G7広島サミットに対抗する市民のつどいを開こう 広島の市民団体がキックオフ集会へ
- 2022年 12月 14日
- 評論・紹介・意見
- G7広島サミット岩垂 弘
G7広島サミットが2023年5月19日(金)~21日(日)、広島市内で開催されるが、広島の市民団体が、同サミットに対抗する「G7広島サミットを問う市民のつどい」をこの時期に開こうと準備を進めており、まず手始めに12月17日(土)18時から、広島市まちづくり市民交流ブラザ北棟6階マルチメディアスタジオで「G7広島サミットを問う市民のつどい」キックオフ集会を開く。
G7サミットとは、首相官邸のHPによれば、自由、民主主義、人権などの基本的価値を共有する仏、米、英、独、日、伊、加の7カ国の首脳が一つのテーブルを囲みながら、世界経済、地域情勢、様々な地球規模課題について、率直な意見交換を行う場だという。毎年開催されており、日本での開催は7回目となる。
「G7広島サミットを問う市民のつどい」は、G7広島サミット開催1週間前の2023年5月13日(土)~14日(日)に広島市内で開催することにしている。いまのところ、13日にアステールブラザで屋内集会、14日に屋外集会とデモ行進を計画しているという。
そのための実行委員会が今年9月25日に発足。呼びかけ人に田中利幸(歴史家)、豊永恵三郎(被爆者)、小倉利丸(JCA-NET)の各氏ら18人、賛同人に田浪亜央江(広島市立大学教員)、土屋時子(広島文学資料保全の会代表)の各氏ら31人が名を連ねている。
同実行委が、G7広島サミットに対抗して「G7広島サミットを問う市民のつどい」を開く狙いはこうだ。
「2023年5月に岸田政権は、G7首脳会合を広島で、大臣級会合を全国各地14カ所で開催します。私たちは、主要な核保有国が核武装への反省も軍縮の意志もないまま、広島に集まることに強い危機感を感じています」
「G7は国際法上も何の正当性をもたない集まりです。G7はこれまでも世界各地で戦争や紛争の原因をつくりつづけ、グローバルな貧困や環境破壊に加担してきました。私たちは、こうした会合に、一切の決定を委ねるつもりはありません」
実行委としては、「市民のつどい」を通じて、G7と各国政府に次の8項目を要求するという。
①G7を即時解散し、広島でのサミット開催も中止し、あくまでも国連の場での議論と決定に基づいて世界の安定と平和構築を目指すこと。
②バイデン大統領は、広島・長崎への原爆無差別大量虐殺と、東京をはじめその他の多くの市町村への焼夷弾無差別爆撃殺傷行為が由々しい「人道に対する罪」であったことを真摯に認め、被害者ならびにその親族に謝罪すべきである。同時に、核抑止力(=核兵器保有)が「平和に対する罪」であることも明確に認め、核兵器を即刻廃棄すべきである。
③日本がアジア太平洋で侵略戦争を行いその戦争を長期化させた結果、米国の焼夷弾・原爆無差別大量虐殺を誘引した責任が日本にもあったことを、岸田首相は明確に認めるべきである。その自覚に基づいて、日本、韓国をはじめ今も日本国内外に在住するすべての犠牲者のための医療福祉政策を充実させるべきである。同時に、速やかに核兵器禁止条約に署名し批准すべきである。
④岸田首相は、日本軍国主義によるアジア太平洋侵略戦争の加害責任を誠実に認め、戦争中に日本軍や日本政府がアジア太平洋各地で犯した残虐な戦争犯罪行為や人権侵害の多数の被害者ならびにその親族に謝罪すべきである。
⑤岸田内閣は日米軍事同盟を廃棄し、NATOへの加担を止め、沖縄をはじめ日本各地に設置されている米軍基地の即刻撤去を米国政府に要求すべきである。日米の軍事関係を、日米両国市民の真に平和的で文化的な多様な交流の連繋に基づく、人間味溢れる国際関係へと変更すべきである。
⑥G7各国政府は、軍拡でロシア・中国・朝鮮を封じ込めることをやめ、それらの国々との平和的共存を目指して、外交交渉を粘り強くすすめていくべきである。また、そのためには、ロシア軍がウクライナ侵略戦争遂行をただちにやめ、ウクライナ大統領・ゼレンスキーとロシア大統領・プーチンが和平交渉のテーブルに1日も早くつくように、各国首脳も奮励努力しなければならない。
⑦国連憲章では、大小にかかわらず各国が同権であり、国連が「そのすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている」ことを明確に謳っている。したがって、国連加盟国であるG7各国もこの国連憲章をあくまでも尊重し、「国際紛争を平和的手段によって国際の平和及び安全並びに正義を危くしないように解決しなければならない」ことを肝に銘じて行動すべきである。同時に、国連機構がこの国連憲章に真に沿うようなものとなるように改正することに努力すべきである。
⑧G7各国政府は、気候危機を発生させ且つ今もその危機状況をさらに悪化させている、いわゆる「先進工業諸国」としての責任を自覚し、生物多様性を保持、発展させ、環境保護に努め、脱原発と化石燃料極力削減による脱炭素社会実現に向けて懸命の努力をしなければならない。また、気候変動による巨大な災害に見舞われているパキスタンやアフリカ諸国をはじめとするグローバルサウス諸国の債務を無条件に帳消しすること。それが地球上の人類と他のあらゆる生物・植物に対する私たちの重大な責任であることを、明瞭に認識する必要がある。
実行委は全国に向けて、つどいへの賛同人(個人・団体)を募っている。
G7広島サミットを問う市民のつどい実行委員会のメールアドレスは
info-nog7-hiroshima2023@proton.me
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
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