安倍晋三は、反共組織としての統一教会(勝共連合)と癒着していた。
- 2022年 7月 23日
- 評論・紹介・意見
- 安倍政権澤藤統一郎
(2022年7月22日)
本日、政府は安倍晋三の国葬を閣議決定した。閣議決定は魔法の杖。一振りでなんでもできる。稀代のウソつきを「国民の敬愛に包まれ、外国要人からの尊敬も勝ち得た、偉大な政治家」に変身させるなんぞは、造作もないこと。あとは、内外からのおべんちゃらを待てばよい。そのおべんちゃらを、いかにももっもらしく尾ひれを付けて語ってくれるのが御用メディアだ。そうすりゃ、天皇の利用も、NHKの利用も、教育行政の利用も、まあ、楽なもの。
国葬は9月27日に日本武道館でとのことだが、この葬儀、大規模な抗議の対象とならざるを得ない。国論分裂の秋、風雲穏やかならざる武道館界隈。もちろんその元兇は、強引に無理を通そうとしている岸田政権である。
政府・自民党の思惑は、安倍晋三の死を最大限利用して安定政権を築き、あわよくば「安倍さんの悲願だった憲法改正」へと世論を誘導したいところ。そのためには、安倍晋三を悲劇のヒーローとしてだけではなく、偉大な政治家にまつりあげねばならない。しかし、なかなかそううまくはいかない。正反対に、国葬への反発から政治家安倍晋三とはいったい何者であったかが、今徹底的に抉り出されようとしている。もちろん、その中心は、旧統一教会との関係である。しかも、岸信介以来世襲政治家3代との醜悪な関係。
統一教会とは、宗教でもあり、政治団体でもあり、悪徳商法組織でもある。この3者の側面が一体となった存在である。マニュアル化されたシステムで入信させてその精神を支配する「宗教団体」であるだけでなく、反共の政治思想・政治行動と緊密に結びつき、しかも霊感商法で莫大な利益を上げてきた悪徳商法組織として財政基盤を築いてきた。
安倍晋三・自民党と統一教会との関係を見極めるには、何よりもその反共団体としての側面(勝共連合)との持ちつ持たれつのもたれ合いにメスを入れなければならない。これから、大いに汚いウミが曝け出されることになるだろう。
そのような立場から、共産党は、昨日(7月21日)旧統一教会と政治との関わりなどを調べる問題追及チームを立ち上げた。小池晃書記局長が責任者、宮本徹衆院議員が事務局長を務める。同日国会内で開かれた第1回会合で、小池書記局長は「安倍晋三元首相に対する銃撃事件を機に、旧統一協会に対し大きな社会的注目が集まってきている」「旧統一協会と一体の右翼団体である国際勝共連合が繰り返し日本共産党に対する攻撃を行ってきた」「われわれは真正面からたたかっていかなければならない相手だ」と述べている。
立憲民主党の西村幹事長は、同日党内に宗教法人「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」をめぐる被害対策本部を設置すると発表した。霊感商法などの消費者被害が「国会としては看過できない問題」(西村氏)として、事情に詳しい弁護士らに聞き取りをして対策を検討するという。
そして、何と、維新も動かざるを得ないと考えた。同日松井一郎代表は、党所属の国会議員と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との関わりの有無について全国会議員に対し、聞き取り調査を行う意向を明らかにし、調査結果は公表するという。これは楽しみだ。
ところで、肝腎の自民党はどうなのだ。統一教会との関わりを認めるのか認めないのか、調査もしないのか。せめて、銃撃犯が語った安倍晋三と統一教会との関係くらいは、その認識を公表すべきだろう。さもなくば、自浄能力のない組織との批判を甘受せざるを得ないことになる。
本日の赤旗の報道によれば、2019年10月5日、旧統一協会系の天宙平和連合(UPF)が韓鶴子総裁を迎えて名古屋市で開いた国際会議に、細田博之衆院議長がゲストとして出席しスピーチもしていたという。そのスピーチの中で細田は「今日の盛会、そして会議の内容を安倍総理にさっそく報告したい」と述べていたという。
驚くべきは、この会議に、「政界からは現職国会議員を含む約160人、そのほか宗教界、学会、言論界などから合わせて約800人」(世界平和統一家庭連合ニュースオンライン)が参加しているという。細田の他にも多くの自民党関係者が出席。
主催者側で、出席者を紹介したのが、梶栗正義・国際勝共連合の会長。安倍と近かった北村経夫参院議員は「日頃よりみなさまには大変お世話になっております」と参加者に頭を下げ、山口県選出の江島潔参院議員は、壇上で韓鶴子UPF総裁に感謝の花束を贈呈したという。そのほか、奥野信亮、工藤彰三、島村大、原田義昭、伊達忠一らの出席ないし発言が確認されているという。
自民党よ、統一教会・勝共連合との関わりをまずは自ら明らかにせよ。それが、銃撃犯の動機や背景事情として重要であるだけでなく、この日本の政治状況の実態を物語るのだから。我々は、主権者として正確な説明を要求する。
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2022.7.22より許可を得て転載
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〔opinion12212:220723〕
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