本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(338)
- 2021年 12月 17日
- 評論・紹介・意見
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奪い合いから分かち合いへの大転換
西暦1200年から2000年までの「西洋の時代」においては、最初に、「資源や領土」などの「目に見える物質」に始まり、最終局面では「究極の物質」とも言える「お金(マネー)」の奪い合いが行われてきたものと考えている。そして、「人爵」である「地位や名誉」については、「お金を持っている人が、最も重要な位置を占める人」という認識が広がったものと思われるが、今後の展開としては、「お金の価値」の急速な減少により、「天爵」という「精神的な高貴さ」を求める人が増え始めるものと感じている。
別の言葉では、「文明法則史学」が教える「東西文明の大転換」であり、実際には、「奪い合い」が根本理念である「西洋文明」から、「分かち合い」が重要視される「東洋文明」への移行である。そして、この要因としては、現代人が追い求めてきた「お金(マネー)」に関して、間もなく、劇的な大変化が発生する状況が想定されるが、実際には、「浦島太郎の玉手箱」のように、現代の「デジタル通貨」が、ほぼ瞬間的に雲散霧消する可能性である。
つまり、現在の「目に見えないデジタル通貨」が「目に見える紙幣」に交換され、この時に、世界中の人々が、「お金の本質」に気付く事態のことであり、より具体的には、「お金は発散過程に入るまで、大膨張を続ける性質が存在する」というものである。そして、この時に重要な意味を持つのが、「お金が、どのような商品と交換可能なのか?」ということであり、今までは、「デリバティブなどの金融商品とデジタル通貨が交換されることにより、交換価値の問題が無視されてきた状況」だったのである。
しかし、現在では、「お金を持っていても、交換できる商品が少なくなってきた状況」、すなわち、「実物資産を買おうと思っても、天候異変などによりさまざまな供給制約が発生している事態」とも言えるのである。つまり、「1971年のニクソンショック」から始まった、私が提唱する「信用本位制の時代」が終焉の時を迎え、「お金が、本来の性質を取り戻そうとしている段階」とも考えられるのである。
別の言葉では、「この世には、お金で買えないものがある」という厳然たる事実に気付かされた人々が、急速に、「お金の謎」だけではなく、「心の問題」を追求し始めた状況のようにも感じている。つまり、「分かち合いの時代」の始まりであり、実際には、「物質を保有することにより生まれる満足感」ではなく、「精神的な成長が実感できる満足感」、あるいは、「人々から喜ばれる充実感」などを求める人々が増える状況のことでもあるが、現在、世界の流れは、着実に、この方向に向かい始めているようにも感じている。(2021.11.12)
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物理学の「四つの力」
物理学では「四つの力」が存在すると言われているが、実際には、「ニュートンが発見した重力」であり、また、「電磁気の力」のことだが、残りの「強い力」と「弱い力」に関しては、「法界(ほっかい)」と「大自然界」、そして、「人間社会」に関連した「力」のようにも感じている。つまり、「素粒子の統一理論」によると、「宇宙の進化」に連れて、最初に、「重力」と「大統一力」に分かれ、その後に、「大統一力」が「電弱力」と「強い力」に分かれたと言われているのである。
そして、最後の段階で、「電弱力」が「弱い力」と「電磁気力」に分かれたと言われているが、このことを、私が想定する「宇宙の発生メカニズム」や「世界の始まり」と比較することにより、「見える世界と見えない世界の間で、どのような力が働いているのか?」が理解できるようにも思われるのである。つまり、「重力」や「電磁気力」については、当然のことながら、「目に見える物質」に関する「相互の影響力」を表したものと言えるようだが、一方で、「強い力」や「弱い力」というのは、「法界に存在する神や天などと言われる存在」、あるいは、「浄土などに存在すると信じられている多くの霊的な存在」が関係しているようにも思われるのである。
別の言葉では、「仏教が教えるインドラの網」、あるいは、「真言密教の三密加持」などのように、「法界」と「人間社会(現実世界)」に関して、「何らかの相互作用」が存在する可能性のことである。つまり、「人間の良心」については、「想像以上の力が働いている可能性」があり、実際には、このことが、「弱い力」や「強い力」などの正体のようにも思われるとともに、将来的に、科学の力で実証されるものと考えている。
そして、このような考察から理解できること、現代の「科学」を信奉しすぎた人類が、「世界的な異常気象」に直面している事実であり、この結果として、将来的には、「人類そのものが、かつての恐竜のように、地球上に存在を許されなくなる可能性」も存在するのである。つまり、現在、人類に必要とされることは、「地球環境の悪化は、人類の行動に原因がある」という事実を直視しながら、「どのようにして、この問題を解決するのか?」を、歴史的、かつ、多面的に考察するだと感じている。
別の言葉では、「富と神とが、人々の行動に、どのような影響を与えてきたのか?」に関して、過去数千年間の事実を研究することでもあるが、やはり、この時に必要とされることは、「文明法則史学」の理解だと感じている。(2021.11.13)
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何でもバブル化」が意味するもの
現在、海外では、「恐竜の化石が約8億円」、あるいは、「バンクシーの絵画が約25億円」というように、「何でもバブル化」とでも呼ぶべき現象が発生しているものと理解されている。そして、この理由としては、ピーク時に「約8京円」にまで大膨張した「デリバティブ」が縮小する過程で引き起こした「金融のメルトダウン」が指摘できるものと考えている。つまり、「デリバティブを頂点とする金融の逆ピラミッド」において、次に位置する「債券」が、最初にバブルの状態となり、結果としては、「世界的なマイナス金利状態を産み出した」ものと理解できるのである。
そして、次には、「預金」に位置する部分がバブルの状態となり、この結果として、「仮想通貨」や「DX革命と言われる株式」などのバブルを発生させたものと想定されるが、現在では、「預金の源泉」とも言える「貴金属」へと、「メルトダウン」が進展し始めているのである。つまり、いろいろな「実物商品」に対して、「何でもバブル化」の動きが発生し始めている段階とも思われるが、この時の注意点は、前述の「債券」や「デリバティブ」が、すでに、「バブル崩壊」の段階に差し掛かっている状況である。
より詳しく申し上げると、「金利とインフレ率との関係性」において、現在、きわめて大きな矛盾が発生しており、実際には、「デジタル通貨」を基準とする「マネー経済」では、「超低金利状態」が維持されているものの、「紙幣」が大きな意味を持つ「実体経済」おいては、「米国CPIの6.2%」というように、「ギャロッピング・インフレ」が発生している状態とも理解できるからである。
別の言葉では、「デジタル通貨の急速な目減りが発生している可能性」とも想定されるが、実際には、「投資」や「生活」において、「お金を持っていても、以前とは違い、簡単に物が買えなくなる状況」が、頻繁に発生し始めているのである。つまり、現在では、「供給制約」や「物価上昇」などにより、過去数年間のような「デジタル通貨が礼賛された時代」が終焉の時を迎えたものと考えられるのである。
そして、今後は、「紙幣の大量増刷」、そして、「金利の急騰」という事態に見舞われる状況も想定されるわけだが、このことは、実際のところ、「何でもバブル化」の最終局面とも考えられるのである。つまり、「人々が、一斉に、換物運動に走る」という、古典的な「ハイパーインフレ」のことであり、この時に必要とされるものは、「高価な絵画」ではなく、「口に入る食物」だと考えている。(2021.11.14)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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