膀胱癌闘病記(序)NO2
- 2022年 6月 2日
- 評論・紹介・意見
- 澤野 登
※前回までの記述。入院前検査で、6cm大の膀胱癌が見つかったこと、筋層迄浸潤
していたら膀胱全摘出がスタンダードな治療法であること、膀胱内視鏡下径尿道オペ
で浸潤度T2で筋層迄癌が進行していることが分かりました。表皮層癌はすべて取っ
たが筋層迄浸潤した癌は取れなかったこと(無理に取ると膀胱に穴が開き、それはで
きないこと)。
全身麻酔下手術と手術後覚醒時せん妄
私の場合、下半身麻酔では不都合な事態が予想され全身麻酔になりました。眠ってい
る中に手術が終わるとはありがたいと、本人はお気楽状態。手術担当者や麻酔科医は大
変なようです。呼吸の管理他。知りませんでしたが、高齢者は麻酔から覚める時、せん
妄状態が発生することが多々あるそうです。「ヤバイ!とんでもない事を口走ったらどう
しよう」。50歳になってからまでも、論争の夢の延長で横でスヤスヤ寝ていた連れ合いを
ぶん殴つた事がありましたから...。殴られた連れ合いは「なんでー?」。杞憂に終わり
ホーツとしています。(断っておきますが、元々私は暴力性の無い方でおとなしいです)
導尿カテーテルのこと「SM趣味は無いんですが!」
尿道にカテーテルを突っ込まれるのは初めてではありません。21歳の時、新聞配達
をしていて車にはねられました。14.5メートル撥ねられましたが助かりました。しかし
骨折や内臓破裂で自力排尿できず、訴えたところ、ズブリとやられました、「イテー!」。
その時の記憶、放尿感無き排尿の気分の悪さ!今回で2度目です。カテーテルは尿道迄
のようですが、膀胱内迄突っ込まれているのではないかと、心配故に恐怖痛が興ります
よ。動くとチクチク。
点滴スタンドと車椅子
手術の翌朝、鎮痛剤が効いていたので室内の洗面所まで歯磨き。同じフロア―の自販
機へドリンク買いに、オナラが出たので飲み物OK。排尿パックをスタンドに付けソロリ
ソロリと行こうとしましたが、看護師さんから無理と判断され、車椅子に乗せられて自
販機へ.楽ちん楽ちん!本当に助かりました。スタンドは車椅子の足の間に入れて。
失禁しました。おむつパンツの開発者に感謝。
手術の2日後の朝、待望のカテーテル抜き。トイレに行こうとベッドから起きるや否
や、排尿感が襲ってきて我慢も何も、おむつパンツへドバー。その1時間後のトイレ行
きの時もドバーとやってしまいました。屈辱感や無念感は全く生まれませんでした。そ
んなことより、おむつパンツ開発者に感謝感謝でした。その後トイレで立ちション可能
になりました。昔、パキスタンのバスターミナル広場の片隅で立ちション、連れのパキ
スタン人はといえば、ムクツケキ男なのに座りション便!?男性優位社会なのに何故な
んだろう?と質問。「立ちションすると神様が怒る!」の答え。その昔、立ちションは襲
撃され易かったのかナアー?
チンコの先からヒルが飛び出した!?
我が家のトイレは、掃除の関係で立ちション禁止になっていました。しかし、膀胱
に異変が自覚され、排尿困難を訴えてから立ちションが許可されました。腹圧の関係
で立っての排尿が楽だからです。
手術から6日目と7日目の排尿時、尿道を何かが通過していったなと思ったら、便
器の中で4㎝大のヒルが泳いでいるではないか!「そんな訳がナイダロウ」とよく見
ました。「ナーンダ、ゾルゲル状の血の塊だ、ホーツ!」
電気メスが神経を刺激する
ほとんど収まりましたが、術後、足が勝つ手にピクピク動くのには驚きました。も
う一つ、勝つ手に吸気呼吸が起こるのです。自分の意志と関係なく「ヒッ」。
病院食.留置所弁当.拘置所の食事
味や食感は別にして、栄養のことを考えると病院食はよくなりましたネ。60年前の
病院食と比較すると欧米のレストランの食事の様です。私しゃズレているのでしょう。
半世紀前の留置所弁当はひどかった。あんなもの長期間食べていれば間違いなく健康
障害を起こしたでしょう。拘置所の食事は良かったです。ジャバへ出てきて,救援対
策センターのメンバーに「美味かった!栄養的にもGOOD!」と声高に話し「資本論
の中で指摘されていた、当時のイギリス労働者階級の栄養状態は刑務所よりもひどい」
をひとくさりしたら「????」。「まずいことを言ったかナー!?」.当時の新左翼裏
メンバーの事情はそんなものでした。
退院.担当医の勧告
手術から5日目に退院と言われ焦りました。前日鎮痛剤が効かず1時間半も七転八
倒しているのですよ!自宅に居れば、救急車を呼んでいますよ!2日間の猶予延長を申
し込んだらスンナリ通りました。16日、めでたく退院!
23日、担当医から手術経過.病理検査結果を聞きました。悪性腫瘍!形態が悪い癌で
す!抗がん剤も放射線療法等の物理療法も効き難い癌です!転移していませんので出
来るだけ早く全摘を!
温存療法への希望!医師からの「無駄な努力!時間の浪費!」勧告。結論を急がさ
れています。次号で報告いたします。 2022.5.27 記
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〔opinion12090:220602〕
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