風の時代
- 2022年 1月 11日
- カルチャー
- グローガー理恵藤田泉
「石の上にも三年」という諺。初めはヒヤッとお尻につめたい石の上、それでもジッと座り続けていくとやがてじっくりジワリと温もりが….。 そんな意味合いの言葉だと自分なりに解釈していますが….。
「小淵沢に住んで6年…」 雪の冷たさ、夜の静かさ、鹿や猿と出くわす機会の多さ、ご近所付き合いの無いマンション暮らし等々、始めは驚きと戸惑いのポツンとするような毎日でした。 が、それでも3年、5年と過ぎてゆくうち、じわじわと「居心地の良いホンワカさ」のようなものがゆっくりと湧き上がってくるのです。 普段細やかに作品活動を続ける自分のとって、「作品と向き合う時間」がとても大切なのは言うまでもありません。何をどのように表現し、製作~発表をどうするか? 一つの作品が出来上がるまでの一連の流れと取り組みをキチンと構想できる時間と場所。 そんな環境が、以前よりもここ小淵沢の地で広がり、深まっている気がするのです。 そして新たにこちらで戴いた作品発表の機会や人のご縁が、これまでの静岡ベースの活動に加え、大きな支えとなっていることもひしひしと肌に感じています。
… 40代の頃だったでしょうか、友人が僕に「泉君は風の性(しょう)だよね~。」と言われ、僕はよくわからず「ふーん、何それ?」と答えると、友人は「人には、火・水・土・風の四つの性(しょう)があってね…」と説明してくれたのですが、あまりよく覚えていず、ただ最後に友人が「風のしょうはいいんだよ」と言ったのだけはなぜか記憶の片隅にありました…。 が、あれからおよそ30年近く過ぎそんなことはすっかり忘れていた自分でした。 ところが、2020年の後半になって突然テレビだったかラジオだったか「これから風の時代がやって来る!!」という言葉を耳にし、ハッと友人の言ったことを思い出しました。
早速「風の時代」を調べてみると、「風の時代とは、西洋占星術による四つの元素 (火・土・風・水)で分けられた12星座のエレメントで成り立っており、およそ200年毎に変わるとの事で、丁度2021年はこれまで220年程続いた土(牡牛座・乙女座・山羊座)の時代から風(双子座・天秤座・水瓶座)の時代200年の始まりとなるのだそうです。
武力が支配していた火の時代が終わり、土の時代へと転換した18世紀末に産業革命が起こり、経済力~資本主義の時代へと移りました。 物質主義、資産形成に価値が置かれた時代、 そして行き着いたところが現代の大量生産、大量消費の世界でした。 そして2021年の「風の時代」のスタート、目に見えない風は人の心にも似ている。
「自由で柔軟性のある情報や思考、想像性、教育、伝達など」「自分らしさ」を大切にし、「お金」や「物」だけに囚われない「知の世界」の幕開け…。 西洋占星術の事はよく知らない自分だけど、もし「風の時代」が「心の時代」でもあるならば、作品による心の表現はとても大切な事では…と、改めて考えさせられた一年でした。
いよいよ本番はこれから~!!!
以上
藤田泉(ふじた・いずみ):国画会会員 作品所蔵:ロサンゼルスカウンティ美術館、中国浙江省、静岡県駿府博物館 他
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔culture1042:220111〕
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