【報告】「熊谷知事さーん! 幕張メッセを武器見本市に貸し出さないで」千葉県庁昼休みアクション
- 2021年 12月 10日
- 評論・紹介・意見
- 杉原浩司武器取引反対ネットワーク:NAJAT
12月7日、「熊谷知事さーん! 幕張メッセを武器見本市に貸し出さないで」千
葉県庁昼休みアクションに51人が参加しました。
来年2022年1月26~28日、千葉県有の施設である幕張メッセで、総合武器見本
市「DSEI Japan」の2回目の開催が予定されていましたが、新型コロナ「オミ
クロン株」の影響により、延期が公表されました。
DSEI JAPAN 延期について
https://bit.ly/3Gi9rTQ
今まで反対運動を続けてきた「安保関連法に反対するママの会@ちば」「幕張
メッセでの武器見本市に反対する会」は、延期ではなく中止を求めて、熊谷俊
人千葉県知事に訴えるアクションを予定通り行いました。
千葉県庁ビルの目の前の「羽衣橋」に集まった参加者は、県庁ビルの6階にあ
る知事室に向けてコールやスピーチを行い、「幕張メッセを武器見本市に貸し
出さないで!」と書いたイラスト付きのピンクのプラカードをつなぐ形で、ヒ
ューマンチェーン(人間の鎖)を作りました。
同時に、昼ご飯に出かける県職員に、チラシを配りアピールしました。武器見
本市に自治体施設を貸しているのは千葉県だけ。ぜひ、自分事として考えてほ
しいからです。
「戦争という手段によらずに紛争を解決する道を追求するものである」。県議
会が1994年10月に決議した「非核平和千葉県宣言」には非軍事の理念が明記さ
れています。先日行った県との交渉において、「宣言と武器見本市に県有施設
を貸し出す事は両立するのか?」との市民の問いかけに、千葉県の担当者は答
えられませんでした。
https://www.pref.chiba.lg.jp/seisaku/sonohoka/heiwa.html
県民の声を聞くことを信条とする熊谷知事は、今度こそ、県民・市民の声に真
摯に耳を傾け、貸し出し中止を決断すべきです。
以下、スピーチのダイジェストです。ぜひご一読ください。
◆金光理恵さん(ママの会@ちば)
「幕張メッセを武器見本市に貸し出すと、施設使用料として約2500万円が千葉
県に入るという。そんなお金はいらない。千葉県は貸し出しを拒否して裁判に
なるのを恐れているようだが、訴えられたら全力で熊谷知事を応援する」
◆加藤英雄県議(共産)が、みわ由子県議(同)と共に、
「武器見本市は憲法の平和理念と相容れない。武器使用の奨励につながる。産
業振興、文化の発展、国際化に資するのが設置目的の県条例に反し、”戦争に
よらずに紛争解決する道を追求する”という非核平和千葉県宣言に違反する」
◆伊藤とし子県議(市民ネット)
「2019年6月の武器見本市MAST Asiaでは、千葉市議が首に下げた通行証を向こ
うの職員にもぎ取られる事まであった。悪名高い”死の商人”がいくつも入って
いる。ロッキード・マーチン、レイセオン、BAEシステムズはイエメンを無差
別空爆するサウジアラビアに武器を輸出。幕張メッセは平和のために使うべき」
◆小林文子さん(ママの会@ちば)
「”誰の子どもも殺させない”の合言葉で戦争につながる全てに声を上げたい。
武器見本市は戦争の道具を売買し経済を回すもの。そんなことで潤いたくない。
千葉から戦争が始まるのは許せない。みんなが声を上げれば止まる。知事は声
を聴いて!」
◆西村美幸さん(ママの会@ちば)
「戦争は物的、法的、人的基盤で成り立つとされる。物的基盤の一つが兵器で
あり、兵器の輸出を可能にする法整備も進んできた。幕張メッセに最新鋭の兵
器が展示され、一度に簡単に殺せるとセールスされている。私たちが暮らす地
域で武器売買をさせてはならない」
◆丸山慎一前県議
「武器は人の命を奪うために作られ、奪われた命は戻らない。千葉県は貸し出
しを拒否できない理由に地方自治法を挙げるが、その244条には、公の施設は
住民の福祉の増進が目的と書いてある。武器見本市への貸し出しは当てはまら
ない」
◆笠原眞弓さん(レイバーネット)
「県の施設なのに、県民の承諾なく武器見本市をするのはおかしい。人を殺す
ための道具である武器を、県の建物で展示し、実際に商談も行っている。なぜ
貸し出すのか、その事を県民みんなで考えたい。みんなで声を上げれば県はや
めるはずだ」
◆しょうこさん(船橋市民)
「コロナは大変なものだが、戦争は人類が起こすもの。人類は戦争するために
生まれてきたのではない。そろそろ戦争をなくすために力を合わせる時だ。千
葉県人として、県が武器見本市に貸し出す行為を許せない。多くの人にSNSな
どで伝えてほしい」
◆杉原浩司(NAJAT)
「2020年、コロナ禍で世界経済は前年比で3%縮小したのに、軍需企業大手100
社は1.3%利益を増やした。軍事費GDP比2%に向けて軍拡する日本は”死の商人”
にとって格好の市場。5月のイスラエル軍によるガザ空爆で67人の子どもが殺
され、生き延びた子の9割超がトラウマに苦しんでいる。熊谷知事は貸し出し
中止の決断を」
◆谷口初江さん(ママの会@ちば)
「日本には憲法9条があり、世界平和を希求しているのに、武器の拡散に加担
する見本市が幕張メッセで行われる事に憤りを感じる。戦争を喜ぶ軍需企業が
儲かる仕組みを変えていかなければいけない。ここ千葉県から武器見本市とい
う武器の拡散を止めたい」
◆さいとう和子元衆院議員
「日本が戦争をしに行くような準備が着々と進められていると危機感を強めて
きた。その象徴が、世界の武器商人が集まり県有施設で武器売買を行うこと。
補正予算案に7000億円もの武器購入費が組み込まれた。コロナで食べられない
人がいるのに、税金で武器を買うのは許せない」
◆こんさん(反対する会)
「県立高で地理を教えていた。公務員は憲法を遵守すると宣誓して採用された。
県庁の皆さんが憲法に反する武器売買を幕張メッセで許す事が信じられない。
交渉で県の担当者は他人事のようだった。怒りを持って、武器見本市を許さな
いとの思いを共有してほしい」
◆寺尾さとし前県議
「2018年に川崎市営のとどろきアリーナでイスラエルの「テロ・サイバー対策」
装備品の見本市が開かれた時、会場に銃や弾薬のカタログが置かれただけで、
市職員が撤去に走った。千葉県が何のためらいもなく、武器見本市に幕張メッ
セを貸し続けるのは本当におかしなことだ」
※奥の県庁ビルに記者クラブが入っているのに、一人も地元メディアの取材は
ありませんでした(しんぶん赤旗に掲載)。熊谷知事もひどいですが、メディ
アの感度の鈍さもかなりのものです。2018年、川崎市営施設でのイスラエルの
軍事見本市の際は、神奈川新聞が熱心に取材され、ソフトバンクのドタキャン
につながりました。今後の奮起を望みます。
「ママの会@ちば」の報告はこちらから
https://facebook.com/1618531891750379/posts/3118642931739260/
【フル動画】(撮影 KENさん)
https://www.youtube.com/watch?v=bAr9NspQqz0&feature=youtu.be
↑杉原は 37分40秒~43分50秒
※軍需企業の利益総額の伸びを「3%」と言っていますが正しくは「1.3%」です。
世界の軍事大手、コロナ禍でも業績伸ばす 政府が支援(12月6日、AFP)
https://www.afpbb.com/articles/-/3379413
ガザの子 心に深い傷 軍事衝突半年…隣家に爆撃 母「人格変わった」
(11月29日、読売)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20211129-OYT1T50036/
<前回2019年の武器展示>
幕張メッセでの日本初の総合武器見本市「DSEI JAPAN」の危険な実態!
https://togetter.com/li/1434027
〔opinion11557:211210〕
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