本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(359)
- 2022年 5月 21日
- 評論・紹介・意見
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文明社会の相転移
複雑系の理論が指摘する「カオスの縁」や「相転移」には、大きな刺激を受けるとともに、「文明社会にも応用が可能ではないか?」と感じているが、具体的には、「400年毎に4種類の相が組成され、1600年で一回りする可能性」のことである。つまり、「文明法則史学」が教えることは、「西暦400年から1200年」が「東洋の時代」、また、「西暦1200年から200年」が「西洋の時代」を表しているという事実である。
そして、「唯物論」や「マネーの大膨張」などの特徴を持つ「西洋文明」については、「西暦1600年前後」に産み出された「時は金なり」という思想により、形骸化を象徴する「文明の後半期」に入ったものと考えられるのである。つまり、「人々の意識」については、「目に見えるもの」を求めながら、「人々の行動」については、「自分のため」に向かい始めた状況のことである。
その結果として、現在では、「西洋文明から東洋文明への相転移」が発生しているものと思われるが、この要因としては、「人々の意識」が、「目に見えるもの」から「目に見えないもの」へ転換しながら、「人々の行動」は、依然として、「自分のため」という段階にとどまっている事実が挙げられるものと感じている。つまり、「自分」のことが大切ではあるものの、一方では、「目に見えない世界」である「量子力学」や「分子生物学」などが追及されることにより、新たな時代が始まる可能性である。
より詳しく申し上げると、現在は、「東洋の精神文明」の始まりであり、また、「心のルネッサンス」が求められる時代とも考えられるが、今回の特徴としては、「1600年前と同様に、巨額の財政赤字とインフレが指摘できるのではないか?」と感じている。つまり、当時と同様の「パンとサーカスの生活」については、今後、大きな変化を見せるとともに、「偶像崇拝」を否定し始める可能性も予想されるのである。
そのために、これから必要とされることは、「お釈迦様の象の教え」のとおりに、「全体像」を理解し、「一つの相」に固執しないことであり、実際には、「目の見えない人々が、初めて象に接した時に、一つの部分だけに触り、全体像を理解しようとする愚行」を繰り返さないことである。つまり、現在の問題点は、「時間とともに空間がどのように変化するのか?」が理解できないために、さまざまな「悩み」や「苦しみ」が発生する状況とも言えるようだが、今後の変化として予想されることは、「AIの応用」や「世界的な意見の集約」などにより、全く新たな解決策が導かれる可能性だと考えている。(2022.4.20)
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民主主義と専制主義
「ロシアのウクライナへの軍事侵攻」をキッカケにして、「民主主義」対「専制主義」の議論が活発化しているが、この点には、大きな違和感を抱くとともに、より深い分析が必要な状況のようにも感じている。そして、この理由としては、現在、必要なことが、「人類が力を合わせて、環境問題への対応を図ること」であり、「決して、人類同士の戦いを助長することではない」と考えているからである。
別の言葉では、「軍事独裁国家が、なぜ、現在、力を持ち始めたのか?」を考えながら、同時に、「民主主義政治の矛盾点」を理解することでもあるが、実際には、「国民の意識」が、これらの点を考える上で、大きな要因となっているものと感じている。つまり、「経済成長による、より豊かな生活環境」を望み、「国民の代表」である「政治家」を選出するわけだが、この時の問題点は、「国家の財政問題を始めとして、多くの問題が先送りされるとともに、より深刻な事態に発展する状況」とも言えるのである。
より詳しく申し上げると、「重要問題の隠ぺい」、そして、「マスコミの操作」などにより、「大事件の発生まで、時間稼ぎが行われる可能性」が指摘できるが、この点については、「民主主義国家でも、専制主義国家でも、ほとんど違いがない状況」のようにも感じられるのである。つまり、現在の「ロシア」のように「プーチン大統領への支持率が高い状況」については、「他人のふり見て、我がふり直せ」という諺のとおりに、「自分自身の姿を、再度、振り返ってみる必要性があるのではないか?」とも思われるのである。
別の言葉では、「軍事力による専制政治」と「資金力による専制政治」とでも呼ぶべき状況が、世界全体に蔓延っているものと思われるが、この点に関する問題点は、「小さな共同体」から始まった「人間の結び付き、あるいは、組織化」が、その後、「国家という共同体」にまで大膨張した結果として、「人間社会」と「大自然界」との関係性に問題が発生した可能性が指摘できるものと感じている。
つまり、「人間の欲望」が全面的に解放された結果として、「地球の環境問題」が発生した状況のことだが、現在では、「信を用いた結果として創り出された大量のマネー(お金)」に関しても、大きな問題が発生し始めているのである。具体的には、「マネー経済から実体経済への資金流入によるインフレ率の急騰」であり、また、「デジタル通貨の枯渇による金利の上昇」でもあるが、この点については、数か月以内に、世界全体の大問題として急浮上するものと考えている。(2022.4.25)
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異次元の「象の教え」
お釈迦様の「象の教え」、すなわち、「一部だけを捉えて、全体像を同様に類推することの愚かさ」については、基本的に、「三次元の世界」だけではなく、「四次元、あるいは、それ以上の高次元の世界」にも当てはまるものと感じている。具体的には、「時間の経過とともに、空間が、どのような発展を見せるのか?」という点に関して、「ビッグバン以降の世界」に対しても、全体像が理解できる可能性のことである。
より詳しく申し上げると、「四次元の世界」では、「過去は見えても、将来が見えない状況」が、人々の悩みや苦しみを生み出す原因の一つとも思われるが、この点に関して、「サイクル理論の応用」により、ある程度の推測が可能な状況のようにも感じられるのである。つまり、「ケプラーからニュートンへ」という言葉のとおりに、「サイクル論の理解が、その後、ニュートンの万有引力の理論に繋がった」という状況だったが、現在では、「経済学などの社会科学」において、同様の発展期に入ったものと想定されるのである。
また、その後は、「人間社会」と「大自然界」、そして、「ビッグバン前の世界」との関係性や全体像について、より高度な理論の発展が見込まれるようだが、基本的には、「真理は事実で示される」という状況のとおりに、「過去の歴史を振り返りながら、神の意志を読み取る努力」が必要な状況のようにも感じている。別の言葉では、「肉体を持った人間は、どうしても、脳だけで考えがちになる状況」が想定されるが、実際には、「精神と脳との関係性」、すなわち、「心の働き」も加味する必要性があるものと思われるのである。
そして、この点に関して参考になるのが、物理学の「超ヒモ理論」や、あるいは、複雑系の「創発理論」などのようにも思われるが、実際のところ、このままの状況では、世界全体が、「第三次世界大戦」という、「人類の殺し合い」が始まる前の段階のようにも思われるのである。つまり、軍事力や資金力による「奪い合いの時代」が、より一層、激化する可能性のことだが、実際には、「1600年前の西ローマ帝国の崩壊」と同様に、「資金や動機付けの面で、全く違った状況が生まれる可能性」も想定されるのである。
より詳しく申し上げると、「金融界の白血病」、すなわち、「デジタル通貨がコンピューターネットワークの中を流れることができない事実」に気付いた人類が、「お金の正体」を理解すると同時に、「精神文明の重要性」を再認識する可能性である。そして、このことが、「西洋文明から東洋文明への大転換」を意味するとともに、「人間社会において、心の座標軸が有効に働く状況」を表す証拠の一つのようにも感じている。(2022.4.26)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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