「食費の節約」が激増 日本生協連が諸物価値上がりの影響を調査
- 2022年 8月 30日
- 評論・紹介・意見
- 岩垂 弘物価食費
まるで目を回してしまいそうな諸物価の値上がりである。これが市民の日常生活にどのような影響を与えているだろうか。そんな狙いから、日本生活協同組合連合会(日本生協連)が組合員を対象に「節約・値上げについてのアンケート調査」をしたところ、「食費の節約」を心がけている人が増えていることが分かった。
このアンケート調査は6月2日~同月7日に行った。インターネットで生協組合員5863人にアンケートし、4689人から回答を得た。
節約の1位は「ふだんの食事」
最初の質問は「あなたのご家庭ではここ3カ月で、どのような項目の節約を行いましたか」(複数回答も可)だった。
これに対する回答は、1位が「ふだんの食事(食料品・菓子・飲料・テイクアウトなど)」(56・5%)、2位が「外食」(52・2%)、3位が「衣類・靴・服飾雑貨(クリーニング代も含む)」(40・4%)、4位が「水道光熱費」(34・9%)、5位が「娯楽(テレビ・ゲーム・新聞・旅行など)」(24・4%)だった。
日本生協連は昨年7月にも同様のアンケート調査をしており、その時の回答(複数回答も可)は、1位「外食」(64・2%)、2位「衣類・靴・服飾雑貨(クリーニング代も含む)」(35・5%)、3位「娯楽(テレビ・ゲーム・新聞・旅行など)」、4位「ふだんの食事(食料品・菓子・飲料・テイクアウトなど)」(22・0%)、5位「水道光熱費」(11・2%)だった。
今回の調査では、前回4位だった「ふだんの食事(食料品・菓子・飲料・テイクアウトなど)」が1位に躍り出たうえ、前回1位だった「外食」も2位に留まるなど、食費関係の節約が増大していることが明らかになった。
前回5位だった「水道光熱費」が今回4位に上昇したことについて、調査は「電力・ガス会社の値上げにより節約意識が上昇したと考えられます」としている。
節約したい食品の1位は「菓子・おやつ」
2番目の質問は「食料品・日用品の中で、今後、節約しようと考えているものを具体的に教えてください。外食は除く」(複数回答可)だったが、これに対する回答はこうだ。
1位「菓子・おやつ」(46・4%)、2位「デザート・スイーツ・アイス」(40・0%)、3位「調理済みの総菜やお弁当」(35・8%)
前回の調査結果もこれと同様の順位だったが、今回はいずれの項目も前回より約5ポイント増加していて、これらの食品への節約意識が高まっていることが明らかになった。
「節約しつつ、ちょっとした贅沢も盛り込む」という意識も
アンケートはさらに、「次のうち、今現在の食費への意識に近いものを教えてください。外食を除く」として、12項目の回答から複数回答で選らんでもらった。すると、上位5位までは次のような順位になった。
1位「節約しつつ、ちょっとした贅沢も盛り込む」64・3%
2位「必要なもの以外はなるべく買わないように我慢する」46・9%
3位「品質が良ければ多少高くても買う」37・2%
4位「自分の好きなもの・欲しいものは多少高くても買う」23・7%
5位「必要なものを買うとき、以前より価格の安いものを買うようにしている」23・0%
昨年の調査も1位は「節約しつつ、ちょっとした贅沢も盛り込む」だった。今年もそれを踏襲した形になったが、昨年と比べると5ポイント低下したという。それについて、調査は「ポイントが低下したものの依然としてこうした行き方が支持されているという結果で、ストイックになりすぎず、日常の楽しみを大切にしている人が多いと考えられます」としている。
多少高くても買う理由は「おいしい」
最後の質問は「食品を買うとき、多少高くても買う理由になるものを教えてください」(複数回答)である。それに対する回答は1位「おいしい」(71・7%)、2位「国産品」(61・5%)、3位「無添加・添加物が少ない」(46・4%)であった。
30代では、「時短できる」を挙げた人が半数以上いたという。
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