久しぶりに国会図書館へ、その後、都民情報ルームへ
- 2010年 6月 9日
- 評論・紹介・意見
- 国会図書館都の福祉財政調査醍醐 聡
2010年6月7日
今日は少し肩の力を抜いて日記風に書くことにした。
東京都の福祉財政を調べるために
早めに起床し、犬と散歩をした後朝食を済ませ国立国会図書館へ出かけた。2年前に連れ合いと地元の自治会が取り組んでいた道路の車止めに関して市役所と交渉をする必要から判例を調べにきたが、自分の研究資料の調査で来るのは実に久しぶりだった。10時15分ごろ、新館入り口に着。今日の目的は、参加している新東京政策研究会の財政グル-プで分担することになった東京都の社会福祉財政に関する資料調査である。少し調べていくうちに、都立病院の再編問題が焦点になっていることがわかり、前もって、NDL-OPACで調べた文献を閲覧・複写することにしていた。
様変わりしていた国立国会図書館
まずは入り口横の機械で一日利用券を入手。今はすべてがインターネットにつながったカードで処理されるシステムになっている。以前であれば、まず、1件ごとに館内で請求票に記入して提出し、中央出納台の前の腰かけに座って、大勢の請求者とともに20~30分ほど名前が呼ばれるのを待って受けとり、今度は複写箇所を複写依頼書に1件ずつ記入して別の受け付けコーナーで渡し、仕上がりを待つというシステムだった。閲覧請求受付の中央カウンターにも複写申し込みのカウンターにも長い列ができたが、昼休みは受付休止だったので遠方から来館した者にとっては何とも効率の悪い作業だった。
しかし、今はずらりと並んだPCに座り、机の上に置かれたケースに利用者カードを差し込んで文献名を入力すると、画面操作で閲覧請求ができる。請求件数は1回あたり雑誌・図書ごとに3冊。15分ほどして、雑誌は新館2階のカウンター前の電光掲示板に受取できるようになった雑誌を請求した利用者番号が掲示される。図書については同じく本館の中央出納台前に置かれた電光掲示板に掲示される。
請求した雑誌を受け取ると、新館1階の複写申し込みコーナーへ。ここでもたくさん並んだPCに座って利用者カードを差し込むと出納台で受け取ったばかりの雑誌が自動的に画面に表示される。複写規則に同意等のクリックをして画面を進み、確認ボタンを押すと複写申し込み文献の写しが1件ずつ、PVの横に置かれておいるプリンターから出てくる。あとは、それに複写ページを手書きして受け付けに持っていけばよい。列ができることはまずない。複写の仕上がりも電光掲示板で通知される。15分前後して見にいくと出来上がっている。
図書の場合も同じ流れ。申し込み枚数の多寡にもよるが、15分前後で出来上がり。複写申し込みの時も、受け取りの時も列ができることはほとんどなかった。
こうして、この日は閲覧請求・複写・返却を3回転して、「都立病院」、「東京都 and 財政」で前もってキーワード検索した文献の中で手に入れたかった論文・記事をほぼすべて複写できた。
あえて気になったことを書くと、
① すべて機械化されたことで、利用者は効率よく作業をできるのは大変ありがたい。しかし、日頃、機械(PC)になじんでいない高齢者などは戸惑うのではないか? 機械が並んだ館内の随所に職員が配置され、手を挙げるなどするとすぐに近寄ってきて操作のアドバイスを受ける仕組みになっていた。しかし、それでも、見かけたところ、以前、来館した時と比べ、高齢者の姿が少なかったのは気のせいだろうか?
② 1枚の複写代金がなぜ25円なのか? これは以前から疑問が尽きない点である。公共図書館の場合、セルフサービスではあるが1枚10円である。破損の恐れがある貴重本は職員の手で作業をするという趣旨はわかる。しかし、そうした文献はそう多くはないはずだ。先頃の事業仕分けでもこの点が取り上げられていたと記憶している。私も近く、図書館に質問書(1枚25円の<積算>根拠)を出すつもりだ。
都民情報ルームへ
途中館内で昼食&コーヒーをとり、14時過ぎに退館して、地下鉄を乗り継ぎ、都庁の本庁第一庁舎北側3階にある都民情報ルームへ。ここは10年ほど前、ゼミ生と一緒に出版した『自治体財政の会計学』(新世社)のための資料調査に、東京都を担当したゼミ生グループと来たことがある。今回はゆっくり時間をかけて検索するゆとりがなかったが、とりあえず、開架資料の中にあった『東京都病院会計決算書』の平成16~20年度分と『平成20年度東京都決算参考書』など財政関係資料を複写した。
帰宅してインターネットで郵送複写を依頼
帰宅してすぐにPCに向かい、国立国会図書館のHP(NDL-OPAC)にアクセス。昼間、館内で手続きをして発行してもらった「登録利用者カード」のIDとパスワードを入力のうえ、文献(都立病院と並んで手掛けてみたいと思っている東京都の介護保険関連の文献)を検索して、館内の場合と同じ手続きで複写の申し込みをすると約10日後に郵送されてくる。この日は6件、申し込んだ。申し込みの分量が多くなると、なぜ1枚25円なのかがますます気になるが、今後、大いに活用したい。
かくて、忙しく動き回った1日となったが、それなりに収穫があり、ささやかな充実感を味わった。
わが家の庭に咲いたアマリリス
初出:「醍醐聡のブログ」より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion010:100609〕
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