリカで最新変異型コロナウィルスの申請があったことを捉え、<オミクロン>と名づけ、<懸念される変異株>として警告を発した。
欧米各国は自国のコロナ新規感染者数増大から眼をそらさせるため、南アフリカ発生の<オミクロン>に目を付けた。イギリス、オーストラリア、アメリカ、、そして日本まで、南アフリカからの渡航と南アフリカへの渡航を禁じ、南アフリカ航空機のフライトまでストプさせた。「南アフリカ経済活動に対する差別だ!」と、南アフリカ政府は怒った。
リビアを混乱させ、南アフリカの経済を麻痺させようとする、国連ボスが操る欧米とイスラエルの企みとは、何なんでしょうね??
教えてください、、
アルジェリアのチンドウフ空港に降り立ったナルデイ南アフリカ外務大臣
(中央)とエスコートするベイサット西サハラ南アフリカ大使(右)、
サレク西サハラ外務大臣、飛行禁止直前のフライト
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2021年11月28日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion11528:211128〕
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