SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】473 「俺にはモチベーションがある!」ウクライナ戦闘員
- 2022年 4月 17日
- 評論・紹介・意見
- サハラ国連平田伊都子西サハラ
「俺にはモチベーション(信念)がある!ウクライナは必ず勝つ!!」と、
ウクライナのアゾフ戦闘員たちが様々なメディアで、雄叫びを上げています。 故郷を守るというモチベーションは、パレスチナや西サハラの人々にも強くあります。
複数のメディアによると、陥落寸前のウクライナ港湾都市マリウポリの前線で防戦するのは、ウクライナ正規軍でも一般の人々でもなく<アゾフ>と呼ばれるネオナチ系ウクライナ国家親衛隊だそうです。 アゾフ・エンブレムの一つに <ハーケンクロイツ>もどきがあったり、<アゾフ>の初代リーダー・アンドレイ・ビレッキーたちが、極右思想だったことからネオナチ系国家親衛隊と仇名されています。
① 最近流行りの<アゾフ>とは?:
<アゾフ>は、<ハルキウ(地名)>サッカーファンクラブ(1982~2013)に端を発したウクライナ愛国右翼団体だ。2014年2月から4月にかけて激化した親ロシア派争乱では、反露武装集団として活躍した。マイダン革命が一段落した2014年11月11日、ウクライナ新政府はウクライナ国内軍を改編した。アゾフは創設されたウクライナ国家親衛隊の東部作戦地域司令部(本部ハルキウ)の第12特務旅団(本部マリウポリ)の中のアゾフ特殊作戦分遣隊(通称: アゾフ)となった。初代司令官はアンドレイ・ビレッキーで、アゾフ戦闘員は政府から給料や戦闘用車両や戦車などの装備も支給されており、内務大臣の指令の元、ウクライナ陸軍と共に戦闘に参加する。戦闘員たちはドンバス地域を中心とした、ウクライナ東部のロシア語を話す人たちによって構成されていた。
2014年に始まったウクライナ東部紛争を巡る和平合意はロシアとウクライナ、ドイツ、フランスの首脳が15年2月にベラルーシの首都ミンスクでまとめ、ミンスク合意と呼ばれた。が、ミンスク合意は実行されず、2022年2月21日、ロシアはウクライナ東部のドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を国家承認した。そして2月24日、ロシアのウクライナ侵攻が始まった。
ウクライナ戦争が始まってから、<アゾフ>には東部だけではなく、キーウなどウクライナ西部からも多く参加している。外国人戦闘員の募集と誘致も行なっているそうだ。デイリーテレグラフによると、ブラジル、イタリア、イギリス、フランス、米国、ギリシャ、スカンジナビア半島、スペイン、スロバキア、チェコ共和国、などの外国人戦闘員がいて、約50人のロシア国民もアゾフに参加している。
一方、OHCHR(国連人権高等弁務官事務所)が2014年から2021年までのアゾフなどによるおぞましい不祥事報告をまとめている。報告書は、アゾフが他のウクライナ武装組織と共に、残虐な暴行、略奪、レイプ等の犯罪を行っている事や、戦場だけでなく住宅街での民間人に対する暴力行為も列挙している。
日本の公安調査庁は国際テロリズム要覧2021 において、<極右過激主義者の脅威の高まりと国際的なつながり>の項目でアゾフについて言及した。(後に誤解を招く記述だったとして削除)。
② ゼレンスキー大統領閣下がドイツとフランスを叱る:
ライエンEU委員長やジョンソン英国首相など、外国要人によるウクライナ・キーウ詣でで気をよくしたゼレンスキー大統領は「世界の首脳はキーウを訪問しなければならない」とし、戦争勃発後には詣でていないマクロン・フランス大統領とシヨルツ・ドイツ首相を非難した。その一方で、シュタインマイヤー・ドイツ大統領のキーウ訪問を新露派だからと断った。
4月12日、バイデン米大統領は、「ロシアのプーチンはウクライナで<ジェノサイド>を行っている」と、プーチンを罵倒した。4月13日、バイデンのジェノサイド呼ばわりを受けて、マクロン・フランス大統領とショルツ・ドイツ首相は、<ジェノサイド>と呼ぶことや強い非難の言葉を使うことは戦争終結の助けにならないと反論した。同日、国連事務総長も<ジェノサイド>の使用を拒否した。同じく4月13日、ショルツ・ドイツ首相はドイツ大統領のキーウ訪問をウクライナが断ったことに、「腹立たしい」と不快感をあらわにした。マクロン・フランス大統領は国営テレビ、フランス2で、国の指導者は言葉に注意を払うべきだと語った。そして、ロシアの軍事侵攻や残忍な戦争行為を非難しつつ、「私は事実を見つめ、この戦争を止め、平和を取り戻すためにできる限りの努力を続けたい、、現状において<ジェノサイド>という言葉の使用には慎重であるべきだ」と、マクロン・フランス大統領は言及し、「ウクライナ人とロシア人は兄弟のようなもの」と、嬉しい言葉を発した。が、マクロン大統領の<ジェノサイド>発言拒否を非難するゼレンスキー大統領閣下に、4月14日、釈明の電話を入れなければならなかった。4月24日のフランス大統領決選投票に向け、ウクライナ戦争はマクロンにとって大事な切り札なのだ。。
4月14日、バイデン米大統領はゼレンスキー大統領閣下に電話で、ウクライナに8億ドル(約1000億円)規模の追加軍事支援を約束した。米国防総省が、「りゅう弾砲18基や砲弾4万発などを追加輸送し、ミサイル数百発や、神風ドローン(スイッチブレード無人機)、ヘリコプター11機、装甲車数百台、対人地雷、防弾チョッキ、生物化学兵器や放射性物質などから身を守る防護具などの軍需用品も供給」と発表した。アメリカの軍事支援総額は30億ドルを超える.
バイデン米大統領にとってウクライナ戦争勝利とプーチン抹殺は、11月8日の中間選挙に向けて必須の課題なのだ。彼の政敵トランプは、既に、バイデン父子のウクライナ金銭疑惑を告訴している。トランプはゼレンスキーとプーチンの司法協力を要請するそうだ、、
③ 「ウクライナ戦争の停戦は不可能」?国連事務総長記者会見:
2022年4月13日の記者会見で国連事務総長は、「ウクライナ戦争の停戦は、現段階で不可能、、だが、市民の戦争脱出を助ける手段はある」と、自らが停戦に向け働くことを、否定した。欧米も国連も口先では人道危機を憂い停戦を唱えるが、真面目に行動しない、、というその心は?ロシアが壊滅するまで戦争を煽る戦争成金?戦争共犯者なのでは??
選挙とエネルギー漁りに忙しい欧米を尻目に、エネルギー資源豊かなアルジェリアは本気でウクライナ停戦に向け稼働を始めた。戦争両当事国にラマムラ外務大臣を派遣し、4月11日にはマリオ・ドラギ・イタリア首相をアルジェリアの首都アルジェに迎え、翌12日にアルジェリア天然ガスの輸出先を、西サハラを裏切ったスペインからイタリアに切り替えた。これでアルジェリア産天然ガスは、イタリア経由でEU圏に流れていく、、13日に、仏大統領選でエネルギー政策の失敗を突かれているマクロンが、急遽、ジャン・イヴ・ル・ドリアン外務大臣をアルジェに送った。
4月11日、アルジェリアはウクライナ戦争のあおりを受け、食料難に陥っている西サハラ難民キャンプに、132トンの食料を4機の軍用機で送った。4月15日、エルサレムのアクサモスクで礼拝中のパレスチナ人を襲ったイスラエル兵を、ウクライナ人救済に没頭する国連安保理に訴えた。モロッコ占領地・西サハラで迫害されている西サハラ女性活動家たちの惨状を、国連安保理の<婦人、平和、安全>討議場に訴えた。
「アフリカ諸国は、世界の関心が白人ウクライナへの同情に集中し、ウクライナより悲惨な状況に置かれているアフリカ極貧国への援助資金を、ウクライナに回しているのでは?」と、白人中心の国連事務総長記者会見で南アフリカの黒人記者が質した。「ウクライナ戦争は我々アフリカの戦争ではない。どうして我々が巻き込まれなければならないのか?と、アフリカ諸国は言ってるよ?」と、フランスの白人記者も質問した。ポルトガル人のアントニオ・グテーレス国連事務総長は、「Silence the Guns (停戦、AUアフリカ連合の合言葉), Negotiations (交渉), Solidarity (連帯)」を繰り返した。
アルジェリア空軍基地で、西サハラ難民の緊急支援食料を積みこむアルジェリア赤新月社
「黒人の命と白人の命について、世界は本当に同じだけの関心をもっている
のか疑わしい」と、エチオピア人のテドロス・アダノムWHO事務局長は、2022年4月13日の記者会見で発言しました。 「人道危機に陥っているエチオピアのティグレ州やイエメン、アフガニスタン、シリアは、ウクライナと同等の注目を受けていない、、ウクライナに対する支援のごく一部に相当する支援しか、これらの人道危機には寄せられていない」と、訴えました。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2022年4月17日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion11954:220417〕
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