「DHCスラップ訴訟」読後感集 ー 「DHCスラップ訴訟」を許さない・第204弾
- 2022年 8月 19日
- 評論・紹介・意見
- DHCスラップ訴訟澤藤統一郎
(2022年8月18日)
「『DHCスラップ訴訟』ースラップされた弁護士の反撃そして全面勝利」の発刊以来2週間余。評判も売れ行きも、まだよく分からない。
この訴訟遂行にご支援いただいた方々へ献本したところ、その読後の反響がそろそろ届く時期になった。「読み易くて面白い」という評判に気を良くしている。お世辞半分としても、まずまずの手応え。10部まとめての追加注文をいただいた方も、何人かある。まことにありがたいこと。
メールで届いた感想のいくつかをご紹介させていただく。
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躍動感のある語り、法廷闘争の位置づけ、光前先生の解説など、実に工夫され充実した闘いを記した著作物で一気に読み終えました。
酷暑の中にさわやかな風が吹き通っていった感じです。
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素晴らしい本の贈呈有り難うございます。
被告として、そして原告として、果敢に闘われたこと、心から敬意を表します。訴訟の代理人ではなく訴訟の当事者として闘われたことに、大変なご苦労をされたことと推察します。
先生は、そうしたご苦労を微塵もみせず、人権と民主主義の前進をめざして明るくたたかわれたことに、感動すら覚えます。スラップ訴訟、私も先生の心意気に触発され勉強したいと思います。
ご健康にご留意されながら今後のご活躍を祈念します。
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一気に読んでしまいました。スラップ訴訟の、被告に与える苦痛、世の中にもたらす害悪、それによって守ろうとする業者の不法な利益が、とてもよく伝わってきました。
スラップ訴訟に対しては、単に棄却を求めるだけでなく、何らかの反撃がなければスラップはなくならないであろうこともよく分かりました。不買運動、激しく同意します。
今後の課題として、スラップ訴訟に対する応訴負担についての賠償責任を十分なものとすることもおっしゃるとおりと思います。その意味で、応訴の弁護士費用50万円を認めたことは、とても重要で意味のある判決と思います。
ネット社会の中で、この本の存在意義はますます増していくものと思います。この本を頂いたことへのささやかなお礼として、広く宣伝したいと思います。
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訴訟の詳細を十分に理解してはおりませんでしたので、一読者として読み物として楽しませていただきました。
初めて原告・被告という当事者の立場になられた澤藤先生のお立場で、訴状が届いてから反撃訴訟での勝訴が確定するまでの経過が、とても迫真的に記録されていて、あっという間に読み進みました。
澤藤先生の文章は、いつも読むのが楽しみでしたが、今回も澤藤先生の表現豊かな文章を楽しませていただいました。
裁判を、経済力のある者が、表現行為を封じ込める恫喝として利用するというスラップ訴訟に対し、反撃訴訟で、要件の厳しい濫訴の違法性が確実に認められたことは、とても貴重な成果だと認識を新たにしました。
この書籍の発刊も、今後のこのようなスラップ訴訟の抑止に寄与するものと思っており、書籍作成に尽力された澤藤先生、弁護団の先生に敬意を表します。
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拝見して,スラップ恫喝訴訟との闘いの意義,その方法は何か,それについての実例を通して,光前先生の的確な解説を含めて,教科書とも言うべき著作だと思いました。そして,「自由・民主主義・平和,そして半権力・反権威」を「身体の組成」とする先生の信念にもとづく熱い本で,その訴える力も大きなものでした。権利のための闘争がすべての市民にとって倫理的義務であり,ひいては民主国家の法秩序を守る正義の戦いであるという「権利のための闘争」ということを思い出します。
この本が広く読まれて,スラップとの闘い,表現の自由,権力者に対する批判が萎縮することのないことを期待するところ大です。
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不当な圧力に屈せず戦い抜く、というのは言うのは簡単です。
でも実行するのは大変。
特に攻撃の対象その人は、自分が負けるわけにいかないから本当に大変。
私が被告になったら、闘い切れるかしらと思います。
6年8カ月の長いあいだ、本当にご苦労さまでした。
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帯に書かれた「ある日突然に民事訴訟の被告になった」という一言に、“被告になるのはたいてい「突然」なのでは?”と最初は思いました。しかし読み進めると、ほんとうに異常な突然の脅しがあったとことに驚きました。
私がスラップという用語に接するようになったのは、TPP反対運動を通してだったと思います。
旧モンサントなどの多国籍企業が、自らのすすめる戦略に従わない農家に対してスラップを乱発するというような話でした。
海外での話だという印象が強かったのですが、いただいた著作を読み、これほど身近に迫っているものかと驚きました。
「表現の自由」についての考え方は、相手を傷つけることに慎重な若い世代ほど判断に迷うことが多いようにこの間に感じています。この点、「フランス人権宣言第四条の古典的な定義は、この局面では不正確」という指摘は腑に落ちるものがありました。
さまざまな事件がおこる中で、私は「吉田・渡辺ワイロ事件」のその後については気にも留めずにすごしていました。結果として、これほど巨額のワイロを当事者が公言しスラップまで乱発したにもかかわらず吉田・渡辺が娑婆で過ごしていることに改めて驚きと怒りを感じました。
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DHCという企業の体質については、私の周辺では、この何年かは、ワイロ事件よりもヘイトクライムの点が話題になっていたように思います。
私自身、食の安全や農業・健康という分野に携わる運動にかかわっていますが、DHCや旧モンサント、武富士などが共通してスラップという形をとることに背筋凍る思いがします。
いずれも消費者運動にかかわる分野にスラップが向けられるというのは、構造的な問題があるのでしょうか。
社会運動全体としては「対『政治』」が多く、そこに様々な弾圧が加えられるのでしょうが、こと消費者運動は「対『企業』」であることからスラップの標的になりやすいということになるのかという印象を持ちました。
そういう意味で、本書で示された中身が、非常に身近に感じられました。
貴重な著作をいただきありがとうございました。
また折に触れて読み返すことになることかと思います。
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DHCスラップ訴訟 スラップされた弁護士の反撃そして全面勝利
著者名:澤藤統一郎
出版社名:日本評論社
発行年月:2022年07月30日
≪内容情報≫
批判封じと威圧のためにDHCから名誉毀損で訴えられた弁護士が表現の自由のために闘い、完全勝訴するまでの経緯を克明に語る。
【目次】
はじめに
第1章 ある日私は被告になった
1 えっ? 私が被告?
2 裁判の準備はひと仕事
3 スラップ批判のブログを開始
4 第一回の法廷で
5 えっ? 六〇〇〇万円を支払えだと?
6 「DHCスラップ訴訟」審理の争点
7 関連スラップでみごとな負けっぷりのDHC
8 DHCスラップ訴訟での勝訴判決
9 消化試合となった控訴審
10 勝算なきDHCの上告受理申立て
【第1章解説】
DHCスラップ訴訟の争点と獲得した判決の評価 光前幸一
第2章 そして私は原告になった
1 今度は「反撃」訴訟……なのだが
2 えっ? また私が被告に?
3 「反撃」訴訟が始まった
4 今度も早かった控訴審の審理
5 感動的な控訴審「秋吉判決」のスラップ違法論
【第2章解説】
DHCスラップ「反撃」訴訟の争点と獲得判決の意義 光前幸一
第3章 DHCスラップ訴訟から見えてきたもの
1 スラップの害悪
2 スラップと「政治とカネ」
3 スラップと消費者問題
4 DHCスラップ関連訴訟一〇件の顛末
5 積み残した課題
6 スラップをなくすために
【第3章解説】
スラップ訴訟の現状と今後 光前幸一
あとがき
資料(主なスラップ事例・参考資料等)
DHCスラップ訴訟|日本評論社 (nippyo.co.jp)
初出:「澤藤統一郎の憲法日記」2022.8.18より許可を得て転載
http://article9.jp/wordpress/?p=19766
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion12297:220819〕
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