今こそ「ノーモア・ウォー ノーモア・原発」を 東京で「さようなら原発首都圏集会」
- 2022年 4月 18日
- 時代をみる
- 原発岩垂 弘
「デモ行進では、ノーモア・ウォー、ノーモア・原発と叫びましょう」。集会の司会者がそう閉会あいさつをすると、会場から拍手が巻き起こった。4月16日(土)に東京都江東区の亀戸中央公園で開かれた「福島原発事故から11年 さようなら原発首都圏集会」。2011年3月に起きた東京電力福島第1原子力発電所事故を機に毎年春に「フクシマを忘れるな」をスローガンに東京で開かれてきた「さようなら原発集会」だが、今年は集会前にロシアのウクライナ軍事侵攻が始まり、その中でロシア軍による原発占拠が行われため、集会では、ひときわ「戦争そのもの、そして、戦争に使われかねない原発そのものをなくさなくてはいけない」といった訴えが溢れた。
集会を主催したのは、「さようなら原発」一千万署名市民の会。集会はこれまで3月に開催してきたが、新型コロナウイルスの感染拡大のため、2020年は集会を中止、2021年は参加人数を制限した首都圏規模の集会とした。市民の会としては、今年も3月中に開催したかったが、3月21日まで新型コロナウイルスまん延防止等重点措置が継続されていたため、開催を重点措置解除後の4月に延期。コロナ禍がまだ終息していないため、集会は首都圏規模となった。
市民の会によると、参加者は2300人。自治労、日教組、私鉄総連、JR総連など旧総評系労組の組合員、生協組合員、護憲団体や市民団体の関係者らが集まった。
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集会では、まず、市民の会呼びかけ人の鎌田慧さん(ルポライター)が開会あいさつをしたが、その中で鎌田さんは、次のように訴えた。
「世界で悲惨なことが起きている。ウクライナで、ロシア軍が大量破壊や大虐殺をしているからだ。私たちはそれを止められない。まことに残念だ。この分だと、第2次世界大戦のような大戦になって、ホロコーストや広島・長崎のような大虐殺が起きるかもしれない」
「ロシアが核を使うかもしれない恐れも出てきた。原爆が使われるかも知れないばかりでなく、原発が核爆弾と同じ役割を果たすことになるかもしれない」
「しかるに、日本では、まるで火事場ドロボウ的な動きが出ている。安倍元首相や右派の人たちが、魚が水を得たように、ウクライナ情勢に乗じて軍備増強を唱えたり、非核3原則をやめて、核に対しては核で戦おう、なんて言い出していることだ。とんでもない発言だ」
「私たちは、戦争が全くなくなるまで、そして、原発がなくなるまで、うまずたゆまず頑張ろう」
次いで、各分野の代表が登壇したが、原子力資料情報室共同代表の伴英幸さんは「チョルノービリ原発占拠は驚愕だった。兵士たちは原発の近くに塹壕を掘ったと伝えられている。兵士たちには原発に対する知識はなかったろうから、放射線障害になったのではと心配している」と述べた。
登壇者の訴えの中には、ウクライナ情勢とからんで政府や経済界に「ロシアからエネルギーが来なくなる場合に備えて原発再稼働を急ぐべきだ」との声が出ていることを注視すべきだ、との発言もあった。
汚染水の海洋放出には反対
福島原発刑事訴訟支援団の宇野朗子さんは、東電福島第1原発事故後の福島現地の状況を報告したが、その中で「事故から11年。今なお6万人が避難生活を余儀なくされている。子どもの甲状腺がんも増えている。なのに、政府は来年から、事故を起こした原発に貯まりつつある汚染水を海洋に放出しようとしている。そんなことをすれば、海の自然の体系が破壊されてしまう。都合の悪いことは水に流してしまおうなんてことは絶対に許せない」と訴えた。
集会後、参加者は同公園周辺をデモ行進した。
「東海第二原発(茨城県東海村)の再稼働に反対する人たちの参加も」
「ウクライナに平和を!」と書いたブラカードを背負った参加者も
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