経産省前テントひろば日誌11月17日版
- 2022年 11月 21日
- 時代をみる
- 木村雅英
経産省前テントひろば1807日後
◎ 寒空で経産省に脱原発を訴え続ける 11月11日(金)
脱原発コールで経産省抗議行動を開始。K.Mから、申請老朽原発4つを運転開始後40年に達する間際に抜け駆け合格を出した原子力規制委員会が、原子炉等規制法(炉規法)を運用する立場であるにも拘らず「原則40年、例外的に+20年」の規定を推進側任せにする無責任を糾弾、また、エネルギー基本計画の「可能な限り原発依存度を低減する」を無視して「2030年原子力20%~22%」の記述を口実に原発推進政策を強める経産省を糾弾。
田中一郎さんが、山中伸介原子力規制委員長を糾弾し、40年分しか入れられていない試験片、使用金属に不純物が多く材質がお粗末など、美浜3号他老朽原発の原子炉圧力容器脆性破壊の問題を指摘。続いてMiさんが、11月9日(水)の311子ども甲状腺がん裁判の報告、148人が集まり大法廷での開催と原告意見陳述が認められたこと、津田敏秀岡山大教授が甲状腺がんの原因確率が90%以上であると証言、原告5番さんが甲状腺がんの手術と再発手術を2回受けその後も心配を証言、なお、裁判前の集会ではノーマフィールドさんが被害者が訴えないといけない状態を嘆かれた。
Yoさんが、老朽原発の延長、止まってた期間をカウントしないバカなことはない、使おうと使わなくても劣化するのだ、海のそばの原発は海の潮風の影響を受け劣化する、福島を忘れちまってはいけない、あの京都だ大阪だと逃げた大騒ぎはどうなったのか、原発の再稼働どころか新しい原発を動かす、この国は相変わらず原発を頼りにするとは情けない、葉梨法務大臣が辞めるのは当然として、なぜ、あの発言ができたのか不思議でしょうがない、死刑は廃止すべき制度だ。
Moさんが利用者が増えている「練馬あったかフードバンク」のアピールのあと「座込め、ここへ」と「ああ、福島」の歌。その間に、K.Mが新たに更新した「再稼働阻止全国ネットワーク」リーフレットを配布。Hiさんが、寒くなった中で、我々の脱原発の念が岸田政権に伝わらな
い、支持率が低くなり、どれだけ持つか、その動きをじっくりみつめて闘おう、イギリスも首相が頻繁に代り、米国大統領選でも、物価高の影響、資本主義社会の致命的欠陥、原発が無ければ経済が衰退すると思い違いをしている、政治を変えよう。
TTさんが、朝日新聞の投書から、70代の人からの文科省による学校図書館への介入を問題視。
乱鬼龍さんが、夕方、暗くなった中、葉梨法務大臣が更迭は話にならない、世論の力、11月13日には青空川柳句会、原発運転再延長や新増設はひどい、トイレなきマンションで核ゴミ増やすな、人類が地球に様々な危険を増加、原子力に代表される資本主義文明の問題、先端科学・先端技術も危ない、雇止めが増え、ホームレスが増えている、軍事予算増もひどい、政治がどう予算を使うかだ、消費税アップは許されない、今の暗さは夜明け前の暗さか、絶望が足りない、中村哲さんの仕事を国がやるべきだ、自分のできることをやっていこう。
K.Mから、原発も戦争も無駄な医薬制度も終わらせよう。最後に脱原発、NOWAR、NONUKESを訴えて経産省への抗議行動を終わった。 (K.M)
https://twitter.com/keroppu8649/status/1590981058157502466/photo/1
https://twitter.com/brianandco/status/1593928719156248576/photo/1 (はしゆき)
脱原発・経産省前テントひろば(金曜抗議行動)
脱原発!運転期間延長反対!命を守れ!未来を守れ!(文科省前も定例抗議やっているようです)
田中一郎さんの発言:脆性とはもろさのこと。力を加えると変形できずポッキリ折れること。通常、金属は-40℃~-60℃以下の低温まで冷やすと脆性に変わる(脆性遷移温度ぜいせいせんいおんど)。しかし、永年、中性子照射を受けた金属は変質し、脆性遷移温度が上昇して、冷やさなくても脆性になる(照射脆化しょうしゃぜいか)。これが問題になるのは、事故などで、緊急に冷やさなくてはならない時、非常用冷却設備が作動する時。ただ、冷却水を注ぎ込み、原子炉圧力容器が急激に70℃~80℃になっただけで、圧力容器が割れてしまう、ガラスのコップに熱湯を入れた時のように。古い原発をあと20年使い続けるというのは、そういう危険性をどんどん高めていくことである。
乱鬼龍さん発言:夜明け前がもっとも暗いという。また魯迅の言葉で、絶望が本物なら希望も本物だという。こんな酷い世の中だが、一人から始めよう。 (はしゆき)
◎ 最近の問題で、話は盛り上がった 11月12日(土)
風もなく穏やかな天気で過ごしやすかった。Oさんがお休みで寂しかったが、群馬のT.Sさんが来てくれて、最近のニュース・年金・新宿区長選の話題などで盛り上がった。陽が当たる時間が少なくなってきて、今後の座り込みが思いやられるが、原発回帰おおもとの経産省に原発反対を訴えるために頑張らなければならないと思う。(I.K)
小春日和の土曜日、風もなく穏やか。しかし着実に寒くなりつつある。日陰の時間も長くなった。テントがあった交差点角での座り込みも、そろそろ限界か。時折、若い人がジ~と見ながら通りすぎる。今は分からなくても、将来、我々の抗議の意味が理解出来る日が来ることを願う。既に、原発の莫大な負債を押し付けられ、生涯、押し付け続けられるのだから。相変わらず人通りは少ないが、座り込みの手応えも少し感じる抗議になったと思った。 (T.S)
◎ 早々とプチ忘年会になったのだが 11月13日(日)
先週まで交差点前でしたが、場所を変えて経産省正門前で座り込み。こちらの方が陽が当たるので、冬はこっちがおすすめ。今日は、青空川柳句会。皆さん作句に熱中しています。しかしどんよりと暗い空、雲はビュンビュン流れ、午後2時過ぎから雨も降り出したので、今日は早じまいモード、藤原節男さん中心に、椅子など座り込み道具は全部片付けてしまいました。14:30すっからかんに片付いてしまったけど、アレレ?帰れない。乱鬼龍さんの句会は、時間通りの進行で、椅子を片付ける時、立たされた乱さんは雨の中、突っ立ったまま集中して選考しています。せめて、雨のかからない街路樹の下にと袖を引っ張って移動してもらいました。パラソルを出して乱さんの雨よけをして待ちます。その後、講評があって、15:00終了した頃には雨は止んでいました。
やることがバラバラ。組織性なし、効率悪い。(というか元々効率を云々するような運動じゃないけど。)あまりにもバラバラなので、分断されるとか分裂するとかも心配いらないですね。テツさんの言うとおり「ひとりひとりがテントです」。(笑)
帰りがけ、右翼街宣車の流す不穏な音楽(轟音)が遠くから聞こえていましたが、見える位置には来ませんでした。
ツイートの中では書きませんでしたが、経産省前で雨が降ってきて傘を出そうという時に、かなり、しょうもない言い合いをしました。乱さんの持ってきた二越デパートの傘を出すのか、個人の傘か、パラソルなのか。傘を差して、帰るのか、事務所に行くのか、それとも、ここに立っているのか。そもそも、誰のための傘の話をしているのか。話題が共有されていないのに、自分の意見が聞いてもらえないと個々がますます声高になるので、しまいに怒鳴り合いになります。皆、良かれと思って意見を言っているのですが、人の話を聞かずに自分の結論だけを言うので、日曜日はよくこういう状態になります。
こういう時は、口ではなく手を動かすのが一番ですね。パラソルを(片付け済みだったのを)引っ張り出して、乱さんの頭上に広げたら、目に見える景色から共通の認識ができて、やっと静かになりました。
もう一つ報告あります。先日広報メールを流した、来る12月25日(日)青空句会の後の忘年会の件です。日にちの記載が曖昧だったため(サブジェクトにしか書いてなく本文になかった)、この日(11月13日)、11月青空句会のあとのコーヒータイムに、忘年会のお客様が事務所に二人見えてしまいました。ごめんなさい!!!
それで、持参のお酒をいただき、急いで買ってきたおつまみを並べて、プレ忘年会をやりました(何度やっても良いよね!)。この日はいろいろと議論(というか言い合い)が多く、かなりギスギスしていたのですが、ほんわかした暖かい笑顔のお客様のお陰で、とても良い会になりました。ありがとうございました!!! (はしゆき)
◎11月13日(日)12時より脱原発青空テント川柳句会が開かれた
選者は乱鬼龍氏、席題は「発想」「続く」14時20分投句締切、14時30分より入選者の発表、披講となりました。陽が射すと11月にも関わらず暑いくらいの日でしたが、天気予報通り14時過ぎから雨がポツポツ降り始め、雨の中講評が行われました。今回の参加者は4名、選者により入選句が読み上げられ、入選者へ焼き芋、かつおぶし、スアマ、「大軍拡と基地強化にNO!アクション2022」発行の小冊子など、様々な景品が手渡されました。入選句は以下の通りです。
「発想」の特選
・ボロ原発 「想定外」で いいのがれ - まごじい
「発想」の秀句
・カネと見栄 変えよ深慮 理解へと - ふ64
・発想は 原発動かせ もうけだけ - 原子力ガリレオ
・何見ても 再稼働だけ 発想す - 原子力ガリレオ
・使っては 増税ばかり 無発想 - 芒野
・死刑指示 ハンコで済ます 新発想 - 芒野
「続く」の特選
・教会と 縁切りまだか 自民党 - 芒野
「続く」の秀句
・収束は コロナ恐るる 心だけ - ふ64
・もっと行け いつまでつづく 原発は - 原子力ガリレオ
・運つきて 原発つづく 事故るまで - 原子力ガリレオ
・政権を 変えねば続く 重増税 - 芒野
・福島の 若者続く ガン不安 - ふ64
次回の脱原発青空テント川柳句会は、12月25日(日)12時より開催いたします。句会の後、懇親会も予定しています。是非ご参加ください。(S.E.)
◎ 秋らしい季節になったが、寒さには気をつけよう 11月14日(月)
経産省の樹木も枯葉が多くなって、秋らしい季節になったとは言え、先週までは晴れていれば半袖で充分だったが、きょうは違った。午後1時半ごろになって、寒く感じたので、上着を着た。気温は20℃あったが、少し吹いている風の影響か、Miさんが用意してくれた温かいお茶を飲んで、ひと息つく。その後も寒く感じて、午後4時までの時間が長く感じた。次回には冬支度をして来ようと思ったきょうの座り込みでした。因みに、他の人は、寒さを感じた人はいなかった。
座り込み準備が終えた後、相棒のSaさんが経産省批判の演説を開始した。「原発被害に終わりが無い、東電は充分な保証をしろ」「安全な原発など、存在しない」「岸田政権に騙されるな!」「地震大国の日本に原発はいらない」「全ての原発を廃炉にしろ」。
きょうの参加者は、当番の4人と、裁判ウオッチャーのOnさんだったが、午後3時半を過ぎた頃に、英語の先生と静岡の反原発集会を終えたHaさんご夫妻が来られた。「今回も、静岡の皆さんから集会で使った新しいバナーを頂いてきたので、お披露目したい」とのことで、バナーを見せてもらった。ついでに記念写真も。今度のは2㍍位の縦長なので、専用のポールに巻き付けたらいいと思いました。(保)
◎ 14時まで小雨の降り続いたが、後半は、人が集まった 11月15日(火)
ヒンヤリと寒い一日でした。天気予報では「午前中に雨が上がる」との予報であったが、何のことはない14時頃迄、冷たい小雨が降り続いた。雨が上がった頃に、公判当番のAさんや、不定期当番のK爺、東京西武ユニオンのお二人とUrさんと、もう一人の女性、他に短時間ではありましたが、お菓子の差し入れをして頂きました方と、後半は8人にもなりました。
ただ、当番者がこのところ家庭の事情等で2人が座り込みに参加出来ず、厳しい状況は相変わらずです(前半は2人)。Urさんと一緒に来られた女性の方は、「久しぶりに来ましたので」と言って、大枚のお札をカンパして頂きました(感謝)。濡れていたバナー等は、小雨でもあり、14時頃には上がったので、撤収作業の時には、大体、乾いていて助かりました。(Y・R)
◎ 原発ありきって、ほんとにどうかしている 11月16日(水)
セッティングが終わり、座り込んだ。おむすびを食べる。パラソルを持ってきたが、陽ざしを浴びて心地よいので、パラソルは使わなかった。そこに、中国中央TV東京支局の2人がカメラをもってやってきて、当番の3人がそれぞれインタビューを受けた。テーマは「原発汚染水を海に放出するのをどう思うか」ということだった。「国や東電が『大丈夫だ、心配ない』と言っているが、信じるか」と聞かれた。岸田内閣も閣僚たちも信じられないし、中国の習近平の強権政治も信じられない。
今日は土屋源太郎さんたちの「砂川裁判」があり、その傍聴に来たAさんが寄ってくれた。今の政治がいかにどうしようもないかを、当番のOkさんと3人でトークした。倉田さんの演説では、フィリピンで地熱を使った発電をやっていることを教えてくれた。原子力に頼らない電力の開発は、いろいろあると思う。「まず、原発ありき」をやめてほしい。常連が来て10人。(T・I)
◎ イルカ保護を農水省に訴えにきた女性がやって 11月17日 (木)
出だしは、陽も照っていて、暖かかったが、だんだん曇って来て、風も冷たく、寒くなってきた。ヨーカンさんが今日もお休みだったので、午後2時頃迄、当番だけの寂しい座り込みだった。通りがかった「イルカ保護を農水省に訴えて来た」と言う女性が話しかけてきたので、Yさんがチラシをお渡しし、色々説明してくれた。私達の行動にびっくりしたらしい。
午後2時ごろ、遅番の人・東京西部ユニオンのお二人、それに、たんぽぽ舎ボランティアのOyさんか来てくれたので、私は安心して帰路につく。(I・K)
=====投稿=====
原発回帰だって、「そりゃないぜ」というセリフで返したい
ひさびさにというか、またかというか、森喜朗が失言をしてSNS上で炎上しているらしい。「ゼレンスキ―大統領がウクライナ国民を苦しめているのに批判がされないこと、これはおかしい」というのだ。また、「プーチンを説得できるのは、鈴木宗男だけだ」ともいう。この発言に注釈を加える必要はないだろう。馬鹿げた発言で、ことさら批判など必要のないものだ。ただ、案外、これが自民党の議員たちの本音かもしれないとも思う。僕は、森喜朗の昨年のオリンピック委員会での発言や、かつての「神の国」発言を思い出した。ある新聞では、森喜朗の今度の発言を「学ばない85歳の発言」と言っていたけれども、学ばないというよりは、彼の一貫した考えであり、ある意味で戦後の自民党(保守)の考えで、重要な位置を占めてきたものだと思う。自由や民主主義を標榜してきた彼らの、その実態を示したものと言える。
例えば、民主主義とは、国家や共同体の統治形態(様式)のことであり、そこで権限を持つものの権威主義(恣意的)支配を批判し、国家や共同体の成員(地域住民や市民)の意思を主体としてなす様式のことである。しかし、神の国(天皇の統治)というのは、民主主義の対極にあり、権威主義(恣意的)支配の典型だった。今、僕らが眼前にみているプーチンや習近平は民主主義を標榜するが、権威主義そのものである。かつてなら、全体主義とか独裁主義と言われたものだ。森喜朗はオリンピック委員会での女性理事らの発言を「わきまえない発言」として抑圧し、排除しようとして批判を浴びた。これは森喜朗(権威)に隷属(自発的隷属)するか、翼賛的に同調するかを求めたものであり、「個々人の考えを討議して、合意を形成していく」という方法を排除しようとしたものだった。多くの男性理事たちは、森喜朗の発言に同調して、森喜朗の考えがいかに深く浸透しているかを示した。これが国家や共同体の統治様式として支配している実態であることを示した。僕は、オリンピック委員会での女性理事たちの発言に注目していた。山口香という柔道出身の理事はオリンピックの開催の是非を含めて発言していたし、権威主義的な支配の中で、よく、それに抗していると思った。オリンピックは結局、強行されたのであるが、今になって、その内部での汚職(贈賄)が摘発されているが、これは森喜朗が支配したオリンピック委員会の運営(統治)と深く結びついてあることを見なければならない。その意味で、森喜朗の発言と、オリンピックの不正な運営とを関連させて、見なければならない。
森喜朗の政治のことを少し詳しく触れすぎたかもしれないが、今頃になって摘発される汚職も含めて、僕らは、その役割や構造を見ておく必要があると考えるために、詳しく触れた。僕は最近、「原発回帰に向けた政策転換をした岸田の政治が、森喜朗と同じである」ということ思っている。岸田も、「自由や民主主義を基本的な理念とする」と標榜するが、その実態というか、中身は権威主義であり、恣意的政治権力者であるのだ。原発政策の「原発回帰」と言われる転換は3・11後にできた差しあたっての原発政策の枠組み(「原発依存の低減、新原発増設の凍結、原発運転延長の制限」)の廃棄である。この原発政策の枠組みは「原発廃止かどうか」という点では曖昧なところを多分に残すとしても、原発政策の方向を規定するものだった。これまでは、権力側は現在停止中の原発の再稼働だけを突破口に原発の存続をはかろうとしてきた。原発の新増設は手を付けないできた。新増設と言ったところで、現実性に乏しいことは明瞭だったからだ。すなわち、どこに、どのように新増設するか、安全な原子炉というが、それは可能かどうか、現実性に乏しいことは明瞭だった。しかし、新増設は、先のない原発事業への投資を呼び込むために、電力独占体、原発産業、官僚には必要なものだった。だから、新増設の方向は欲されていた。また、運転延長の制限について、権力側はその変更を画策してきた。現在の運転延長制限は「原発稼働は40年、例外60年」という規定だが、現在停止中の原発は、再稼働と言っても、なかなか進まないため、「稼働が40年を超す原発の再稼働を認める」方向への画策である。いわゆる「老朽原発の再稼働」であり、高浜原発や東海第二原発の再稼働の動きなどである。ただ、原発の創設時には、原発の寿命についての規定はなかった。しかし、原発の安全性を含めた稼働に時間的制限を設定することは、当然であった。時間を経れば原発のさまざまな事故が想定されるのは自然であり、「安全であることが実証不可能であれば、運転制限する」というのは合理的である。電力独占体や官僚は、危険性よりも稼働による利益を優先するからであるが、自己に対する責任追及が曖昧で、無責任構造がここにある。現政府の運転延長は「運転40年、例外60年」を、「例外40年、通例60年」に逆転することだが、運転制限の撤廃に、ことをすすめようとしている。これは「運転期間が延びることにおいて、発生率が高くなる原発事故に対する無責任対応」ということに他ならない。原子力規制委員会は「10年毎の検査を」というが、これは多くの人が指摘するように、検査などできないことである。「稼働を時間的に制限することで事故を予防する」ということは合理的であり、必要なことである。僕らは、高浜など老朽原発の再稼働において、様々なトラブルが生まれているのを知っている。ここを見れば、原発の稼働時間が増していく危険性についての予知をえられるはずだ。
岸田の原発政策の唐突な転換は、これまでの福島原発事故に対応した原発政策をめぐる議論とは真逆の、反動的な転換であり、許しがたいものである。この政策転換が「原発回帰」として、福島原発事故に決着をつけたものとみなしている。これは、依然として収拾すらしていない福島原発事故の対する判断(責任)の回避であり、無責任な対応である。これについては「あきれかえる」ということも含め、多くの人の批判がある。また、「岸田の考えるような原発政策の転換がスムーズに行くことはない」と思う。これは明瞭である。
僕は、この政策転換が岸田政治の実態(政治手法的な実態)を暴露したものとして注目した。それは、結局のところ、「森喜朗と同じ政治をやっているのだ」ということである。「政府が、勝手に恣意的に政策を決めていく政治」ということである。国家的な意思決定と権力の関係であるが、これは権威主義であり、恣意的権力の振る舞いである。「自由で民主主義の政治の対極にある政治」ということだ。僕らは、こうした政治にどう抵抗していくのか、いうなら、こういう形態の権力の暴走にどう対抗していくのかが問われている。かつて「大衆運動」という抵抗形態に希望が託される時代があった。これを現在において再生していくしか、僕らには道はない。「大衆運動」の方法や形態を模索していくしかない。「大衆運動」には、権力側の動きというか、その構造を理解(認識)することが、不可欠なことである。権力の政治的動きを構造的に分析し、観察し続けることが大事である。(三上治)
=====デモ・集会のおしらせ====
★ 11月24日(木)月例祈祷会 JKS47士
日時:11月24日(木)午後2時30分より
会場:経産省前テントひろば
予定:14:30~ 芸能の時間 14:50~「月例祈祷会」
★11月25日(金) 経産省前抗議行動(17時~18時)(毎週)
★ 11月27日(日)第18回廃炉デーに参加を!東海第二再稼働阻止
文京区民センター 3A室 18時15分 講演 河合弘之・山崎久隆
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye4980:221121〕
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