SJJA& WSJPO【西サハラ最新情報】514 懲りない汚職野郎と戦争野郎
- 2023年 2月 5日
- 評論・紹介・意見
- EUサハラモロッコ平田伊都子戦争汚職西サハラ
モロッコ王国は、<多次元貧困>の点で世界第2位にランクされたそうです。 UNDP(国連開発計画)などが調査している<多次元貧困>とは、単なる所得調査ではなく、健康と栄養の貧しさ、教育と技能の貧しさ、生活の貧しさ、住環境の悪さ、社会的排除、社会的格差、などなど、総合的な貧困を指します。
一方、モロッコ国王は世界有数の金持ちで、息子は世界一金持ちの皇太子です。
「世界は、裏の世界を知らない世間一般の人々が想像しているものとはずいぶん違った人物によって動かされている」(ベンジャミン・デイズレーリ)
① モロッコゲート(モロッコ王国のEU汚職)で大打撃を受けたモロッコ外交:
2022年12月末にモロッコゲート(モロッコ王国による対EU汚職)が判明した時、「根も葉もない嘘だ。モロッコはEU欧州連合との関係を正す」と、開き直っていた。が、EUが、「事件決着までモロッコの出入り禁止」を表明すると、外交を操るモロッコ国王は慌てた。内外の御用学者に、「モロッコゲートはEU議会の元議員たちが絡む個人的事件に過ぎない。EU本体とモロッコの外交関係には、なんら支障をきたすものではない」との見解を発表させた。モロッコには、ペガサス・イスラエル製スパイウェアの発覚事件を、ウヤムヤに葬った実績がある。
2月2日、EU議会はさらにベルギー人とイタリア人のモロッコ汚職EU議員を
ベルギー警察に渡した
ペガサス・イスラエル製スパイウェアは2022年、大問題になった。このスパイウェアをモロッコは、フランス大統領をはじめとするフランスの閣僚たちや、アルジェリアの外交官たちに仕掛けたからだ。アルジェリアはモロッコとの国交を断絶し、フランスもモロッコ外交団の出入りを暫く禁止した。モロッコは賄賂をばらまき、EU議会や国際社会の口を封じた。汚職を汚職で贖う悪習が、ウクライナと同様にモロッコにも染みついているようだ。
ウクライナ汚職に関して、戦争を理由にゼレンスキー内閣は正直に公表しようとしない。
しかし、2020年来封印されてきた最高検察庁によるウクライナ―大手石油会社の汚職事件捜査を再開せざるをえなくなった。汚職捜査は、ウクライナ・エネルギー会社ブリスマにも飛び火しそうだ。バイデンの息子ハンターはこのプリスマから、2014年から2019年まで最高で5万$(約500万円)の月給を貰っていた。事の顛末は、ハンターのパソコンが記録しているが、ハンターはこれまでパソコンの存在を否定してきた。が、2月1日、ハンター自身がパソコンの存在をみとめざるをえなくなってきた。
信頼すべき情報によると、バイデンゲートを脅しのネタにして、ゼレンスキー閣下は限りなく武器援助を強要しているそうだ。
② 「タンジェ・アピール(西サハラをAUから追放する共同声明)」のマラケシュ大会:
事実上、EUのゲートを閉ざされたモロッコは、ムハンマド六世モロッコ国王のご命令ででっち上げた<タンジェ・アピール>を、マラケシュで蒸し返した。「タンジェ・アピール」とは、<11月4日の緑の行進>を記念して、モロッコ北部タンジェにアフリカの有識者十数人を集め作成させた、「西サハラをAUから追放する」覚書を指す。<緑の行進>とは、1975年にモロッコが失業者などを雇いスペイン領西サハラに1時間越境させた官製デモを指す。モロッコ国王はこの官製デモを、<西サハラはモロッコ人民が勝ち取った>という象徴に利用している。
2023年1月28日、モロッコはマラケシュで、<タンジェアピール>のフォローアップをした。するとこの時点で、アフリカ有識者十数人は、アフリカ19か国の元外務大臣に化けていた。これがモロッコ詐欺外交のやり方だ。CORCAS(王立西サハラ諮問評議会)によると、ギニアビサウ、ジブチ、中央アフリカ、ブルキナファソ、ソマリア、エスワティニ、ベニン、コモロ、リベリア、ガボン、マラウィ、カポベルデ、セネガル、コンゴ民主共和国、ギネア、ケニア、マダガスカル、ガンビア、レソト、が署名したとある?
が、2月1日、レソト外務大臣レジョネ・ムポジョアナは公式声明で署名を否定した。
1984年に西サハラを国家承認したという理由で、モロッコはAUの前身OAUを離脱した。2017年、モロッコは強引にAU復帰した。強引に西サハラをAUから追放せずに、モロッコ自身が再びAUから出ていけばいいのでは?
さらにモロッコは、様々なモロッコ王御用組織を駆使し、イスラエルをオブザーバー国としてAUに参加させる工作を進めている。
その一方、イスラエルから買ったドローンで、モロッコ軍はサハラ砂漠を渡るアルジェリアやモーリタニアの商人や金鉱労働者をたびたび襲うようになった。2023年1月25日から28日まで両国はモーリタニア首都ヌアクショットで、第一回アルジェリア・モーリタニア合同安全保障委員会を開き、これからの対モロッコ国境警備対策などを協議した。
③ 汚職疑惑のネタニヤフ・イスラエル首相が、ウクライナ戦争の仲介?:
1月21日のCNNによると、バイデン政権がイスラエル内に備蓄していた武器弾薬の一部をウクライナに移送させたそうだ。移送の総量は30万発に達する155ミリ砲弾の一部で、今後数週間内に残っている分の移送も予定している。
1月26日、イスラエル軍はヨルダン川西岸のジェニンを急襲した。パレスチナ保健省は「パレスチナ人9人が死亡、数人が負傷」と発表した。ジェニンの急襲から数時間後には、エルサレム近郊で10人目のパレスチナ人が殺害された。イスラエル警察は「暴動」の鎮圧だと言い訳した。
1月27日、エルサレムのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)付近で銃撃事件があり、イスラエル警察が、少なくとも7人が死亡し3人が負傷したと報じた。
1月27日、ガザの<イスラム聖戦>が、「ガザ地区からイスラエルへのロケット弾に関わった」と、犯行声明を出した、報復としてイスラエルの戦闘機がガザを攻撃した。 イスラエル軍は地下のロケット製造拠点とハマスが使用する軍事基地を標的にしたと発表した。
1月30日、パレスチナとイスラエルの紛争激化を懸念したユダヤ人ブリンケン米国務長官はイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談した。パレスチナ大統領とも会った。
1月31日、イスラエルのベンジャミン・ネタニヤフ首相は、「ウクライナ戦争を巡り、両国と米国から要請があれば、双方の仲介役を務めることを検討する」と、CNNとのインタビューで意思表示をした。 しかし、「あらゆる関係当事国から要請があれば、確かに検討するが、自ら進んで行うつもりはない」と、勿体をつけた、イスラエルの極右政権を率いるベンジャミン・ネタニヤフ首相の不気味な発言だ。反パレスチナ急先鋒のシオニスト・ユダヤ人が平和交渉の見返りに、何を要求してくるのか不明だ。が、<世間一般の人々>は双方(ゼレンスキーとプーチン)にウンザリしている。
せこい要求などせず、ベンジャミン・ネタニヤフ・イスラエル首相、一刻も早く、戦争の仲介をしてください!
「戦争は決して解決策ではなく、悪化させるものである」(ベンジャミン・デイズレーリ)
ベンジャミンを名乗る二人は、ユダヤ人の首相です。 デイズレーリ首相は19世紀後半にヴィクトリア女王の寵愛を受け、スエズ運河買収、インド帝国成立など、英国を帝国主義に陥れた大英帝国の狡猾な首相です。
政治家で小説家でもあったデイズレーリ(1804~1881)は皮肉な名言をたくさん吐きました。 その中でもこの言葉は、今に通じるものがあります。
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「サラー西サハラ難民アスリート」の出版情報です。
著者:平田伊都子、写真構成:川名生十、画像提供:アマイダン・サラー、SPS、
定価:本体1,800円+税、
発行人:松田健二、
発行所:株式会社 社会評論社、東京都文京区本郷2―3―10、電話:03-3814-3861
同じ「社会評論社」が出版してくださった「ラストコロニー西サハラ(2015年)」、「アリ 西サハラの難民と被占領民(2020年2月)」にも、お目を通してください。
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Youtube2018年7月アップの「人民投票」(Referendum)もご案内。
「人民投票」日本語版 URL :https://youtu.be/Skx5CP3lMLc
「Referendum」英語版 URL: https://youtu.be/v0awSc25BUU
Youtubeに2018年4月アップした「ラストコロニー西サハラ」もよろしくお願いします。
「ラストコロニー西サハラ 日本語版URL:https://youtu.be/yeZvmTh0kGo
「Last Colony in Africa] 英語版URL: https://youtu.be/au5p6mxvheo
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名生十 2023年2月5日
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion12793:230205〕
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